20世紀の後半、急激に増えたディーゼル車の排気ガスが大きな社会問題になり、その後ディーゼル車を規制する動きがあった。それに伴い、ディーゼル車は徐々に姿を消していった。

しかし巻き返しを図るべく、ディーゼルエンジンの改良が始まったのだ。そして誕生したのが「クリーンディーゼル車」というわけである。ガソリン車がガソリンを燃料として走るのに対し、ディーゼル車は軽油を燃料とする。

ではそもそもディーゼル車とはどんな車なのだろうか。この記事ではクリーンディーゼル車が誕生した背景やそのエンジンの仕組み、またクリーンディーゼル車とディーゼル車との違い、そしてクリーンディーゼル車のメリット・デメリットなどについてご紹介していこう。

クリーンディーゼル車の仕組みを解説

カーショップ

クリーンディーゼル車とは、2009年から施行されている「ポスト新長期規制」という排気ガスに関する規制基準を満たした、窒素酸化物や粒子状物質の排出量が少ないディーゼル車のことである。

そもそもディーゼル車はガソリン車よりも燃費性能が高く、二酸化炭素の排出量も少ないという良い面がある。低回転でも高いトルクが得られるため、パワフルな走りが楽しめるとあってディーゼル車愛好家もかなり多い。

しかし環境汚染が社会問題となる中で、ディーゼルエンジンの排ガスも規制されるようになった。それに伴い規制基準を満たすために、ディーゼルエンジンの再開発が行われるようになったのである。

クリーンディーゼルエンジンの大きな特徴は、排出されるガスの浄化システムにある。

尿素SCRシステムは、アンモニアと窒素酸化物の化学反応を利用して、窒素酸化物を無害化するものである。こちらは主に大型車に用いられている。

また窒素酸化物吸蔵還元触媒というシステムは主に小型車に用いられ、触媒による化学変化によって窒素酸化物を無害な窒素や酸素に還元し、有害物質を低減させている。

このような技術革新により、ディーゼル車の次世代カーであるクリーンディーゼル車が誕生したのである。そしてクリーンディーゼルは以下によると次世代自動車の一つとして認定されている。

日本でも、CO2削減の観点から、クリーンディーゼルは次世代自動車の一つとして認定されており、購入できる車種も徐々に増え、今後の普及拡大が期待されています。

そもそもディーゼル車って何?

相談

ディーゼルエンジンの仕組みを考えるにあたり、まずはガソリンエンジンの仕組みについて見てみよう。

ガソリンエンジンもディーゼルエンジンも、エンジンがかかるまでの工程は同じである。吸気、圧縮、膨張、排気という工程を経て、車が始動する。

ガソリンエンジンの場合、吸気工程にて、まず吸気弁が開きガソリンと空気の混合気が燃焼室に入ってきてピストンが下がる。

次に圧縮工程でピストンが押し上げられることによって、ガソリンと空気の混合気が圧縮される。

次にその圧縮された混合気に点火プラグで電気的に点火を行う。そうすると今度はピストンが押し下げられるという膨張工程を経て、燃焼後のガスが排気されるという仕組みになっている。

一方ディーゼルエンジンの場合、吸気工程で入ってくる気体は、空気のみである。そしてピストンが押し上げられることで空気が圧縮するが、この時圧縮された空気はなんと600℃もの高温になるという。

そこに燃料が直接噴射され、自然着火する。その時の力がピストンを押し下げ、その後燃焼後のガスが排気されるという仕組みになっている。

このようにガソリンエンジンとディーゼルエンジンには基本的に構造の違いはないが、使用する燃料が異なり、ディーゼルエンジンは軽油を燃料としているのである。

マツダのSKYACTIVE-Dは世界一の低圧縮ディーゼルエンジンを実現

運転

マツダのSKYACTIVE-Dという言葉を最近よく耳にするようになっただろう。実はこれ、ディーゼル式のエンジンのことで、世界の常識を覆して作られたものである。

先程説明したように、ディーゼルエンジンは圧縮工程で、空気を高圧縮し軽油を直接噴射して自然着火させる。

しかしマツダは、空気と燃料の混合気を低圧縮で燃焼させる技術を開発し、そしてこの技術を実用化したエンジンは比率が14.0という世界一低圧縮のクリーンディーゼルエンジンとなったのである。

