水没車(冠水車または水害車ともいう)となることが多いのは洪水や津波などの自然災害、もしくは運転操作ミスにより川や海に入ってしまったケースである。

水没車は簡単にいえば水に浸かった車のことを指すのだが、その程度によっては水没車とならずに済むケースもある。

水没車でもその状態によっては修理すれば乗れる場合もあるが、故障やトラブルの原因となるため廃車にすることが多い。ただ、廃車にする場合にも自動車重量税の還付を受けられるケースがあり、対象となるのは自然災害によるものだ。

水没車になるのは予期せぬことで、新しい車に乗り換えるお金が少しでも必要なはずだ。還付金だけでは足りないだろうがちょっとの足しにはなるはずだ。

水没車とは?

水没車

水没車とは、水に浸かってしまった車のことである。また、冠水車や水害車とも呼ぶこともある。

ただ、水に浸かるといっても、深い水溜まりに入ってしまった程度の状態もあれば、車体全体が水に浸かってしまった状態もある。つまり、どの程度水に浸かったのかによって水没車となってしまうケースとそうでないケースがあるのだ。

その程度については基準があり、基準となるのが日本自動車査定協会(JAAI)の査定基準である。その基準では、ドアの下部分まで水に浸かってしまいフロア内に水が入ってしまった状態になれば、それは完全な水没車である。

洪水や堤防の氾濫などで、車が水に浸かったまま放置されている場面をニュースで見る事がある。それを見ると、車体の半分くらいまで浸かっている事が多いのだが、おそらく車内まで水が入り込んでいるだろうから、この場合も完全に水没車である。

よく「水没車はもう動かない」と思われがちだが、浸水の程度によっては修理すれば問題なく動くこともあるし、簡易的な修理で済むこともあるのだ。

ただ、その車をそのまま自分で運転するならいいのだが、いくら動く状態であっても、車を買取してもらう時などは買取査定の評価はかなり低くなってしまうのだ。

水没車・冠水車・水害車と呼び方が違うのは基準が違う?

携帯電話

水に浸かってしまった車のことを、“水没車”と呼んだり“冠水車”と呼んだりする。呼び方が違うので、もしかしたら水に浸かった程度で区別するのでは、と思う方もいるはずだ。

直接的な言葉の意味では、水没は“水に沈んで隠れてしまう状態”冠水は “田畑や作物が水を被った状態”のことを指している。

その言葉から推測すると、水没車とは車体全体が水に沈んだ状態、冠水とは車体が水を被った状態である。そう考えると、冠水車の方が浸水の程度が低いイメージになるのだ。

実際は中古車として売買する際に使われる水没車・冠水車、そして水害車はどちらも同じ意味になるようだ。ようするに、業者によって呼び方が変わってくる訳である。

自然災害による水没車は重量税の還付あり

ペンと電卓

一般的に水没車となるのは、運転操作を誤って海や川に落ちてしまったケースを除けば、ほとんどは自然災害が原因だ。

例えば、大雨による洪水、津波や高潮などだ。先の東日本大震災における大津波では、岩手・宮城・福島の3県で約27万台もの車が冠水車となったのである。

水没車は修理費用もかかる上に、故障やトラブルの原因ともなるので廃車にする人がほとんどだ。

このように自然災害により自動車が水害車となった場合は、平成29年に一部改正された租税特別措置法により、自動車重量税の還付を受ける事ができるのだ。

被災自動車に係る自動車重量税の還付措置
自動車検査証の有効期間内に自然災害により被害を受けて廃車となった被災自動車の所有者の方は、運輸支局又は軽自動車検査協会事務所において自動車の永久抹消登録又は滅失・解体の届出の手続を行い、自動車重量税の還付申請書を提出することにより、車検残存期間に応じた自動車重量税の還付を受けられる場合があります。

還付を受けるためには、運輸支局または軽自動車検査協会で被災自動車の永久抹消登録等の手続きと、自動車重量税の還付申請書の提出が必要である。

還付される金額は納付した自動車重量税額のうち、車検の残存期間に応じて算出される。算出方法は、以下になる。

還付金額=納付した自動車重量税額÷車検証の有効期間×車検残存期間

この還付措置は平成28年4月1日以後に起こった自然災害で被害を受けた場合であり、その日から5年以内に還付申請書を提出しなければならない。(参照:国税庁「自然災害により自動車に被害を受けられた方へ」)

