車を買い替えるタイミングは様々だ。その代表的な例の1つが故障だろう。軽微な故障であれば修理費用もさほどかからないので、修理をして乗り続けるという選択もあるはずだ。だが大きな故障だとどうだろうか。
修理費に数十万円もかかるのなら、新しく車を買い替えした方がいいのではと考えてもおかしくない。ただそのラインがどこにあるのか、と悩む人も少なくないだろう。そこで車が故障した時に、買い替えるかどうかの目安を考えてみたい。
『車が故障した…』買い替えか修理するか判断する7つの基準
では車が故障した時に、買い替えをするのか修理をするのかどこで決めるのかを確認していこう。その基準は以下になる。
以上を詳しく確認していく。
《基準1》車の修理費用が高額だった【買い替えがおすすめ】
車に故障が起こった時に買い替えか、修理かを決める基準は費用がどれだけかかるのかだろう。ただ修理費用といっても、ピンからキリまであるといえる。数千円~数万円程度であれば、修理をしたほうがいいだろう。
だが20万円以上かかってくるとなると、少し考える必要がある。この時は他の条件なども考慮しておくといい。さらに50万円~100万円程度の修理費用がかかる場合もある。この場合は買い替えを前向きに検討すべきだ。
修理費用の目安を紹介しておく。
エンジン交換 | 50万円~100万円以上 |
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フレーム修正 | 100万円以上 |
エアコン全交換 | 20万円程度 |
バンパー全交換 | 10万円~20万円 |
ボディの板金修理 | 10万円以上 |
エアコンガス漏れ | 数千円 |
ボディの凹み修理 | 1万円~5万円 |
飽くまでも目安なので先ずは見積もりをとっておくといい。
《基準2》乗っていた車の年式が古く・走行距離が長い【買い替えがおすすめ】
上で紹介したように車の修理費用は様々である。数千円から数万円程度なら修理をした方が、費用的には安価になるはずだ。だが数十万円かかる修理ならどうだろうか。買い替えを検討してもおかしくない。
そこで故障した部位以外に考慮したいのが、年式や走行距離といったものだ。既に年式が古く、それなりに走行距離が長いのなら、修理よりも買い替えを検討した方がいいだろう。その理由は以下のものがある。
- 年式が古いため修理をしても故障のリスクがある
- 走行距離が長いと、エンジン関係のトラブルリスクがある
《基準3》乗っていた車の年式が新しい【修理がおすすめ】
では上述した条件とは逆に、年式が新しい場合はどうだろうか。シンプルに考えれば、修理費用によっては修理をした方がいい。年式が新しいのであれば、新たに故障が起こるリスクが低いためだ。故障のリスクが低ければ、コストパフォーマンスを重視できる。
ただそれも修理費用との兼ね合いを考えた方がいい。つまり年式が古い車だと修理費用のボーダーラインが低くなり、年式が新しいほどラインが高くなるのだ。具体的には年式が古い車だと20万円を超えれば買い替えた方がいい。
逆に年式が新しければ50万円程度の修理費用は出してもいいだろう。また愛着があったり、まだ乗り続けたいのなら、さらに高い修理費用でも問題ないはずだ。一概に数字にこだわる必要もないが、ラインを決めておくと迷わずにすむ。
《基準4》ローンがたくさん残っている状態の車【修理がおすすめ】
車を購入する時にはローンを使う人も多い。このローンの残債が多いという場合は、修理をおすすめしておきたい。なぜならローンの残債がある場合は、勝手に売却などができないためだ。車検証の名義人の欄がローン会社になっているかを確認しよう。
ローン会社になっていると車の名義が所有者のものではないので、売ることができないのだ。この車を売るにはローンを一括して完済し、名義人を所有者のものにしないといけない。そのため買い替えをするのなら、修理費用にプラス残債も支払う必要がある。
かなり金銭的に大きな出費になるのは間違いないだろう。ただ車買取業者によっては売却費用を返済にあて、残った分を新しく組むローンに組み込んでもらうこともできる。だがローンの残債が増えるので審査が厳しくなることも考慮しておきたい。
《基準5》車の運転の安全性に影響がある【買い替えがおすすめ】
車の故障によっては、修理をしても不調がでる場合がある。特に修理後に安全性の問題があると思われるのなら、よほどの愛着がない限りは買い替えをした方がいいだろう。先にも伝えたように、そもそも他の部位が故障する可能性もある。