このように世界最高峰の技術が盛り込まれることで、燃焼の際に出る窒素酸化物や二酸化炭素などの排気ガスを少なくすることに成功した。同時に燃費性能も20%向上したというから驚きだ。

クリーンディーゼル車とディーゼル車の違い

タブレット 男性

ディーゼル車というと騒音が大きく、黒煙を上げて走るというイメージを持つ方も多いだろう。クリーンディーゼル車とは、PMと言われる粒子状物質や窒素酸化物などの有害な排気ガスの排出量を少なくした車のことである。

ディーゼル車の難点と言われた環境面での基準を満たすために「コモンレールシステム」という技術が採用されている。

この燃料噴射システムにインクジェットプリンタの原理を用い燃焼効率を上げることで、燃焼時の有害物質低減が実現した。

また排気ガスの処理能力も向上させた。DPFと呼ばれる黒煙除去フィルターも開発され、今だに進化を続けているのである。

クリーンディーゼルが生まれた理由

話し合い

ディーゼル車の規制が厳しくなったのは、ディーゼル車の出す排気ガスが環境に良くないという指摘があったからである。特に排気ガスに含まれる黒煙やPM、窒素酸化物が酸性雨の原因とされた。

もちろんこれらの有害物質はガソリン車も排出するし、工場の煙にも含まれているのだが、トラックやバスなど大型車に多く使用されているディーゼルエンジンにその矛先が向けられ、ディーゼル車を締め出す動きが見られるようになった。

実際に東京都が1999年から「ディーゼル車NO作戦」なるものを実施し、環境基準を満たせないディーゼル車の走行は都市部を中心に規制されるようになったのだ。

また旧式のディーゼル車は車検を取得できなくなり、事実上ディーゼル車は姿を消すこととなった。しかしここから巻き返しが始まる。

ディーゼルエンジンの改良が始まり、エンジンからの排気ガスを減らすこと、そして排気ガスに含まれる有害物質を取り除くことの両方に関する技術革新が行われ、見事環境基準をクリアしたクリーンディーゼルエンジンが誕生したのである。

クリーンディーゼル車のメリット

グラフとデータ

今注目されている次世代のエコカー、クリーンディーゼル車であるが、この車にはどのようなメリットがあるのだろうか。

今も昔も大型のバスやトラックはディーゼルエンジンを搭載していることがほとんどだが、それはディーゼルエンジンには低回転でも強いトルクが得られるという特徴があるからである。

ディーゼル車ならではのパワフルな走行を好む人も多い。では、クリーンディーゼル車に乗る利点を5つ挙げてみよう。

燃費の良さ

運転

ディーゼル車の最大の利点はやはり、燃費の良さだろう。

ディーゼルエンジンは、シリンダー内の空気を圧縮することで高温にし、燃料の軽油を噴射して爆発燃焼させることで発生するエネルギーを動力としている。

そのためガソリンエンジンよりも発生するエネルギーが大きく、より少ない燃料でエンジンを効率よく回すことができるため、燃費が良くなるのだ。

同じモデルの車でも、ガソリン車と比べるとディーゼル車は格段に燃費性能が高い。

例えば、マツダのデミオで比較してみると、ガソリンエンジンの場合の燃費は13.8~25.0㎞/L、ディーゼルエンジンの場合の燃費は、22.8~30.0㎞/Lとその差は歴然としている。

走行距離

上昇

ディーゼルエンジンの特徴として、頑丈に作られており耐久性が高いということが挙げられる。

そのため、エンジンの寿命もガソリンエンジンの2倍とも言われており、平たく言えばディーゼル車はガソリン車の2倍走行できるという計算になる。

もちろんそんな単純なものではないのだが、エンジンが強くて調子が良ければ、長期間乗ることが可能になる。

クリーンディーゼル車はヨーロッパでとても普及しているのだが、ディーゼル車が選ばれる理由の1つがこの耐久性の高さなのである。

メンテナンスをきちんと行っていけば、エンジンの寿命も伸ばし、たくさんの距離を走ることが可能になるだろう。

環境性能

黄色の車

昔の黒煙を出しながら走るというイメージから、なにかと環境に悪いと目の敵にされてきたディーゼル車であるが、実は環境性能に優れている点もある。

それはガソリン車に比べて、二酸化炭素の排出量が少ないという点である。

またディーゼル車が燃料とする軽油は、精製の過程で排出する二酸化炭素がガソリンの約半分で済むとも言われている。

それでもし今後、クリーンディーゼル車がもっと普及してガソリン車のシェアを奪うことができたとすれば、走行時と燃料精製時の両方で二酸化炭素の排出量を減らすことができると考えられているのだ。