ちなみに、この還付措置は水没だけでなく地震や噴火、豪雪などにより被害を受けた時も対象になる。

日本自動車査定協会が定める水没車(冠水車)の定義

会議

車が水に浸かったといっても、水没車となってしまうケースもあれば、そうではないケースもあるなど状況は違うものだ。特に車買取してもらう場合には、この基準が重要になってくるのである。

冒頭でも解説したが、日本自動車査定協会では「水没車とは室内フロア以上に浸水した車、または浸水の痕跡が複数確認できる車」と定義している。

つまり、車内にまで浸水した場合はもちろんだが、その事実がわからなくてもその痕跡があるなら水害車となるのだ。

素人にはわからなくても、専門家が見ればおそらく痕跡を見逃すことはないため、ごまかすことは困難である。

ただし、中古車として販売する場合には表示義務はないのだから、素人もポイントを押さえて見抜けるようにするべきだ。

水没車はプライスボードへの表記は不要

見積もり書

自分が中古車を購入する際、その車の状態は気になるものである。冠水車でも修理すれば乗れる状態にはなるものもあるが、時間の経過とともに不具合が出てくることもあるのだ。

中古車情報をチェックする場合、必ず目を通しておきたいのが修復歴(事故車・修復車)などが記載されているプライスボードだ。

ただ、自動車公正競争規約集によると水没車に関しては基本的に表示義務はないのである。

親切な中古車販売店であれば表示しているところもあるが、たいていは義務ではないのだから表示はしない事が多いのだ。

もちろん、「水没車ではないですか?」と聞けば業者は正直に答えなければいけないが、嘘をつく業者もあるのだ。その為、水害車となるポイントは最低限知っておくのが重要である。

素人でも分かる水没車の見分け方

ヒント

水没車はポイントを押さえれば、素人でも比較的簡単に見抜けるものだ。そのポイントとなるのは浸水した痕跡である。

浸水していると車体の金属部分のサビ、シートのカビなどがあり、水没車や冠水車は車内やエアコンから独特の匂いもする。

痕跡がわからなくても、水没車だと相場よりもはるかに安い価格で売られている事もあるし、最終手段としては店員に直接聞いてみる事だ。それらのポイントをチェックすれば必ず水害車は見抜けるはずだ。

水没車(冠水車)に現れやすい特徴

メモを書く男性

水没車だと高く売れない、もしくは価格を安くしても売れない場合もある為、業者では水没車と伝えないケースが多いのだ。何とかして隠そうとするのだが、隠し通せない部分もある。

水没車に現れやすい特徴としては、汚れ、匂い、サビ、変色などがある。内装やシートの匂いはなかなか消せないものだし、金属部のサビもすべては消せないものである。

徹底的に修理すればコストもかかるため、おそらくどこかに水害車の痕跡が現れているものだ。主にチェックしたいポイントは以下の6つだ。

  1. 匂い・汚れ・カビ
  2. エアコンの匂い
  3. エンジンルームのサビ
  4. シート下のサビ
  5. シートベルトの変色
  6. スペアタイヤの格納室のサビ

