中古車を購入する選択をする人も少なくない。そうした人の多くは程度の良い中古車を購入したいと考えるだろう。
この程度の良い中古車には様々なものがあるが、特に注目されるのが試乗車だ。試乗車は一般的な中古車と比較すると、走行距離も少なくいことから程度が良いと言えるだろう。
この試乗車なのだが、どこで購入できるのだろうか。ここでは試乗車を購入する方法なども含めて、詳しく調べてみた。
試乗車ってどんな車?
そもそも試乗車とはどういう車なのだろうか。端的に伝えるのなら、ディーラーが購入を検討している客に対して、実際に公道を走ってもらうために用意している車を試乗車と呼んでいる。
- ナンバープレートがついている
- 実際に走行している
といったことから中古車として販売されている。ディーラーとしても、ある程度は試乗車として使ったものは、そうして再利用しているのだ。ロングセラーのモデルだからといって、同じ車をずっと試乗車としているわけではない。
「試乗車」と「展示車」の違い
試乗車と良く似た車に展示車というものがある。この2つにはどんな違いがあるのだろうか。最初に試乗車から見ていこう。
- 試乗車はディーラーが販促のために用意する車
- 新車登録がされていて、ナンバープレートもついている状態である
他方で展示車とはどんなものかを確認してみたい。
- ディーラーの店舗でディスプレイとして置いているのが展示車
- 試乗車と違って新車登録はされていない
- ただ展示されていた車になる
試乗車が既に公道を走っている状態のものに対して、展示車は公道を走っていない。そもそも新車登録もされていないので、ナンバープレートもないのである。これが大きな違いになってくるのだ。
試乗車を買えるとお得?4つのメリット
試乗車は中古車店に並ぶことがある。もし購入できるとなると、お得なのだろうか。一般的な中古車に比べるとやはり程度が良いのだが、ここでは4つのメリットについて確認をしておきたい。
【メリット①】比較的新しい車を安めに購入できる
一般的な中古車と比べると、試乗車は比較的に新しいものが多い。
- 一般的な中古車は新しいものでも年式が3年程度
- 試乗車の場合は数ヶ月~1年程度のものが多い
といったように、試乗車はかなり新しいものが多いのだ。販促用として使われるものであるため、ある程度は早いサイクルで入れ替えをしている。
そのため中古車市場ではめったに見かけない新しいものになる。年式の新しい車が欲しい人にとっては大きなメリットだろう。
【メリット②】オプション装備の車やグレードの高い車が多い
試乗車は販促用としている車なので、ディーラーとしてはその車の良いところを見せたいものなのだ。そのため試乗車にはメーカーオプションをしっかりつけていたり、車のグレードも良いものが多くなっている。
そうすることで少しでも良い車を買って欲しいと、購買意欲を煽っているからだ。中古車市場でも高く評価されるグレードや、オプションもついているのでリセールバリューを考えても有利になると言えるだろう。
【メリット③】車両状態の良い車が多い
試乗車は比較的に車両の状態が良い車が多いのもポイントになる。
- 店舗でしか使用されていない
- 試乗用としての車なので店舗でしっかりメンテンスされている
といった特徴があるからだ。中古車でよくある大きなキズや、車内の汚れについても心配する必要がないのである。そもそも店舗側で清掃などもしっかりしているので、見た目にもきれいなものが多い。
また公道を試乗していてなにかトラブルがあっては、悪印象を与えるためメンテンスもしっかりされている。
【メリット④】納車が早い
最後のメリットとしては納車が早いことも挙げられるだろう。
- 一般的な新車だと1ヶ月~3ヶ月程度
- 人気の車種になると半年~1年以上かかることもある
- 試乗車は中古車なので1週間~2週間程度
新車を購入した場合はメーカーオプションを装備するなど、車の準備をするためにどうしても時間がかかってしまう。また人気の車種になると納車の順番待ちが生じてしまい、1年近く待たされることもあるのだ。
その点試乗車は中古車になるので、納車前の整備さえできればすぐにでも納品されるのがポイントになる。