燃料が安い

ガソリン給油

ディーゼル車が燃料としているのは、ご存知の通り軽油である。軽油はガソリンと比べて安価なため、燃料費が安いというメリットもある。

ここに満タンで40リッター入る車があったとしよう。125円のレギュラーガソリンを満タンにした場合、合計金額は5,000円だ。

しかし100円の軽油で満タンにした場合は、合計金額が4,000円となり、1回の給油で既に1,000円の差額が生じてくることになる。

軽油の場合、レギュラーガソリンと比べて大体1リッターあたり15円~25円ほど安くなっている。その上ディーゼル車は燃費性能も良いため、ランニングコストの軽減が期待できるのだ。

トルクが高いから軽く踏むだけで力強い加速が可能

運転中

トルクとは、車体を加速させる力のことである。トルクが大きければ大きいほど、重量のある車を加速させることができる。

ディーゼルエンジンは低回転から高いトルクを生じさせることができるため、軽く踏むだけでも力強い加速感を味わうことができるというメリットがあるのだ。

ディーゼルエンジンの真価が特に感じられるのは、混み気味でも車の流れが早いような場面である。

一定の車間を楽にキープすることができ、軽くアクセルを踏むだけで力強くしかも穏やかに加速できるため、ストレスの少ない走行が可能になるのである。

クリーンディーゼル車のデメリット

前項で見てきたように、クリーンディーゼル車にはたくさんのメリットがあるが、一方でデメリットがあるのも事実である。

特に購入時の支出が大きい上に、メンテナンスのための費用が意外とかさむのだ。ディーゼル車の根強いファンも多いのだが、まだまだ課題として残されている問題も多く、これからの技術向上に期待したいところである。

ではクリーンディーゼル車のデメリットを8つ順番に見ていこう。

車両の価格が高い

お金の取引

やはり一番に挙げられるデメリットは、車両価格が高いということだろう。

環境に配慮した世界一厳しい基準とも言われている「ポスト新長期規制」を満たすためには、相当な技術革新が必要であった。

そのために開発された技術を搭載したクリーンディーゼル車は、同じモデルのガソリン車と比較すると大体20万円~40万円ほど高値となるケースが多いのだ。

例えば、マツダの「アクセラ」にはクリーンディーゼル、ハイブリッド、ガソリンの3タイプあるが、

  • ガソリン車:239万円~
  • ハイブリッド:250万円~
  • クリーンディーゼル車:268万円~

とディーゼル車が最も高くなっている。

ディーゼルエンジンのために車両が重い

エンジン

エンジンが頑丈に作られているということは、それだけ重量があるということにもなる。

普通ガソリンエンジンは圧縮比が11以下であるが、ディーゼルエンジンの場合は着火しやすくするため圧縮比が20以上とかなり圧縮比が高い構造となっている。

その高圧縮に耐えられる頑丈なエンジンにするためには、それぞれのパーツも頑丈になり、その分重量がかさむことになるのである。

クリーンディーゼル補助金が出る

会社

クリーンディーゼル車購入時には、自動車重量税や自動車取得税などが減税されるという「エコカー減税」という制度に加えて、「クリーンエネルギー車補助金」という制度も適用される。

この補助金の対象になるのは、平成22年に出された「ポスト新長期規制」という排気ガスに関する基準をクリアしたクリーンディーゼル車である。

これは世界一厳しいとも言われている基準で、ディーゼル車であってもガソリン車と同程度の規制値が設けられている。さらに次世代自動車振興センターで審査・承認された車両という条件も満たす必要がある。

しかし以前は満額もらえていた補助金が今はほぼ半減しており、国家予算がなくなれば打ち切られる早い者勝ちのものとなってしまった。補助者対象車も年々減っており、今後は補助金自体がなくなる可能性が高い。