【ポイント1】匂い・汚れ・カビ

水没車は浸水した位置と浸水しない位置にくっきりと痕がついてしまうのである。内装をチェックしてみると、一目瞭然である。

シートは水や泥をかぶると、たとえ乾いても独特の匂いを放つようになるものだ。

特に布地のものはカビも生えてしまうものだ。シートを嗅いでみて、嫌な匂いがする、カビ臭い、という時にはまさに冠水車の可能性が濃厚だ。

それでもシートそのものを入れ替えられるとわからなくなるので、匂いがしないから水害車でないとは言い切れないだろう。

【ポイント2】エアコンの匂い

運転中

車内の匂いは、容易には判断出来ないものである。そんな時はエアコンを入れてみるといいのだ。

浸水すると当然エアコン内部にも汚い水や海水が入り込んでしまい、エアコン内部の金属部分が錆びたり、カビが生えたりするのだ。

久しぶりにエアコンを付けた時とはちょっと違う独特の匂いがあるはずだ。

エアコン内部まで徹底的に掃除すれば別だが、水没車にそこまで労力をかける事が少ないのだから、冠水車や水害車ならほぼ間違いなく嫌な匂いがするだろう。

【ポイント3】エンジンルームのサビ

チェック

金属部分は水だけでもサビが発生するが、海水や泥なら尚更サビの進行が速まってくるのである。

車内をざっと見まわしても、目に見えるところには金属部分が少ないのでわかりにくいが、そんな時にはエンジンルームを開けてみると良い。

冠水車かどうかの判断は、特にシリンダブロックやヘッドカバーボルト、アルミ製の部分のサビや腐敗を要チェックだ。

また、ラジエーターコアサポートやエアコンコンデンサに汚れの跡があったり、変色していた場合も水没車・水害車の可能性が高くなるのだ。

【ポイント4】シート下のサビ

運転席

冠水車の金属部はすぐにサビるものだ。エンジンルームのサビはわかりやすいが、車内では金属部が少ないので見落としがちである。

車内で注意が必要な金属部がシート下のレールである。車内に水が入ると、少なくともシート下までは水に浸かってしまうものだ。

そこをチェックしてみて、サビがあるようなら水没車・水害車の可能性が高くなる。運転席だけでなく助手席もそうなら尚更だ。

また、サビがなくても塗装して隠している可能性もあるので違和感があれば要注意だ。

【ポイント5】シートベルトの変色

運転中

シートベルトの変色も水没車・冠水車を見抜くポイントである。シートベルトは日に当たることでも変色するものだが、一度水に濡れてしまうとより変色しやすくなるのだ。

もちろん、水没していなくてもジュースをこぼした、食べ物をこぼしたなどで水拭きをすれば変色してしまうこともある。しかし水害車の場合は、一部分だけでなく広範囲に渡って変色が見られる事があるので、違いは明確だ。

チェックの際にはシートベルトを全部出してみるのが基本である。

【ポイント6】スペアタイヤの格納室のサビ

黒い車

タイヤは水没していなくても経年劣化でサビはあるものだ。金属部とはいえ、これだけでは水没車・水害車とは言えないのだ。

格納してあるスペアタイヤも入れ替えれば、水没したかどうかはわからないものだ。ただ、スペアタイヤが格納されている床下にサビがある場合は冠水車の可能性ありだ。

車内にギリギリ浸水してきていなくても、床下までは来ていることがあるのだ。車内に水没の痕跡がみられなくても、スペアタイヤを外してサビがあるかどうかを見てみるべきだ。

相場よりかなり安い車は水没車の可能性大

アイパッドのグラフを見る女性

水没車の見分け方として、一番わかりやすいのが価格だ。冠水車は買取業者がかなり安い値段で買取するのが一般的だ。

そして購入希望者に水害車とバレてしまえば買い手が付きにくいし、相場通りではなかなか売れない事も多いのである。

そして水に浸かった部位は、徐々に劣化やサビ、変色が進んでしまうもので、劣化する前に安く売ってしまおうという業者の思いもあるはずだ。そのため、水没車は相場よりもかなり安い値段で販売されている事がある。

ただし業者によっては、販売価格で怪しまれないようにあえて相場通りの価格を表記しているところもあるので、値段だけで判断するのも危険だ。

まずはその車の相場を知っておくことが肝心である。

水没車は店員に聞けばOK

グラフと説明

水没車は事故車と同じように、修理してもその後不具合が生じてくる危険性があるものだ。

ただ中古車として販売する場合、事故車は修復歴をプライスボードに表示が義務付けられているのだが、冠水車に関しては表示義務はないのだ。

ただし、表示義務はないとはいえ、店員は「水没車ではないですか?」と聞かれれば、正しい返答をしなければいけない。

万が一「水害車ではありません」と虚偽の返答をし、購入後に水害車である事が判明すれば、売買契約を取り消す事が出来るのである。

虚偽の報告は契約を解除できる

水没車は購入後にさまざまなトラブルを発生する可能性があり、消費者契約法に明記されている“重要事項”に該当するためである。

つまり、表示義務はないのだが購入者に聞かれたら正直に答えなければいけない重要事項で、それに対して虚偽の説明をすると、契約自体が解除できるのだ。

そのため、怪しいと思ったら店員に「水没車ではないのですか」と聞いてみれば、正直に答えてくれるのだ。

ただ、業者の考えもいろいろで「後からバレたら返金すればいい」という思いで虚偽の答えをして売ろうとする人もいる。

その為確認するのはもちろんだが、自分の目でも水没車かどうか見極めなければいけないのだ。

水没車(冠水車)に起こりうるトラブルと故障

車の整備士

水没車は水を排出すれば問題ない、エンジンがかかるなら乗れる、と安易に考えてはいけないものだ。水没直後はなんともなくても、徐々にトラブルや故障が出てくる可能性があるからだ。

カビの匂い、サビだけならまだしも、エンジントラブルや車両火災を引き起こす危険性もあるのだ。動くなら大丈夫、と思っていると、時間の経過とともに徐々に不具合が出てくることもあるのだ。