試乗車の購入はやめた方がいい?3つのデメリット
試乗車を購入するメリットを確認してきたが、当然デメリットになる部分もある。ここでは代表的な3つのポイントを紹介してみたい。試乗車の購入を考えているのなら、デメリット部分も確認しておこう。
【デメリット①】ボディーカラーが選べない
試乗車が新車購入と違うのはカスタマイズができないことだろう。
- 新車だとボディカラーを選べる
- 新車だとオプション装備を選べる
といったことができるのだが、試乗車は中古車となるため既にあるものでしか購入ができないのだ。後から純正のオプション装備をつけてもらったり、ボディカラーを変更したりはできない。
基本的に定番カラーであるホワイトやブラックに偏っているのだが、それらのカラーが好きな人ならデメリットにはならないだろう。
【デメリット②】不特定多数の人が乗っていた
試乗車はその使われ方から、不特定多数の人が運転している。当然だが試乗された車は、ディーラーがしっかりと清掃をしているのだ。また調子が悪いとイメージも悪くなるため、メンテンスなどにも余念がないはずだ。
しかし不特定多数の人が試乗したという事実は消せない。衛生面など細かい部分が気になるという人も少なくないので、そうした人には向かないはずだ。逆に気にならないというなら、お得な車になるだろう。
【デメリット③】中古車としてはそれほど安くはない
最後のデメリットとして、中古車として見た場合は高いことが多いことだ。試乗車は年式が非常に新しく、走行距離もかなり短い。つまり中古車市場で見た場合は、非常に状態が良い車だと言えるだろう。
そのため中古車価格とすると高額な部類に入るのだ。新車の購入価格と比較すると、あまり値引きされていないケースもあるだろう。そうした時にこの程度なら、新車を購入したいと考える人がいてもおかしくない。
試乗車を買う方法
では試乗車を購入する方法についても確認しておく。なかなか試乗車は見かけない、どこで購入できるかわからないという人も多いだろう。そこで試乗車はどこで購入できるのか確認しておきたい。
【方法①】ディーラーで情報収集
試乗車を購入する方法の1つとして、ディーラーで情報を集めるといったものがある。そもそもディーラーで使われている車なので、それが放出されるかどうかの情報は最も早く入手できるだろう。
しかしディーラーからすれば、試乗車を売りたい訳ではない。飽くまでも新車を売るための販促として、試乗車を用意しているのだ。つまりよほど関係が深いディーラーでなければ、そうした情報はもらえないだろう。
【方法②】中古車販売店で探す
もう1つ試乗車を購入するためには中古車販売店を探してみるといいだろう。ただし一般的な中古車店で、試乗車を見かけることはほぼないはずだ。なぜなら一般的な中古車店には出回らないからである。
- ディーラー系列の中古車店を探してみる
- ディーラーが販売する中古車を探してみる
試乗車を見かけるのは、この2つのパターンが圧倒的に多い。系列の中古車店に試乗車を回して販売する、或いはディーラーでも中古車を扱うような店舗だとそこで販売する可能性が高いだろう。
試乗車が購入しやすい時期は「モデルチェンジ後」が狙い目
試乗車を購入するためのポイントとしては、時期も考慮してみるといい。試乗車は販促用に使う車なので、基本的にモデルチェンジがあるとそちらに切り替えていくのだ。
つまりモデルチェンジ後には、試乗車が中古車として販売される可能性が高い。もし狙っている車のモデルチェンジがあるのなら、試乗車を手に入れるチャンスがきたと言えるだろう。
そのためモデルチェンジ後には、ディーラー系列の中古車店などに通ってみるといい。
まとめ
中古車の中でも人気の高い試乗車の購入について解説してみた。試乗車は新車を売るために、ディーラーが用意している車になる。
実際に乗り心地を試してもらうために、新車登録をしてナンバープレートもついているものだ。そのため試乗車は中古車として売られるのだが、走行距離が少ないだけではなく、メンテンスもしっかりされているので程度が良い。
中古車として見た場合、割高ではあるのだが、その価値は十分にあるだろう。