点検・整備に専門知識がいる

メンテナンス

クリーンディーゼルエンジンは複雑な機構を持っているため、点検や整備には専門知識を持った整備士が必要となる。

特にコモンレールというディーゼル燃料の燃焼をコンピューターにより電子制御するシステムが開発されたことで、長年ディーゼルエンジンの課題であった汚染物質排出量の低減を実現させた。

しかしこのコモンレールディーゼルを扱える整備士がまだまだ少ないため、町工場などでは整備できないと言われてしまうことがあるのだ。

そのためメンテナンスのたびに、このディーゼルエンジンを扱える整備士のところに車を持っていく必要がある。

アドブルー(尿素水)が必要な車種もある

黒い車

アドブルーというのは尿素水のことである。

これは何のために使われるかというと、酸性雨の原因とされる窒素酸化物にアンモニア水を噴射して、化学反応を起こすことにより窒素酸化物を無害化する浄化システムに必要とされる。

この尿素SCRシステムを搭載しているメーカー、例えばメルセデスやトヨタなどの車両には、このアドブルーが必須となるのだ。アドブルーは定期的な補充が必要で、足りなくなると排気ガスに問題が生じる。

アドブルーは規格品なので、定期的な補充には意外とコストがかかってしまう。

専用のエンジンオイルが高い

オイル交換

メンテナンスの費用でもう一つ見過ごせないのが、エンジンオイルの交換である。最新のクリーンディーゼルエンジン専用のオイルは少々お高めだ。純正オイルフィルターだけでも2,000円はする。

ディーラーでオイルとフィルターの交換を依頼すると、多少の差はあるが、10,000円ほどと考えておいた方が良いかもしれない。

クリーンディーゼルエンジンはオイル指定という場合も多く、純正の物だとやはりコストがかさむ。5,000キロごとにオイル交換、10,000キロごとにフィルター交換と考えていくと、けっこうな費用になる。

DPFを再生(クリーニング)する必要がある

オイル交換

ディーゼルエンジンの排ガスに含まれるPMつまり粒子状物質を除去するために有効なシステムが、DPFとよばれるディーゼル微粒子補修フィルターである。

このフィルターはある程度使用すると目詰まりを起こしてしまうので、定期的なクリーニングを必要とする。

基本的には自動でキャッチしたススを燃焼させてクリーニングする仕組みとなっているが、DPFランプが点灯すると、エンジンの回転を上げて燃焼を促す必要があるのだ。

それで通勤距離が短かったり、ちょい乗りしかしなかったりするユーザーにとっては、このDPF再生がタイミングよく行なわれず、燃費に影響することもあるだろう。

ディーゼルエンジン特有の騒音はまだまだうるさい

運転中

ディーゼルエンジン特有の騒音がまだまだうるさいということもデメリットの1つである。防音性能がしっかりしている車内では特段気にならないという人もいるかもしれないが、車外ではちょっと気になるかもしれない。

ディーゼル車は車体も重く、パーツも頑丈にできているため、ガソリン車よりも騒音が大きくなりやすい。また音量というよりは、独特の「カラカラ」音が耳につくという意見もある。

もし日常的に深夜帰宅したり、早朝出勤したりするなら、近所迷惑にもなりかねないため、騒音は考えるべき要素になるだろう。

クリーンディーゼル車の国産代表車種を紹介

ノートを取る男性

ディーゼル車の規制によって誕生したクリーンディーゼル車。現在日本国内で、クリーンディーゼル車と名乗れるのは、「ポスト新長期規制」をクリアした車だけである。

ではここで、日本国内で販売されている代表的なクリーンディーゼル車をご紹介しよう。

トヨタ

運転中

ランドクルーザープラド

トヨタの「ランドクルーザープラド」は、航続距離ランキングでも上位に入る車である。

航続距離というのは、燃料を満タンにした状態で走れる最大距離のことで、ランドクルーザープラドは航続距離が1020.6㎞となっている。一度の給油でこれだけの距離が走れるというのは非常に頼もしい。

2.8Lのディーゼルエンジンを搭載し、本格的なSUV車にふさわしく、最高出力は130kW、最大トルクは450N・mというパワフルな走行性能を有している。

コモンレールシステムを採用し、高精度な燃料直接噴射を行なうことで、燃焼時の有害な排気ガスの低減化を実現させた。さらに排出ガス浄化装置や尿素SCRシステムによって、「ポスト新長期規制」にも適合している。

