車は購入すれば後は費用がかからないものではない。維持費ということで費用が必要になってくるものだ。
そのため維持費のことを考えずに車を購入してしまうと、最終的に手放すことになるだろう。しかし車の維持費といっても、どの程度は必要になるのだろうか。
また維持費にはどんな種類があるのかを知らない人は少なくない。そこで車の維持費にスポットをあてて詳しく調べてみた。
車の維持費の種類は6つ
最初に車の維持費にはどんなものがあるのかから確認していきたい。大きく分けると6つの費用が発生することになる。この維持費を知ることで、ある程度は費用がどれだけ必要になるのか確認できるだろう。
【維持費①】税金(自動車税や自動車重量税など)
車を所有することでかかる税金がある。
- 自動車税
- 自動車重量税
車を購入する段階で自動車取得税というものがあったのだが、これは現在では環境性能割という名称になっている。ただ購入時に一度だけ支払うものであり、継続して支払うのは上記の2つだ。
自動車税は毎年4月1日時点で車を所有している人が支払う税金で、自動車重量税は車検の時に所有する車の重さによって課される税金になる。
【維持費②】保険料(自賠責保険と任意保険)
自動車の維持費として有名なのが保険料だろう。
- 自賠責保険
- 任意保険
自賠責保険は自動車を所有するのなら必ず加入しなくてはいけないものだ。一般的には車検のタイミングで保険料を支払うことになる。
任意保険は加入の義務はないものの、リスクを考えた時には入っていた方がいいだろう。ただ任意保険の場合は、様々なケースにおける補償を自分で決められる。そのため節約することもできる。
【維持費③】走行に関わる費用(ガソリン代や高速料金)
車の維持費としては、走行に係わる費用もある。
- ガソリン代
- 高速道路の利用料金
大きくはこの2つになる。ガソリン代は走れば走るほどかかるものだが、燃費性能の良いハイブリッド車などを選ぶことで節約できるだろう。高速道路の利用料金は、どういう乗り方をするのかで違ってくるはずだ。
近距離しか乗らないという人にとっては、年に1回~2回ほど利用するくらいなので、さほど考慮しなくてもいいかもしれない。
【維持費④】メンテナンス費用(車検代や消耗品の交換費用・修理代など)
車の維持費としてまとまった金額が必要なのがメンテンス費用だろう。
- 車検代
- タイヤやエンジンオイルなどの消耗品交換費用
- 修理代
新車購入だと初回は3年、以降は2年に一度かかるのが車検代だ。車の大きさなどによっても費用は変わってくるだろう。
最近では格安ですませられる店舗もあるが、必ず支払わなくてはいけない費用があるので注意したい。車には消耗品も多く、定期的に交換する必要が出てくるだろう。
また長期間乗っていると故障するパーツもあるので、その場合は修理費用もかかる。
【維持費⑤】駐車場代(月額料金やコインパーキング代)
車の維持費には駐車場の代金も考えておく必要があるだろう。
- 駐車場代金
- コインパーキング利用料金
駐車場の費用は都市部と地方で大きく値段が違ってくる。東京だと数万円以上が相場だが、地方だと数千円で借りられるはずだ。また自宅を所有しているのなら、駐車場が要らないケースもあるだろう。
コインパーキングの利用料金も同じように考えられる。都市部では車を駐車するスペースは、ほぼ有料となるだろう。ただ地方だと無料で駐車できるケースも多い。
【維持費⑥】ローンの金利
車をローンで購入した場合にかかる、利息の支払いも維持費の1つだ。カーローンの金利は、どの金融機関から借りるのかで大きく違ってくる。
- 銀行系は低め
- 信販系は中間程度
- 自社ローンなどは高い
といったようにローンを借りる際の審査の難易度で、金利が違ってくると考えていいだろう。ちなみに銀行系だと審査は厳しくなるのが、金利が低いので高額の借入をする時に有利になる。
自動車の年間維持費のシミュレーション「軽自動車」「普通車)」を比較
軽自動車 | コンパクトカー | ミニバン | |
---|---|---|---|
自動車税 | 10,800円 | 30,500円 | 43,500円 |
自動車重量税 | 12,300円 | 16,400円 | 16,400円 |
自賠責保険料 | 12,422円 | 12,806円 | 12,806円 |
任意保険料 | 80,000円 | 85,000円 | 90,000円 |
車検代 | 25,019円 | 25,343円 | 25,470円 |
メンテナンス費用 | 15,000円 | 18,000円 | 20,000円 |
ガソリン代 | 81,152円 | 101,344円 | 135,203円 |
駐車場代 | 144,000円 | 144,000円 | 144,000円 |
年間合計金額 | 380,693円 | 433,393円 | 487,379円 |
月間平均維持費 | 31,724円 | 36,116円 | 40,615円 |
引用元:常陽銀行
車の維持費を車種別で見ると軽自動車やコンパクトカーがおすすめ
車を購入する際に、維持費を考慮するという人も少なくない。車の維持費は様々な面で違ってくるのだが、大雑把に言えば大きな車ほど維持費は高くなるだろう。逆に言えば小型の車ほど維持費は少なくてすむ。
- 軽自動車
- コンパクトカー
維持費が少なくてすむのはこの2つの車種になるだろう。最近では乗り出し価格がコンパクトカーの方が安い場合も多い。そのため維持費なども含めて、実際にいくらかかるのか計算してみるのがおすすめだ。
【注意】中古車は年式の古さや車種・燃費の良し悪しで維持費用が増える
