ドライブを楽しむ人たちにとって、「nシステム」と「オービス」は気になる存在ではないだろうか。
詳しく知らない人にはどちらも同じものに感じるかもしれないが、この2つは違う目的で設置されているためまったく別のものなのだ。
nシステムとオービスの見分け方、そして設置場所に関する情報を以下にまとめて紹介しよう。nシステムの有無に関わらずスピードの出しすぎには注意すべきだが、必要以上に恐れてしまうと損をしてしまうかもしれない。
紛らわしい『Nシステム』と『オービス』の違い(画像付)
度々混同されることがあるnシステムとオービスの2つだが、違いを理解していれば見分けられるようになる。nシステムは一体何のために設置されているのか、理解していれば勉強にもなるかもしれない。
Nシステムとは何か?目的は「犯罪捜査」のために設置
全国の道路に設置されている自動車ナンバー自動読み取り装置が、nシステムの正体だ。初めて設置されたのは1987年の東京都江戸川区の国道14号だと言われており、見た目がオービスに似ているため勘違いしてしまう人もいる。
しかしnシステムとオービスには、以下のような違いがある。
nシステム | ナンバープレートの読み取りを目的としている |
オービス | 自動車のスピードの測定を目的としている |
スピード違反をして良いわけではないが、nシステムの装置の下でスピードを出しすぎてもそれで捕まることはないだろう。
ナンバープレートの読み取り犯罪捜査に役立てることが目的であり、不審車両の洗い出しに貢献している。
オービスとは?「速度取締・測定・計測の交通違反」目的で設置
nシステムには犯人を検挙して犯罪を抑制するという目的があるのに対し、オービスには以下のような特徴がある。
特徴① | 正式名称は自動速度違反取締装置 |
特徴② | 走行する自動車の速度違反などの取り締まりを自動化させるために設置されている |
特徴③ | 主に主要幹線道路や高速道路に設置されている |
またオービスには以下の通り種類が存在し、目を光らせている。
レーダー式 | レーダーを照射して速度を計測 |
ループコイル式 | 路面に磁場を出す装置を埋め込んで2つを通過する時間で速度を計測 |
Hシステム | 白い板状のアンテナからレーダーが照射されて通過する自動車の速度を測定 |
LHシステム | 速度計測はループコイル式、撮影はHシステムを組み合わせたもの |
光電管式 | 2台の装置を道路わきの地面に約3m間隔に設置して通過する時間で速度を計測 |
このほかに「新型小型オービス」といって2014年頃に登場、2016年から本格的に運用が開始されているものがある。
「ゾーン30」と呼ばれる町などの時速30km程度のエリアに多く導入されている。
もしオービスの装置の下でスピード違反をしてしまうと、以下の情報を撮影されてデータ化されることになる。
- 違反者の顔
- 違反車両のナンバープレート
スピード違反には青切符と赤切符の二つがあるが、オービスは赤切符レベルの場合に効果を発揮するだろう。
Nシステムとオービスの見分け方は「光る装置の有無」と「予告看板」
「オービス」にはドライバーに違反を認識させるため、光る装置が付いている。
明るい昼間や反対車線を走行する自動車のライトなどにより気付きにくい場合もあるが、周囲が暗い夜には強い光により作動したことがわかるだろう。
「nシステム」は赤外線カメラを用いているため、光っても人間の目には見えないのだ。
またオービスには手前に予告看板があるが、nシステムにはない。
オービスの光り方はオレンジ?赤?白?光る瞬間について
スピードを出し過ぎたときに光るオービスだが、強い光を放つと言われている。感じ方は人それぞれ異なるかもしれないが、たとえば暗い夜にドライブをしてオービスが光ったときは辺りが真っ赤になるかもしれない。
長い時間光続けるわけではないがドライブをしている途中で一瞬でも赤い光を感じたら、オービスが反応したと言えるだろう。
顔とナンバープレートを撮影されていれば逃れられないため、光らせないように注意しよう。
Nシステムの設置場所と調べる方法(地図・マップ)
設置場所を調べるためには、傾向を理解するといい。nシステムの設置場所には、以下に挙げる場所に設置されやすい。
- 高速道路の本線
- 主要国道の道路上
- 県境や市境付近
- 宗教関連施設の付近
- 空港
- 軍事施設
- 発電所
これらの場所は社会的にも大きな役割を持ち自動車の行き来も激しいため、犯罪抑止のためにnシステムが設置されるのではないだろうか。
インターネット環境が整っている人は、全国簡易型nシステムマップを利用してみてほしい。自分がよく利用する道路だけではなく、全国の道路にあるnシステムの設置場所がチェックできる。
Nシステムに関するQ&A
もしnシステムについて何か疑問に感じることがあれば、是非とも以下にまとめるQアンドAをチェックしよう。
疑問点をそのままにせずスッキリさせておけば、nシステムのことをより理解できるようになるだろう。
【Q1】AVIシステムもNシステムなのか?
