- 車買取時のリサイクル券について
2005年に制定された自動車リサイクル法により、車の所有者は廃車時にかかる車の資源再利用のための料金を支払う義務があるのだ。そのリサイクル料金を支払ったことを証明するのがリサイクル券である。
車買取時にはリサイクル券も必要となるのだが、なくても問題ない。ただ、リサイクル料金については、車査定時には注意しなければいけない点もある。
ここでは、リサイクル券についての基本情報や特徴、査定時の注意点などを解説しているので参考にしてもらいたい。
車買取・売却に使うリサイクル券とは?3つの特徴とリサイクル料金について
車を廃車にすると、鉄やフロンなど車のいろいろな部品を資源として再利用することがほとんどだ。
再利用するつまりリサイクルするにも費用がかかるものだが、2005年に制定された自動車リサイクル法により、このリサイクル費用を車の所有者が負担することになったのである。
リサイクル券は以下の3つの特徴があるのだ。
- リサイクル料金は新車購入時に支払いし、ディーラーから発行される
- リサイクル券とはリサイクル料金を前払いしたという証明書
- 単なる領収書・証明書ではなく、必要な情報が掲載されている
また、リサイクル料金の内訳は主に以下の通りだ。
シュレッダーダスト料金 | 車を解体した時にでるシュレッダーダストの処分にかかる料金 |
---|---|
エアバッグ類料金 | エアバッグの処理にかかる料金 |
フロン類料金 | エアコンなどに使用されるフロンガスの処理にかかる料金 |
自動車リサイクルシステムの運営にかかる情報管理料金 | |
資金管理に必要となる料金 |
最後の2項目を除きリサイクル料金は車によって異なるが、だいたい1万円から1万5,000円くらいだ。
リサイクル券がなくても車買取・売却に必要がない
車買取・売却時には車検証や自賠責保険翔、自動車納税証明書、名義人の印鑑登録証明書などいろいろな書類が必要となる。その中の1つとしてリサイクル券の預託証明書がある。とはいえ、リサイクル券を紛失してしまったという人もいるかもしれない。
リサイクル券は車買取・売却時に必要な書類ではあるのだが、実際はリサイクル券がなくても車買取・売却は問題なくできるのだ。
なぜなら、リサイクル料金を支払ったデータは残っているためリサイクル券がなくてもいいのである。
車検にリサイクル券は必要なし
2005年に制定された自動車リサイクル法ではリサイクル料金を支払うタイミングは新車購入時や車検を受ける際となっている。だが、厳密にいえば普通車と軽自動車は新車購入時にすでにリサイクル料金を支払っているため必要ない。
とはいえ、実際にリサイクル券を見たことがないという人は少なくないはずだ。車検証に一緒に入れられていることがほとんどだが、紛失している人もいるかもしれない。
だが、紛失していてもリサイクル券がなくても車検は問題なく受けられるので心配無用だ。また、紛失しているからといって車検時に再びリサイクル料金を支払う必要もない。
車買取・売却時にリサイクル料金は返金される
リサイクル料金は、その車を廃車する際のリサイクル費用として新車購入時に前払いしているものだ。新車で購入し、そのまま廃車にするというケースでは異論はないだろうが、車売却をしたならその費用は返金されるべきだと思うだろう。
確かにその通りであり、車買取・売却時には基本的に支払ったリサイクル料金は返金されるのだ。逆に言えば、中古車を購入した場合には、中古車購入時もしくは次の車検の時にリサイクル料金を支払うこととなるのだ。
リサイクル料金の返金対応一覧【大手車買取店10社】
車買取店 | 査定額にリサイクル料の表示 | 返金方法 |
---|---|---|
ガリバー | なし | 買取金額に含む |
ビッグモーター | なし | 買取金額に含む |
アップル | なし | 買取金額に含む |
ユーポス | なし | 買取金額に含む |
カーセブン | なし | 買取金額に含む |
ラビット | なし | 買取金額に含む |
T-UP | あり | 買取金額に含む |
オートバックスカーズ | なし | 買取金額に含む |
ネクステージ | あり | 買取金額に含む |
カーチス | なし | 買取金額に含む |
車買取時の査定額に注意しろ!リサイクル料金で査定額は変わる
車買取時には車買取業者の査定額が一番気になるところだろう。ここで注意をしてほしいのは、査定額にリサイクル料金が含まれているかどうかという点だ。たとえば以下のケースを考えてみてほしい。
- リサイクル料金を含むA社の査定額が50万円
- リサイクル料金を含まないB社の査定額が49万円
査定額だけを見ればA社の方が高いと感じるのだが、B社だとここにリサイクル料金の返金額が含まれるのだ。そのため、結果的にはB社の方が受け取る金額は高くなるのである。
査定額にリサイクル料金が含むのかどうかは車買取業者によって対応が異なるのだ。そのため、買取額を比較する場合には、リサイクル料金の扱いがどうなっているのか事前に確認をしたほうがいいだろう。
リサイクル券をなくすと再発行は不可能…だが証明書の発行は可能
新車購入時に発行されるリサイクル券だが、人によっては失くしてしまったというケースも少なくない。いろいろな証明書だと紛失しても再発行できるケースが多いのだが、実はリサイクル券に関しては再発行が不可能なのである。
では、失くしたらどうしたいいのかと不安になるだろうが、リサイクル券ではなくリサイクル料金を支払ったという証明書の発行は可能だ。そして車売却や廃車の際には、その証明書があれば問題ない。証明書の発行手順は以下のとおりである。
- インターネットで「自動車リサイクルシステム」のホームページを開く
- 自動車ユーザーの方のページで、リサイクル料金検索をクリック
- 車体番号など車の情報を入力する
- プリントアウトする
まとめ
リサイクル料金は車を所有している人が納める義務があるもので、支払った証明となるのがリサイクル券である。リサイクル券は大切に保管しておき、車売却時にはそれも一緒に添付する必要があるのだ。
とはいえ、万が一紛失してしまったからといって気にする必要はない。リサイクル券がなくても支払った情報はデータベースに残っているので、車検も受けられるし車売却も問題ないのだ。