中古車を購入するのなら、維持費で注意しておきたいことがある。それは新車と違って年式の古さなどで、維持費用が大きく影響を受ける点だ。
- 自動車税・自動車重量税が初年度登録から13年でアップする
- 燃費の悪い車だとガソリン代がかかる
- 故障などのリスクが高くなる
この3つが代表的なものだが、特に税金面には注意しておきたい。例外となる車種もあるのだが、自動車税は13年目から高くなる。またディーゼル車の場合は11年目からなので注意しておきたい。
自動車重量税は13年・18年のタイミングでアップする。2回も税金額がアップするので覚えておこう。また中古車はどうしても新車より故障するリスクがあるのは否めない。
マイカーの維持費を抑えるポイント
車にかかる維持費には、どんな種類があるのかを確認してきた。次にそれらの維持費を節約するポイントを紹介しておこう。節約できるポイントを実践することで、より維持費の負担を減らせるはずだ。
【ポイント①】維持費の高い車種を選ばない
維持費を節約する上で、最も注意したいのが節約できる車を選ぶことだ。そのポイントを以下に挙げてみる。
- 軽自動車やコンパクトカーを選ぶ
- 特にエコカーなら効果的
- 年式の古い車よりも新しい車を選ぶ
- 中古車よりも新車の方がメンテナンス費用はかからない
基本的に維持費を節約したいのなら、軽自動車やコンパクトカーを選ぶといいだろう。その中でもエコカーを選ぶのがおすすめだ。エコカーは免税の対象になるだけではなく、燃費性能にも優れているのが特徴になる。
またメンテナンス費用などを考慮すると、中古車よりも新車を選んだ方がいいだろう。またある程度乗ったのなら、次の車に乗り換えた方が維持費的にはお得になる。
【ポイント②】現金購入や低金利のマイカーローンを選ぶ
車の購入で支払額を減らしたいのなら、現金による一括購入を考えた方がいいだろう。軽自動車やコンパクトカーなど、車両本体価格が低い車はそもそも大きな値引きは期待できないからだ。
また現金での一括購入が無理であるのなら、できるだけ低金利のカーローンを選ぶべきだ。一般的には銀行が提供するローンになるのだが、実は安定した収入と他社からの借金が少なければ、意外と審査は難しくないだろう。
【ポイント③】燃費の悪い古い車は乗り換えを考える
維持費を考える上で、毎日のガソリン代は重要になる。特に昨今のようにガソリン代が高騰している状況では、なるべく燃費の良い車を選びたい。
逆に言えば燃費の悪い車は、乗り換えを検討すべきだろう。最近では車の燃費性能がどんどん上がっているので、10年も違うとかなり燃費性能が違ってくるはずだ。
燃費性能が上がれば免税の対象にもなってくるので、維持費の節約のためにも考えてみるべきである。
【ポイント④】定期的に車のメンテナンスをしておく
車のメンテナンスは定期的にしておくのが重要だ。メンテナンス費用がもったいないからといって、整備などを使わずにいるとどんな故障が起こるかわからない。
- 出先でエンジンがかからない
- 走行中に車が動かなくなる
などのようなリスクも出てくる。その場合は急な出費が必要となってくるだろう。こうしたリスクを回避する意味でも、定期的なメンテナンスは必須だと考えていい。
【ポイント⑤】月々の支払いが安定しやすいカーリースを利用する
車の購入では初期にかかる費用が多い。仮にカーローンを利用したとしても、維持費については別途支払っていく必要がある。そのため自分の収入では難しいという人も出てくるだろう。
そうした時におすすめなのがカーリースを利用することだ。
- 初期費用が0円で借りられる
- 月々定額の支払で車に乗れる
- 車検や保険などもコミコミの業者がある
などのように大きく初期にかかる費用を減らせるのだ。また維持費についても利用料金に含まれるプランがある。実質的にかかるのは、駐車場代金とガソリン代に高速道路費用くらいになるのいが特徴だろう。
維持費をかなり節約できるのだが、カーリースにもデメリットはあるので十分に検討してから利用するといいだろう。
【ポイント⑥】車検やメンテナンス費用が安い業者を選ぶ
車の維持費でまとまったお金が必要なのが車検やメンテナンスだ。これらについては、費用が安い業者を選ぶといいだろう。ただし節約できる分はある程度決まってくる。なぜなら法定費用があるからだ。
- 法定費用とは税金の支払いなどを指す
- 法定費用はどんな業者でも絶対に削れない
などの特徴がある。格安車検を実施している業者は多いので、幾つか見積もりをとって比較してみるといい。メンテナンスの費用も同様で、見積もりをもらって比較するのが重要だ。
【ポイント⑦】自動車保険を見直す
意外と節約できるポイントが多いのが自動車保険である。自動車保険といっても、自賠責保険はどうしようもできない。ただ任意保険の場合は、ポイントを絞ることによって費用を節約できるだろう。
- 運転者を所有者のみにする
- 不要な特約を見直す
- ダイレクト型保険にする
- 免責金額を設定する
- 内容が重複する契約はないか
- 運転者の年齢設定は適切か
などのように幾つかのポイントがある。
また今の保険と同じ内容でも、保険会社を変更することで料金が安くなるケースもあるだろう。そのため保険の一括査定を利用してみるのもおすすめだ。
まとめ
車の維持費についての情報を徹底的に検証してみた。車は購入してからがスタートだと言えるほど、維持していくためにお金がかかるものだ。
絶対に支払いをしなくてはいけない税金などもあるので、しっかり考慮しておきたい。維持費を考慮せずに購入して、手放すことになるケースも少なくないそうだ。
そのため何に対して維持費がかかるのかは、しっかりと計算しておこう。維持費の節約をしたいのなら、車選びの段階から考慮する必要がある。