今やネットを利用したオークション市場が各流通商品市場の中心となりつつあるが、中古車市場でもその傾向は顕著である。

つまり買取専門業者やディーラーが買い取った車の多くが、ダイレクトにオートオークション市場へ出店されているのが現状なのだ。

このオートオークション会場は全国に100箇所以上も設置されていて、そしてほぼ毎日の様にオークションによる売買が行われている。今回はそのオートオークションとは何か解説していこう。

オートオークションとは?

オークション

オートオークションが中古車市場のメインルートであるのは何故かと言えば、それは売る側にも買う側にもメリットが大きいからである。

それは一言でいえば、中間手数料を省く事による高額買取の実現と、買う側にしても同様でリーズナブルな販売価格が得られる事である。

オートオークションの流れは単純で、売り手が所有車をオークション会場に出品する。そして欲しいと名乗りを上げた買い手が集まって競りを掛けるのだ。基本的には最も高値を付けた者に売却される。

オークション

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一般人がオークションに参加するには資格がいる

落ち込む男性

オートオークションに参加するためには、それぞれの会場で出店・入札に参加するための資格を取得して会員となければならない。

その資格審査はかなり厳しく、身元保証から財産・資産に関する調査まで、オークション売買でのトラブルを回避するために、かなり厳密に参加者選別が行なわれる。その為に参加者のほとんどが中古車買取業者やディーラー、中古車販売店舗となるのが実情だ。

しかし、一般の個人参加者も居ない訳ではない。例えば車好きの方が友人の分も含めてちょくちょくオークション出店したり、中古車購入をするケースもある。もちろん買取業よりも高額売却の可能性が高まるし、購入の場合もかなり抑えた買い物ができる。

ただし、個人のオークション参加が必ずしもメリットになる事はない。オークションにはトラブルも多く、結果として損をする可能性がある事を知っておくべきだ。

基本はオークション代行業者に落札してもらう

ディーラー

一般参加もできるオートオークションではあるが、オークションに参加する手間やデメリットを回避するために、多くの方がオークション代行業者を利用するケースが目立っている。

例えば希望車種を絞り込んでオークションから購入するとして、まず資格取得で会員となるのにかなりの時間と費用が掛かるのだ。

そしてオークションに参加しても、希望する車の相場価格が分からずに、安過ぎる入札をしたり、反対に高過ぎてしまう事も多々見られる。

もちろん安過ぎれば売り手が却下するだろうし、他の業者が目を付けてくれば競争入札であたふたしてしまう事もある。

こういった難しさがオークションにはあって、それで一般参加者は手数料を払ってでもオークション代行業者に依頼する方がメリットが高くなるという事なのだ。

オークションで車を購入するメリット

good-job

オートオークションで車を購入するメリットにはどんなものがあるだろうか?そもそも他の購入方法がいろいろとあるのに、なぜ最近ではオートオークションの利用者が増えているのだろうか?

この理由を踏まえて、オートオークションの利便性やメリットを詳しく掘り下げてみたいと思う。

ポイントは、自分の欲しい車をどこまで安く購入できるかという点だ。チェックポイントをここでしっかりと抑えていくので、これから利用しようという方は参考にしてほしい。

車を安く購入できる

銀色の車

オートオークションの魅力は、何と言っても全ての中古車市場の中で最も安く購入できるチャンスがあるという事だ。場合によっては、中古車センターなどで買うよりも50%以上安く買う事が可能なるのである。

その激安購入を実現するためのノウハウがあるのだが、ここでは中古車業界のプロが実際に使っているチェック方法を紹介していこう。

不人気車

契約成立

オークションは競争入札なので人気の高い車種は高額化しやすく、反対に不人気車の値は上がり難いというセオリーがある。

そこで中古車市場で人気のあまり高くない車種をマイカーにしたい場合は、オークション代行サービスを使ってでも入札に参加すると良いだろう。

もちろん自分で欲しい車の絞り込みは責任を持つ必要があるが、上手くすれば激安レベルの購入が可能となるのだ。

ただしオークションでは実際に触ったり乗ったりする事ができないので、当たり外れは時の運となるだろう。

過走行車

運転

相場の安い中古車の条件としては、年式が古い事と走行距離が長い事がある。つまり過走行車の査定価値は低いという事だ。目安は1年で1万キロ以上が過走行車とされる。

ある程度修理やメンテナンスに費用が掛かっても良いという方は、過走行車を狙うと格安購入ができる。

また同年式の車種でも、5万kmを越えるか超えないかでは数十パーセントも差が付く事があるのだ。また、10km前後のものは殆ど査定がつかないために激安での購入ができる事も知っておこう。