燃費性能はJC08モードでは11.2~11.8㎞/Lで、価格は396万円~513万円。ランドクルーザープラドはエコカー減税対象車であり、かつクリーンエネルギー車補助金も適用される。

さらにグリーン化特例により、新規登録翌年度の自動車税もなんと75%減税されるのだ。

マツダ

メーター

CX-3 XD

マツダの「CX-3 XD」は発売当初から、その高いデザイン性が話題となっていた。内装も高級感があふれており、シックで落ち着いたデザインは評価が高い。

外装もマツダ特有のデザインでありながら、タイヤ周りなどに樹脂フェンダーが使われているあたりにSUV車らしさが感じられる。

デミオのSUV版とも言われており、車内空間はデミオとほぼ同じである。そのため後部座席がやや狭く、大人4人での長距離ドライブは少々手狭に感じるかもしれない。

しかし、クリーンディーゼル車ならではのトルクフルな走りや、燃費性能の高さ、そして洗練されたデザインが人気を集めている。

SKYACTIV-D1.5エンジンを搭載しており、燃費はJC08モードで21.0~25.0㎞/Lとハイブリッドカー並みの実燃費を誇る。しかも燃料タンクが48Lなので、航続距離は1,200㎞という計算になる。

窒素酸化物後処理装置なしで「ポスト新長期規制」の基準をクリアしているクリーン性能の高い車であるため、エコカー減税対象車となっている。

取得税と重量税は100%免税され、さらにクリーンディーゼル補助金の対象車ともなっており、グレードによっては13万円~16万円の補助金が出る。新車価格は237万円~302万円となっている。

デミオ XD

マツダの小型車である「デミオXD」は、2014年にSKYACTIVエンジンを搭載したディーゼル車としてフルモデルチェンジした。

この車の魅力は何といってもその価格である。車体価格がどうしても高くなりがちなクリーンディーゼルエンジンを搭載していながら、ガソリンエンジン車とそれほど変わらない価格設定を行なっていることだ。

車体価格は178万円~222万円で、ガソリン車の135万円~194万円と大差はない。また1.5Lのエンジンであるが、2.5Lガソリンエンジンにも匹敵するトルクを持っていることにも注目したい。

デミオXDの燃料タンク容量は、MT車で35L、AT車で44Lなので満タン時の航続距離は1050㎞もしくは1161㎞となる。

航続距離はドライバーの運転の仕方や気象条件にも左右されるが、かなり経済的なエコカーだと言えるだろう。

燃費性能も高く、JC08モードでは22.8~30.0㎞/Lを記録している。これはハイブリッド車を除く普通乗用車では最高峰である。

マツダの会長によると2020年以降には、45~50㎞/Lの燃費性能を誇る新モデルを開発中とのこと。これからますます目が離せなくなりそうだ。

アクセラスポーツ XD

「アクセラスポーツXD」はマツダの新技術を搭載したSKYACTIVシリーズの第3弾で、SKYACTIV-D2.2エンジンを搭載している。これは175馬力/42.8kgmという抜群のスペックを誇っている。

イメージでは通常アクセルを踏み込んだ時のパワー感が、大体ガソリンエンジンの2倍程度で、高速道路を走っている時に感じるパワー感はなんと4.2リッター大排気量エンジンと同じような感じだ。

さらに窒素酸化物後処理装置なしで世界一厳しい基準と言われている「ポスト新長期規制」をクリアしているため、騒音、振動、排気ガスの臭いも皆無だ。燃費はJC08モードで19.6~21.4㎞/Lと悪くない。

価格は298万円~と安くは決してないが、燃料コストの低さを考慮に入れてほしい。この「アクセラスポーツXD」は10万キロ走行した時の燃料代が約90万円と言われている。

10km/L走るガソリン車の燃料代は160万円と言われるので、比べてみると70万円も安いことになるのだ。

航続距離は51Lのタンクに対して21.4㎞/Lのため1091.4㎞となる。おすすめは6速マニュアルだ。

同じ6速ATより10%ほど燃費が良く、トルクがしっかりあるためクラッチミートも簡単、さらには坂道発進に対する後退防止装置も付いているので非常に運転しやすい。補助金の対象なので安心して購入できそうだ。