高速道路の料金所にはAVIシステムがあり、ナンバープレートの読み取りが行われている。
AVIシステムは通行券発券のためにあるため、nシステムとは目的が異なる。
そのためシステムとしては別であり、同じものではない。
【Q2】Nシステムはバイクに反応しない?
バイクのナンバープレートは後ろにあるため、斜め上から撮影するnシステムでは反応しないだろう。
ただし後ろからも撮れるように対応されている場合は反応する場合もあるため、バイクの運転も安全を意識してほしい。
【Q3】Nシステムを回避することは可能なのか?
検知可能な速度については、一般公開されていない。
オービスとは設置目的が異なるため、スピードを出して逃れようとする人もいるだろう。しかしスピード違反そのものが危険な行為であるため、おすすめはできない。
また回避するために以下のような行為をすることは、法律で禁止されている。
- ナンバープレートを加工する
- ナンバープレートを曲げたり回転させたりする
- ナンバープレートにシールを貼って隠す
その場しのぎの回避ができたとしても、法令違反となれば取り締まりの対象になる。
【Q4】Nシステムを利用して車検切れの車を特定するってホント?
車検が切れた状態で公道を走行することは、安全性の問題があるため禁止されている。
2018年からネズミ捕り形式で車検切れ自動車の取り締まりが行われているが、nシステムは大いに貢献していると言えるだろう。
ナンバープレートの情報から照合すれば、車検切れかどうかをチェックできる。もしも車検切れだとわかった場合は監査場所で違反自動車を呼び止め警告書を渡すが、今のところ検挙までは行われていないようだ。
交通違反の取り締まりは現行犯であることが基本となるため、検挙に至るまでにはハードルが高いのかもしれない。ただしオービスによって検挙される場合があるため、将来的にはnシステムでも同様になるかもしれない。
無駄にNシステムに恐れると意外な危険性が…
そもそもnシステムは犯罪の取り締まりのためにあるもので、交通ルールに何ら違反していなければ心配する必要はない。
ただしnシステムにはオービスに似ているという理由から、意外な危険性があるかもしれない。上記でも説明したがnシステムには予告看板がないため、オービスと勘違いして急ブレーキをかける人もいる。
急ブレーキにも危険性があり後ろの自動車にも悪影響を与えるため、慌てずに通過することが重要だ。
まとめ
nシステムは犯罪捜査や取り締まりのために役立つものであり、社会の平穏を守るために存在している。そのため善良な市民にとっては強い味方であり、安全運転を意識してドライブを楽しんでいれば心配することはない。
オービスとの違いを正しく理解して急ブレーキをかけるなどのトラブルがなければ、過剰に恐れなくていいだろう。むしろnシステムが今後進化して犯罪抑制効果が大きくなれば、誰もが平穏な暮らしを楽しめるようになる。
監視されているという感覚からnシステムに苦手意識があれば、設置場所を調べてなるべく避けるようにしてみよう。設置されていない場所でも安全運転に努めて事故を起こさないようにし、有意義なドライブを楽しむといい。