事故車

チェック

オークションでチェックすべきポイントに事故歴がある。その損傷レベルによって査定額は随分と変わってくるのが一般的だ。

例えばシャーシまで損傷が行っていれば殆ど廃車になるし、エンジンや足回りを直すレベルの修理歴があれば、それも大きなマイナス査定になる。

そこで、ちょっとしたヘコミや傷程度の事故車を上手に探すのも格安購入の秘訣である。自分が許容できるレベルの事故車、あるいは修理費を掛けてもお得である事故車を狙って入札するのも得策となるが、中には事故歴を偽るケースもあるので要注意だ。

水没車

車の座席

水没車がオークションに出品される事は時々ある。そして、それらはもの凄く安値で売られるのが一般的だ。

そこで水没車の場合の注意点だが、まずインテリアの損傷がある。シートやレザー部分が劣化する事が多く、見た目や使い心地の落ちるモノは却下したい。また。電気系統の故障は要注意でカーナビやステレオの状態も確認すべきだ。

エンジンの損傷も要注意で、マフラーから逆流していれば大きな故障の原因となり得るだろう。という事で、できれば素人は手出ししない方が無難である。

水没車

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不動車軽自動車

はっきりと『不動車です』との説明付きでオークションに出されている車は、相当に安い価格になる。そこで自分で修理ができるとか、仲間に修理屋さんがいるという方は狙い目かもしれない。

だが、不動車という事はエンジンがダメになっているか、駆動系パーツで大きな損傷がある場合が多く、かなりの修理費が掛かる事を知っておかなければいけないだろう。

オークションでは実際に触ってチェックができないので、これはギャンブルになってしまう。業者以外は手出ししないのが普通である。

キズやヘコミが多い車

年式の古い車

小さなキズやヘコミはちょっとした手間で直す事が可能で、そういった車がオークションに出品された時はチャンスかもしれない。また多少のキズなら気にしないという方も格安購入のチャンスだ。

ただし、板金塗装をしてキレイにする場合のコストも事前に知っておく方が良いだろう。ちゃんとした修理店に依頼すれば数十万円掛かる事はザラにある。

そしてマイカーをどのように乗るかでも、キズやヘコミのデメリット率が変わってくるため、じっくりと考えてから入札をするべきである。

内装が汚れている車

車の座席

日本人は比較的に車をキレイにして乗っている事が多く、逆に内装が汚い車は大きく査定が下がる傾向だ。またタバコの臭いが酷いだけでも査定は下がるので、格安購入にはその様な車も狙い目になる。

ポイントは車内清掃にどのくらいの手間や費用が掛かるかである。汚れているだけならば、徹底したクリーニングで対応できるが、擦り切れていたり、タバコの焼け跡が酷い場合は元に戻らないものだ。

つまりユーザーの許容度合いによって、得にもなり、損にもなり得るだろう。

オークションで車を購入するデメリット

ディーラー

オートオークションは中古車の専門業者が集まる市場で、一般参加者の絶対数はかなり低い事を知っておこう。

要するにオークションには、個人参加者に不利な条件が多々あるという事になる。まず出品車を実際に確認できない事だ。故障や不備があれば、その分の修繕費がかさむだろう。

また車に詳しくない方は事故車やトラブル車を掴まされる危険もあり、故意に騙そうとする出品者もいるのだ。その他にも問題があって、国民生活センターでも注意を呼び掛けているのが現状である。

購入前に実車を確認できない

タブレットを使う男性

オークションの最大のデメリットは、現物を自己確認できない事である。つまり出品車を試乗できない為に、実際の状態を知る事が難しいのだ。

この点では、専門業者ならばカバーできる。もし故障箇所があっても、手持ちのパーツで簡単に自前修理が可能となる。

個人参加者は購入後に発見したトラブルに対応するのが困難で、得てして高い修繕費用が発生する事になる。その確率が決して低くない事を、国民消費者センターなどのデータが教えているのだ。

希望の車を必ず購入できるわけではない

PCの前で落ち込む男性

オークション会場は国内に100以上もある為、中古車も分散して出品される。そのために一つや二つのオークション会場に参加しても、自分の欲しい車種を希望価格で購入するのは意外と難しいのだ。

最近ではオークション代行サービスが便利で、ある程度は依頼者の希望を叶えてくれるのだが、それでも依頼者の微妙な好みや価値観には対応できないのが現状だ。

それで落札されて手元に届いた時に、『これは違うな』と満足できないケースも少なくない。

詐欺・悪質な業者もなかにはいる

相談する男性

オークションで怖いのが詐欺などの不正販売である。特に高額商品が売買されているオートオークション会場では、海千山千の中古車業界のプロが売り買いをしているために、一般人では見抜けない様な巧妙な不正が多種多様に行われているのだ。

