車は一度購入すれば何年も乗り続けることだろうから、人生において車の買い替えもそう何度も行うものではない。
人によっては今回が初めての買い替えという人もいるはずだ。その場合、ある程度の流れを知っておかないと、スムーズに買い替えができずに不便を感じることもあるのだ。
ここでは一般的な車の買い替えの流れについて解説している。また車の買い替えには購入費用だけでなく、細々とした出費があるもので、また買い替えに適したタイミングもあるので参考にしてもらいたい。
車を買い替えるときにやること!流れを解説
車の買い替えを検討しているが、実際に何から始めればいいか分からない人もいるだろう。人によって異なることもあるが、一般的にやるべきことと流れは以下の通りである。
【STEP1】現在乗っている車を査定してもらう
まずやるべきことは現在乗っている車を買取査定してもらうことだ。これについては新しい車を選ぶのと同時に進めても構わないが、人によっては買取額によって選ぶ車の価格も変わってくることもあるため、まずは査定から始めるといいだろう。
車を購入するディーラーや中古車販売店に下取りをしてもらうつもりの人もいるだろうが、一般的には下取りよりも買取の方が高く買取してもらえるため買取査定がおすすめだ。
その際には1社だけでなく複数の買取店に査定してもらい、さらには競合させて交渉していくのが望ましい。そうすることで今乗っている車をより高く買取してもらえるからだ。
高く買取してもらえば新しい車のグレードをアップさせたり、オプション等を充実させることもできるだろう。
【STEP2】 車を売却できるか確認
車は家具や家電のようにすぐに売買できるものではない。状況によってはすぐに売却できないケースもあるため、まずは車を売却できるか確認が必要である。一般的に以下の状況だとすぐに売却はできなくなってしまうのだ。
- 自動車税を滞納している
- 自動車税納税証明書がない
- 自動車ローンが残っている
自動車税は4月1日時点で車を所有している人が支払う義務がある税金で、送られてくる納付書で5月末まで支払わなければいけないのだ。
4月以降に車の売却を考えている人は支払わなくてもいいと思いがちだが支払わないと売却できないので注意が必要だ。
た自動車税を支払っても納税証明書を紛失してしまった場合は、自治体の税事務所で再発行してもらうことができる。また自動車ローンで車を購入した場合には、ローンを支払い終わらないと所有権はローン会社となっているので売却できない。
【STEP3】購入する希望の車を探す
車を売却が順調に進んだら、今度はいよいよ購入する希望を探すことになる。希望の車がある人はそれをメインで検討していくといいが、まだどのような車がいい見当もついていないのであれば、以下のようなポイントで絞っていくといいだろう。
- 予算
- 車の使用目的
- 車のタイプ
- 燃費などの性能
- 年式・走行距離
- 車のデザイン・色
人によって生活スタイルや好みが異なるため、まずは自分とその家族にとってどれを重視すべきか優先順位を決めておくといいだろう。
今後長期間乗り続ける車のため、後悔しないためにも妥協せずに選ぶべきだが、条件によっては自分の理想通りの1台が見つからない場合もあるものだ。そのため、どこまでは妥協できるのかも考えてじっくり検討していくといいだろう。
【STEP4】車の価格交渉
希望の車が見つかったらすぐ契約をしてしまう人もいるかもしれないが、それはまだ早い。
もちろん中古車の場合は希望の車を他の人に買われてしまう可能性もあるため、早急に契約しなければいけないが価格交渉次第ではもっと安く購入できる可能性もある。
新車であれば未使用車以外は契約してから発注となるので急ぐ必要がなく、また同じグレードのほかのメーカーの車を引き合いに出すなどして価格交渉してみるといいだろう。
中古車の場合は中古車販売店がその車を仕入れた金額よりも安くなることはないので、新車ほど値引きは難しいが不可能ではない。
全く同じ車はないが、似たようなグレード・年式・走行距離の車を引き合いに出せば数万円くらいは安くなる可能性は十分にあるのだ。
【STEP5】支払い方法を選択する