アテンザセダン XD

国産のディーゼル車の中で初のセダンタイプが、この「アテンダセダンXD」である。

このアテンダセダンもSKYACTIV-D2.2エンジンを搭載しており、燃費は18.2~22.4と非常に良い。62Lのタンクを搭載しているため航続距離は1388.8㎞にも及ぶ。

エコカー減税対象車なので取得税と重量税が100%免税となり、さらに最大で19万円のクリーンディーゼル補助金が出る。

乗り心地にも定評があり、6速MTのストロークはディーゼルならではの回転感に非常にマッチしている。

クラッチは軽くも重くもなくちょうど良いくらいの踏力なのでとても繋ぎやすく、よくありがちなクラッチを少し離しただけで繋がってしまうといった扱いにくさがない。

エンジン音に関しても、アイドリング時また低速走行時に耳を澄ませばディーゼル車特有のサウンドがあるのが分かるが、一度加速してしまえばディーゼル車に乗っていることを忘れてしまいそうなほど静かだ。

非常にコントロール性の良いブレーキフィールを持っているので長距離の運転にも向いていると言えるだろう。この「アテンダセダンXD」の車体価格は317万円~396万円となっている。

CX-5 XD

クリーンディーゼル車の火付け役となったのがこの「CX-5XD」である。SKYACTIV-D2.2エンジンを初めて搭載した車であり、窒素酸化物後処理装置がなくDPFのみで見事「ポスト新長期規制」をクリアしている。

燃費は18.6㎞/LとSUV車としては最も低燃費である。車体の全長や高さが5ナンバー枠でありながら、全幅が1840mm、排気量が2188ccということで3ナンバー登録となる。

大きなエンジンに対してボディが少しコンパクトなのは、グローバルカーや高級車によくある組み合わせと言える。

エンジンは車体の前方にあり前輪駆動のFF方式が採用されている。FF方式だとエンジンルーム内に、エンジンだけでなくミッションやデフなどが収納できるため、コンパクトで軽量、室内も広くしやすいといった利点がある。

さらに後輪駆動と比べると直進時の安定感に優れているという特徴を持つ。

騒音もほとんどなく、エンジンの回転も非常に滑らかで、加速もスムーズなので運転はかなり快適であることを期待できる。変則もスムーズなので長距離も問題なさそうだ。

CX-5XDのクリーンディーゼルエンジンは高速走行時に際立った良さを感じられる。

車体価格は285万円~348万円。56Lのタンクに対して18㎞/Lなので航続距離は1008㎞になる。CX-5XDはエコカー減税、クリーンディーゼル補助金の対象車である。

三菱

メーター

デリカD:5

ミニバンタイプでは初のクリーンディーゼル車が、この「デリカD:5」である。クリーンディーゼ搭載車も、ミニバンの優しさに加えてSUVの力強さをあわせ持つという特徴がしっかり見られる。

どんな路面の状況、走行状況かによって前輪後輪の駆動力配分を最適化する電子制御4WDを持つ。

アイドリングから走り出し、そして低速域ではディーゼル車特有の振動や騒音を感じるものの、ある程度のスピードに達するとほとんど気にならず、トルク感のある非常に心地よい走りをしてくれる。

時速80㎞なら1600回転、時速100だとしても1800回転ほど回っているため、エンジン音が抑えられ、振動も気にならなくなるのだ。アクセルを踏み込んだ時にクリーンディーゼル車のレスポンスが物足りないという意見もあるようだが、このデリカD:5に関しては心配いらない。古典的なディーゼル車を感じさせるレスポンスだ。

ガソリン車タイプと比較すると32万円くらい高くなるが、エコカー減税対象車でありクリーンディーゼル補助金の対象でもある。

クリーンディーゼル車の補助金が15万円ほど受けられることを考えると実際の価格差は思ったより少ない。

抜群の走破性に加えてクリーンディーゼル車の持つトルクや燃費に魅力を感じる人は多いはずだ。デリカD:5の航続距離は832㎞、燃費はJC08モードで13.6㎞/Lとなっている。価格は341万円~393万円となっている。