もちろんオークション会場では監視の目を光らせていて、悪徳業者の詐欺行為を徹底的に取り締まる様にパトロールの強化を計ってはいる。

だが、そこは自由売買の恐ろしいところで、次から次へと新手のテクニックが発明され、粗悪品を高額で売却する不正行為が後を絶たないのが現状なのだ。

不正の実情に関しては、国民消費者センター等のデータが分かり易いのだが、その中でも特に多く見られる事例について紹介してみよう。

希望と違う車が落札されていた

待ち合わせ

オートオークションでは実際の出品車を確かめる為に、試運転をする事はできない。それどころかボンネットを開けて内部をチェックする機会も与えられないのが一般的だ。つまり購入して手元に車が届くまで、どんな車が来るのか分からないというデメリットがある。

このことからよく起こるトラブルとしては、希望していた車とは違うものが落札されていて、納車ではじめてその事を知るケースだ。

悪質な場合は、わざと違う車を送ってくる事もある。もちろん程度の悪いものを届けてくるために、結果として高い買い物になってしまうだろう。

これが業者間であれば、それなりの対応を取る事も可能かもしれないが、個人参加者ではほぼ泣き寝入りのケースになりやすい傾向にあるのだ。

キャンセルしようとしたが落札代金等全てを支払うように言われた

交渉

オートオークションでは落札して受け取った車が希望と違っていて、それでキャンセルを申し出る事も時々ある。だが、既に契約完了をしている事を盾にとって、一方的にキャンセルを拒否するというケースがあるのだ。

また、どうしてもキャンセルする場合は落札代金等を含めて全額支払う様に求めてくるケースもあって、オークションでは悪質な出品者に捕まってしまう危険がある事を知っておかなければならないだろう。

こうなると完全にキャンセル料詐欺と言える。

確かに中古車売買にはトラブルが付き物だが、店舗販売であればもう少し安全性が担保されるし、ちゃんとしたオークション代行業者を利用すれば、事前のチェックでトラブル回避が可能だ。

つまりリスク管理もオークションのノウハウである。

オークションで車を購入するのはある程度の妥協が必要

握手

オートオークションは中古車専門のプロがしのぎを削って売買をする戦場の様な側面があり、素人である個人参加者は充分にリスク管理を整えて望まなければ、得てして大きな怪我をする可能性がある。

まず画像だけの品質チェックでは、その車の状態を詳細にチェックする事は不可能で、個人参加者では目利きが及ばず、望む車が得られるとは決して限らない。実際に納車されて、それで不満を抱く利用者は多数に及ぶ。

しかし自分が選んで入札して、それを購入した以上は原則として自己責任である。売り手に明らかな不正や詐欺行為が確認できない場合は、買い手から契約不履行にする決め手が得にくいだろう。

実際には1週間以内のクーリングオフを設定しているオークション会場もあるが、現時点ではキャンセルに関してのハードルが高い状態であると言える。

また悪徳業者であれば、余程の落ち度がない限りは、希望と違う納車をしても知らぬ振りを決め込むかもしれない。

この様に考えると、オークションでの中古車購入ではある程度の妥協を前提に参加する必要があるだろう。もちろん格安での購入チャンスが多いのだから、その反面で車の品質(状態)に不安定要素がある事も十分覚悟をして臨むべきかもしれない。

そういったリスクを踏まえて中古車専門の業者は売買をしているのだ。

まとめ

ノートを取る男性

中古車センターなどでは、買取や下取りによって購入した中古車をある程度レストアしてから販売する。その為に中間手数料として相当額の費用が上乗せされているのがセオリーだ。

極端な話をすれば、50万円で買い取った車を100万円で売るケースさえある。一般的には購入額の50%ぐらいの上乗せは行われている。

そのコストをカットできる売買ルートとして、オートオークションが注目を集めているのは確かだろう。ケースバイケースではあるが、同じレベルの中古車を店舗価格の半額でゲットできるチャンスは十分にあるのだ。

その代わりに個人参加者のハードルは高く、まず100か所以上もあるオークション会場で自分にメリットのありそうな会場を選び、入札の資格を取る必要がある。

参加資格を取得しても簡単にお得な車両はゲットできない

そしてお目当ての中古車を探す手間、対象車の状態チェックのノウハウ、低額入札のテクニックなど、簡単にお得車両をゲットできるとは限らないのだ。

それは参加者のほとんどが熟練のプロばかりだという事もある。また詐欺をもいとわない悪徳業者の罠も待っていて、個人参加者がカモにされるトラブルは多い。

そういったリスクを踏まえて、それでも参加するのならばオークション代行サービスを利用すると良いだろう。またどうしても個人参加をするならば、ある程度の妥協は覚悟すべきである。