購入する車が決まった、もしくは探している途中でも構わないが、どのようにして支払うのかも検討すべきである。支払方法は一般的に以下の3通りある。
- 現金一括払い
- ローン
- 残価クレジット
これまで乗っていた車の買取金額も合わせて一括払いできるのであれば、金利負担もないのでそのほうがいいだろう。
もし一括払いが難しいなら自動車ローンを組む方法もある。ただ審査が必要となるため、前もって金融機関に相談をして審査が通るかどうかも確認が必要だ。
一般的には一括払いかローンになるのだが、最近は新車購入時に利用できる残価クレジットという方法もある。5年後ももしくは7年後に下取りを条件に、その下取り額を差し引いた額だけローンを支払うという契約方法だ。
【STEP6】車保険の手続き
車の購入が決まったら、納車日に合わせて自動車の保険の入れ替え手続きが必要になってくる。新しい車を購入する前は加入している自動車保険はあくまで前の車に対応した保険である。
そのため自動車保険の入れ替え手続きをしないまま新しい車に乗って事故を起こしてしまうと、補償の対象外になってしまう恐れがあるのだ。
人によっては自動車保険の有効期間まで数日だからそのまま放置してしまう人もいるが、いつ事故を起こしてしまうか分からないので危険だ。
自動車保険に新たに加入するから負担が大きいと思うかもしれないが、あくまで車両入れ替えのため高額になることはほとんどないのだ。新しい車のグレード等によっては、わずかながらお金が返ってくることもある。
車の買い替えに必要な大まかな出費について
車を買い替える際、車両本体価格だけで済むわけではなく、それ以外にもいろいろと出費があるものだ。車種やグレード、購入時期によって変わってくるが、大まかな費用としては以下の通りである。
- 自動車税
- 環境性能割
- リサイクル料
- 自賠責保険料
- 車両登録代行費
- 車庫証明代行費
- 納車費用
また購入する中古車の車検が切れていれば車検費用も必要で、その費用もプラスαで必要となってくるのだ。
また代行費や納車費用などは自分で取得したり、車を取りに行けば節約できるものもあるため、販売店の言いなりにならずに自分でできることはやったほうが費用の節約になるのだ。
車の買い替えに必要な書類一覧
車を買い替える際には準備しなければいけない書類もたくさんある。書類によっては車に入っているため特に準備の必要がないものもあるが、役所で取得しなければいけないものもあるし、紛失してれば再発行が必要なものもあるため頭に入れておくといいだろう。
普通自動車に必要な書類
車の買い替えではこれまで乗っていた車を売る際に必要なもの、車を購入する際に必要なものがあるが、それをまとめると普通車では以下のような書類が必要となる。
- 身分証明書
- 自動車検査証
- 印鑑登録証明書
- 自賠責保険証明書
- 自動車納税証明書
- 車庫証明書
- リサイクル券の預託証明書
- 実印
- 譲渡証明書
- 委任状
また車検証の情報から住所や性が変わっている方は住民票や戸籍謄本が必要になるのだ。このうち、譲渡証明書と委任状に関しては買取店や販売店で準備してくれるため、あえて準備の必要はない。
また自動車検査証や自賠責保険書、リサイクル券の預託証明書、自動車納税証明書などは車検証に入れているのが一般的なので、こちらも確認だけでいいだろう。
軽自動車に必要な書類
軽自動車を乗り換える場合には、普通自動車と違って必要な書類は少なくて済む。軽自動車の売買には以下の書類が必要だ。
- 身分証明書
- 自動車検査証
- 自賠責保険証明書
- 軽自動車納税証明書
- リサイクル券の預託証明書
- 認印
- 譲渡証明書
- 委任状
軽自動車の場合は普通自動車に比べて準備する書類が少なくて済むのだ。車庫証明書については多くの自治体では不要となっているが、必要な地域もあるためお住まいの自治体がどうなのかを確認する必要があるだろう。
また譲渡証明書と委任状については店舗で準備しているので記入するだけで、基本的にはその他の書類も車検証と一緒に入れているだろうから確認だけですればいい。もし紛失している場合には早めに再発行したほうがいいだろう。