つまり水害車は今後、正常に乗り続けられるかが問題なのである。

車内やエンジンルームまで浸水した場合は、「動くから大丈夫」と自分の判断で動かさずに、整備工場などに相談してみるべきだ。

ここでは水没車(冠水車)で起こりうるトラブルをまとめているのでチェックしてみるといいだろう。

【トラブル1】エンジン

エンジン

車の部位で一番先に浸水するのがマフラーだ。マフラーに水が入ると排気ガスを車外に排出することができなくなり、エンストを起こすのだ。このマフラーだけの浸水で済めば問題ないのだが、そこからエンジン内部まで水が入り込んだらおおごとである。

エンジンはガソリンと空気を取り込んで圧縮させ、燃焼させることでそれが動力となるのだが、そこに水が入り込むと圧縮がうまくいかなくなり、ピストンと連結しているコンロッドが破断して“ウォーターハンマー現象”を引き起こすのだ。

冠水車はエンジンがかからなくなるわけだが、最悪の場合エンジンそのものを交換しないといけなくなることもある。しかも水没車(水害車)のウォーターハンマー現象は浸水直後ではなく、数ヶ月経過してから発生することもあるのだ。

【トラブル2】エアコンや室内の匂い

運転中

車内に水が入るといっても、たいていは海水や川の水に泥が混じった汚水だ。綺麗な水なら気にならないが、汚水が車内に入り込めば、車内に匂いはこびりついてしまうものだ。

たとえ水は排出しても匂いはそう簡単に消えるものではない。しかも、シートなどの布地のものに汚水がかかってしまえば、水害車には匂いが染みついてしまっている。

室内の匂いだけならいいが、エアコンの内部まで水が入り込めば、水没車(冠水車)のエアコンをつけるたびに酷い匂いの風が吹き出てくるのだ。

匂いに関しては、たとえ車内を綺麗にしたとしても消えないものだ。カビ臭さがあればそのカビも除去しないといつまでも匂いが残ってしまう。

シートやエアコンを取り換えればいいのだが、相当な費用がかかってしまうのだ。

【トラブル3】カビ

年式の古い車

水に浸かった部位はそのまま放置しているとカビが発生してしまうものだ。車に限らず家の中でも梅雨時期はカビが発生しやすくなるのだが、車内でも同じようにカビが生えてしまうことがある。

特に水没車のシートなどの布地の部分はカビが発生しやすくなってしまうのだ。

カビの発生を防ぐには湿気を取り除く必要があるが、車内はそれが難しい。特にシートはそのまま放置していたら間違いなくカビが発生してしまうだろう。

カビは一度発生すればどんどん侵食していくもので、除去するのは至難の業だ。しかもカビ臭さまででてしまうのだ。

すぐに水害車(冠水車)のシートを取り外し、天日干しをして乾かせばもしかしたらカビは発生しないかもしれないが、現実的には難しいことである。

【トラブル4】 サビ

事故車と男性

水没車(冠水車)で起こりやすいトラブルがサビだ。ボディーに関してはコーティングされているので雨が降ってもサビが発生することは少ない。

だが、エンジンルームのさまざまな機器、シートレールなどの金属部は水に弱く、大量の水に浸かるとサビてしまうことがある。

特に酷いのが海水である。塩分が金属部分に付着すると水分をどんどん吸収してしまうため、よりサビが発生しやすくなってしまうのである。

ボディーなら洗車すれば綺麗に落とすことができるが、エンジンームなどは洗車できないのだから、どんどんサビが侵食してしまうのだ。

浸水直後から時間が経過するに従って、サビにより穴があいてしまい、水害車は二次災害的なトラブルに発展することもあるのだ。

【トラブル5】車両火災

口をふさぐ女性

水に浸かってしまった車は電気系統がショートしてそこから車両火災を引き起こすこともある。

水没車(冠水車)でも乗りつづけるという考えの人もいるはずだ。だが、見た目に問題なくても、車両火災の危険性があるのだから自分の判断でエンジンをかけてはいけないのだ。

ただ、エンジンをかけなくても危険なのがバッテリーだ。バッテリーはエンジンを切っていても常に電流を流し続けているのだ。それにより車両火災が起こる事もある。

もし、水害車のエンジンルームまで浸水しているようなら、火災防止のためにバッテリーのマイナス側のターミナルを外しておくことが大切である。(参照:国土交通省「浸水・冠水被害を受けた車両のユーザーの方へ」)

近年はハイブリッド車や電機自動車が増えているが、これらは高電圧のバッテリーが積まれているので、むやみに触らないことだ。

特に津波による被災車両は、海水の塩分により、電気系統(エンジン・ヘッドライト等)の漏電で火災が発生する可能性があるので注意が必要だ。(参照:JAF「被災による冠水車両の火災防止について」)

水没車(冠水車)は直るのか?