さらに車の安全性にも問題がでるのなら、修理をしてまで乗り続けるメリットはほとんどない。また安全性に影響がでるほどの故障なら、修理費用も高額になる。場合によっては100万円を超えるようなケースもあるだろう。
そうなるとコスト面での負担が大きくなるばかりだ。その割には修理をしてもトラブルが残るリスクが高いので、やはり買い替えをした方がいいだろう。車の買取額には期待はできないが、今後のコストを考えると断然お得だと言える。
《基準6》車検を通して期間が経っていない【修理がおすすめ】
軽微な故障である場合は、車検の残存期間も考慮するといい。車検の費用というのは決して安くはないものだ。残存期間が短いのなら、逆に買い替えの検討をおすすめしておきたい。車買取では車検の期間はさほど査定に影響しないためだ。
逆に言えば車検の残存期間があるから査定で、高値がつくというわけでもないのである。そのため軽微な故障であるのなら、修理をして乗り続けた方がお得だと言えるのだ。そして次の車検のタイミングで、買い替えをするか考えるといい。
車検というのは車の買い替えをする、大きなタイミングだとも言える。だからこそ車検を通してすぐであるのなら、前提として乗り続ける方が選ぶといいだろう。ただ修理費用が大きくかかるのなら、話も変わってくるはずだ。
《基準7》車の損傷があった部位から買い替えか修理を考える
最後の基準としては、車の損傷があったと部位だ。例えばバンパーなどであれば、車の機能そのものに大きな影響はない。見た目に変化はあっても、安全性には何ら変化をもたらさないので、修理を考えた方が賢明だ。
だがフレームを損傷したようなケース、水害などで冠水したなどのような場合は、損傷した部位が悪すぎる。フレームというのは車の骨格のようなものだし、冠水による被害は目に見えない部分が大きい。
当然修理をしたとしても安全性に問題がでてくるので、こうしたケースでは買い替えしたほうがいいだろう。修理をしてもその後どれだけ安全に乗り続けられるのかはわからない。むしろリスクの方が高いので、修理はおすすめしない。
【参考】事故による車の買い替えで車両保険によって補える費用
任意保険の中には車両保険がある。車両保険とは事故にあった時に、自身の車を修理する費用を保険で賄うものだ。
車両保険にも様々なパターンがあるが、実は買い替えでも保険金がでる場合もある。そこで車両保険で賄える費用を調べてみた。
『事故が起きてしまった…』修理か買い替えどっち?車両保険の対応も解説!
車売却時の保険手続きはどうする?損しない任意保険&自賠責の手続き!
事故の被害者が自分だったときのケース
基本的に交通事故では自分が被害者でもあり、加害者でもあるというパターンがほとんどだ。つまりどちらにも責任があるというケースで、過失割合といって責任の大きさを決めることになる。それとは別に10対0で過失が決まるという場合もある。
こうしたケースで自分が被害者だったのなら、車両保険はどのようになるのだろうか。基本的に被害者には責任が問われないので、相手側に支払う費用はない。加害者である相手が加入する保険会社から支払われることになる。
相手から支払われる料金は、車に対してどれだけの損害がでたのかで決まる。実際に修理をしてその額になるではない。
事故の加害者が自分だったときのケース
では逆に自分が事故の加害者になった場合を考える。この場合は対物損害賠償保険を使うことになる。自賠責保険は対人のみのなので、こちらも任意保険に加入していないと使えないものだ。特に近年では交通事故の賠償額が高騰している。
そのため対人や対物賠償というのは、基本的に限度額のない無制限で加入することが多い。そのため相手の車に対する損害は、保険からすべて支払われると考えられる。では自分の車はどうだろうか。こちらは車両保険で賄う必要がある。
ただ車両保険はフルで加入すると保険料が高くなるため、免責金額を決めておいたり、プラン内容を軽減するなどの処置が取られている。
そこでまずは自身が加入している保険の内容を確認したい。その上で、どれだけ補償を受けられるのかを保険会社に聞くべきだ。
まとめ
車が故障をした時に、修理をすべきか買い替えをすべきをまとめてみた。いくつか考慮すべき部分はあるが、まずは修理費用を1つの目安として判断すべきだ。
では以下にポイントをまとめてみる。
- 修理費用が数千円~数万円なら修理をすべき
- 修理費用が20万円~30万円以上なら買い替えを検討する
- 年式が古く、走行距離が長いのなら買い替えを検討する
- 新しい車や、愛着があるのなら修理を検討する
以上のようなポイントを考慮して、修理をするか買い替えるのかを検討すべきだろう。