パジェロ

待望の「パジェロ」復活に喜びを隠せなかった方も多いのではないだろうか。クリーンディーゼルエンジンを搭載したパジェロは3.2Lのエンジンの吸気系、燃焼室形状が改善されNOx排出量が大きく低減されている。

厳しい「ポスト新長期規制」に適合し、100%の減税となっている。他にもクリーンディーゼル自動車導入費補助金が、上限20万円まで受けられるのだ。

クリーン化が施されているとともに、ターボチャージャーが効率化されたため出力やトルクの向上がもたらされた。最高出力は20ps増し190psとなり、最大トルクは7.2kgm増し45kgmにもなっている。

街乗りであれば軽くアクセルを踏むだけで十分すぎるくらいの走りをしてくれることだろう。少し強めに踏み込めば、ターボチャージャーの音と共に、猛烈なトルクを感じることができる。

さらに新型5段AT採用により燃費は従来のエンジン搭載車よりも0.7㎞/L伸びている。燃費はJC08モードで10.0~10.4㎞/Lだ。

つまり環境基準をクリアしつつ高燃費を実現、なおかつパジェロ史上最大のトルクを出せるということだ。

パジェロはディーゼル車としての主張をしっかり残しているためアイドリング時には少し音が鳴るが、エキゾーストパイプ付近の臭いは全くzといって良いほどない。

「クリーンディーゼル」を名乗るにふさわしく黒い煙は出ない。ちなみにパジェロの航続距離は915.2㎞ 価格は375万円~493万円となっている。

将来の主流になるかもしれないクリーンディーゼル車

グラフ

次世代のエコカーとしての呼び声も高いクリーンディーゼル車。ヨーロッパの主要国では約半数がディーゼル車というほど普及しているが、日本ではまだまだこれからだろう。

かつてディーゼルエンジンは環境に悪いと言われ、徐々に姿を消していった時期があった。ディーゼル車の排出するガスが酸性雨の原因の1つとされ、車検が取れなくなったり、走行が規制されたりすることもあったが、それはもう過去の話である。

ディーゼル車はクリーンディーゼルエンジンを搭載して見事に復活を遂げたのだ。

排気ガス中の窒素酸化物や粒子状物質をいかにクリーンなものにできるかが復活のカギを握る要素であったが、ディーゼルエンジンの改良によって、今ではガソリン車並みの基準値を実現できるまでになった。

現在日本国内でクリーンディーゼル車として認められているのは、「ポスト新長期規制」という厳しい基準をクリアできた車のみで、国産車ではまだ数が限られている。

しかしパワフルな走りができるディーゼル車は愛好家も多い。さらにディーゼル車の魅力は何といっても、その燃費の良さにある。

排気量が同程度のガソリンエンジン車と比べると、燃費は約20%もアップするのだ。そのため、これからクリーンディーゼル車は日本でも主流になっていく可能性も大いに秘めていると言えるだろう。

まとめ

スマホをさわる男性

エコカーと聞くと、ハイブリッドカーや電気自動車を想像する方も多いだろう。しかし将来日本国内で主流になっていくのではないかと考えられているのが、実はクリーンディーゼル車なのである。

ディーゼル車と聞くと黒煙を出して走るイメージが強いが、それはもう昔の話。

一時期はディーゼル車の排気ガスが酸性雨の原因の1つと言われ、東京都では「ディーゼル車NO運動」が行われるなど、ディーゼル車を締め出す動きが活発化した。それに伴いディーゼル車は徐々に姿を消していったのである。

しかしここからディーゼル車の巻き返しが始まる。ディーゼルエンジンの改良によって様々な技術革新が行われ、排気ガスのクリーン化が実現し、それによって誕生したのがクリーンディーゼル車というわけだ。

クリーンディーゼル車には多くのメリットがある。何といっても燃費の良さは筆頭に挙げられるだろう。軽油を燃料としているため燃料費が安く、ランニングコストの軽減も期待できる。

またガソリン車に比べて二酸化炭素の排出量も少なく環境に優しい車なのだ。さらにディーゼル車はトルクが高いので、軽く踏むだけでも力強く加速できるという魅力もある。

一方で、補助金が出るもののまだまだ車体価格も高く、維持費にも意外とコストがかかるといった課題もある。しかし環境性能に優れたクリーンディーゼル車は確実に次世代を担う車となっていくことだろう。