車の買い替えを考える『4つのタイミング』
車の買い替えは基本的にご自身が新しい車に乗り換えたいと思った時だが、買い替えを考えるのに適したタイミングもあるため参考にしてもらいたい。主に以下の4つのタイミングがある。
【タイミング1】車検の前
多くの人が車の買い替えを考えるのが車検前である。車検は新車時は3年、その後は2年で受けなければいけないものだ。車検は車の状態によって費用は異なるが、少なくとも10万円前後、直す部分が多ければ20万円近くかかることもある。
車検費用が高くなるような時、そしてそろそろ車を買い替えようと思っていたなら車検を受けずに買い替えたほうがいいのだ。
車検がある車と車検がない車の買取額を比べれば、車検があるほうが高くなるが、車検を取得する費用を考えると車検を取得する前に売るのが望ましい。
ただできることなら車検が切れる前に業者に引き渡すようにしたい。もし買い替えを検討しているうちに車検が切れてしまえば、乗れる車がなくなる上に引き取る時にレッカーなどの費用がかかってしまうからだ。
【タイミング2】モデルチェンジなどで価格が大きく下がる前
車を売る際には少しでも高く売りたいと思うものだ。一般的には1ヶ月程度売却が遅くなってしまったとしても、買取額に大きな差が出ることは少ない。だがたった1ヶ月だとしても大幅に買取額が下落してしまうケースもある。
それがモデルチェンジをした場合などだ。モデルチェンジをすると今持っている車がひとつ前のモデルとなってしまい、買取額が大きく下がってしまうのである。
モデルチェンジはメーカーしか知らないことで一般人が内密に情報を入手できないものだ。もし発表前に知ったとしても、それは買取業者も知っているだろうからその時点で買取額は下落してしまうのだ。
そのため売却する車がいつモデルチェンジをしたのか、今度はいつ頃なのかをご自分で想定して、そろそろ鴨と思ったらできるだけ早く売るのが望ましい。
【タイミング3】年数・走行距離を目安
車を少しでも高く売りたいという場合には、年数や走行距離を目安にするのも1つのタイミングだ。当たり前だが、年式は新しければ新しいほど、走行距離は少ないほど高価買取が期待できる。
逆にあるタイミングになると、買取額が大幅にダウンしてしまうこともあるのだ。それが年式なら10年落ち、走行距離なら10万kmである。昔から車の寿命は10年、走行距離は10万kmと言われている。
今は車の性能も良くなっているので10年を超えても10万km以上走行しても問題なく走行できる車が多い。だが、昔からそういったイメージがあるため、10年落ちもしくは10万kmを超えた車はなかなか買い手がつかないのだ。
それは中古車販売店も知っていることのため、買取額も低くなりがちなのである。なので、少しでも高く買取してもらうなら、少なくともその前に売りたいところだ。
【タイミング4】ライフステージによる変化
車の買い替えを考えるタイミングとしては、ご自分もしくは家族のライフステージが変わった時だ。例えばこれまでは独身でスポーツカーに乗っていたが、結婚して子供が生まれたとなれば車をファミリー向けの車にする必要もあるだろう。
逆に子供が大きくなって独り立ちしたら、夫婦で乗れる程度の車で良くなることもある。また引っ越しや就職・転職などにより、車での通勤となった場合には燃費の良い車に乗り換えるのもタイミングとしては望ましいだろう。
このようにライフステージが変化した場合には、車を買い替えることで生活しやすくなったり、お金を節約できることもあるのだ。そのためライフステージの変化があったら車の買い替えも検討してみるといいだろう。
まとめ
このように車は中古車であっても高額な買い物であり、家電などのように簡単に売り買いできるものではない。
買い替えにも時間がかかるものだし、タイミングを間違えば余計な費用がかかってしまったり、買取額が安くなってしまうこともあるので注意したいところだ。
そのため、車の買い替えが少しでも頭をよぎったら、どのような流れで進めていけばいいのか、また乗り換えしたい車はどんなものがいいかなども考えながら徐々に進めていくといいだろう。