車のエンジン

「水没車となってしまっても、水に浸かっただけだから、修理すれば直るのでは?」と思う人もいるはずだ。

特に買って間もない車なら、ローンも残っているだろうし、車両保険に加入していない人はなおさらそう思うものだ。

結論から言えば、水没車でも修理して直る可能性はあるのだ。問題のない部位はそのまま使用し、サビてしまった部位や破損した部位に関しては部品交換すればいいだろう。

ただ、後々故障やトラブルが起こらないようにするには、すべての部品を分解してチェックする必要も出てくるようだ。水はどんな細かいところまでも入り込んでくるためだ。

そこまですると、損傷の程度にもよるのだが、場合によっては100万円以上の修理費用がかかってしまうこともあるだろう。

少なくても修理費用が数万円で済む、なんてことはないのである。修理にも相当な時間を要することになるのだ。そして徹底的に修理したところで、その後にトラブルが起こらないという保証はない。

100万円以上の費用がかかり、トラブルの不安も残るわけだから、水害車の状態によっては直さずにその費用で新しい車を購入した方がマシかもしれない。

車両保険に加入しているなら、直して乗るよりも買い換えを検討すべきである。

水没車(冠水車)でも買取可能か?

ネットで申し込み

水没車は廃車にするしない、と思われがちだ。確かに水害車というだけで買取してくれない業者もあるが、すべての買取業者が買取してくれないわけではないのだ。

修理して販売すれば利益が出るだろう、と見込める場合には、相場よりも大幅に低くなってしまうのは否めないが、買取してくれる可能性は十分にあるのだ。

仮に修理に高額な費用がかかるようなケースでも、業者によっては修理してリユースするのではなく、使える部品だけを取って廃車にする場合もある。

つまり使える部品が多ければ多いほど、買取額が高くなるという仕組みである。なので、水没車=廃車というわけではないので、ダメ元でいくつかの買取業者に査定してもらうのがベストだ。

水没車(冠水車)の買取額はかなり低い?

交渉中

水没車でも業者や車の状態によっては買取可能な場合もあるのだ。ただ、その車の買取相場額よりはかなり低くなってしまうのは避けられない事実である。

水害車をリユースする際、業者は乗れる状態まで修理・清掃する必要があるのだ。状態にもよるが、修理には部品交換などが必要になる事も多く、かなりの費用がかかるものだ。

その上修理しても後々不具合が生じてくるリスクがあるのだ。日本では冠水車と言うだけで購入を断念する人も少なくないのが現状である。

業者では売れ残りのリスクもあるのだから、どうしても買取額は大幅に下げざるを得ないのだ。買取業者によっては、二束三文の価格でしか買取してもらえないこともあるのだ。

水没車(冠水車)の減額率は冠水の高さが関係する

チェックリスト

水没車(冠水車)としての買取価格は、どこまで冠水したかによって減額率は変わってくるのだ。

つまり同じ水没車扱いとなった車でも冠水の程度によって大幅に減額される場合もあれば、それほど減額されない場合もあるのだ。

日本自動車査定協会(JAAI)の査定基準では以下3つの基準で減額率が定められている。

  • 冠水の高さがフロアまでなら30%の減額率
  • クッション上部なら40%の減額率
  • ダッシュパネルまで冠水した場合は50%の減額率

買取査定額はその車の基本査定額から減額率に応じて算出されることになるのだ。

ただ、あくまでこれは目安であり、業者や損傷度合いによっても減額率が上下してしまうだろう。また、業者によっては水害車と言うだけで買取不可となる場合もあるのだ。

水没車の修理費用で新車を買える?

お金

水没車をディーラーや修理工場に持って行くと、状態によっては「修理するよりも買い換えた方が良い」と言われる事が多いのが現状である。それは、水没車は修理費用が高くなってしまうからだ。

ちょっとした車の不具合なら、部分的な修理で済むものだが、水害車となれば水に浸かった部品はほとんどが修理もしくは部品交換をしなければいけないからだ。

部品代金はもちろんだが、浸水したすべてのパーツを分解してチェックするとなれば、当然工賃も高くなるのだ。

あくまで目安だが、車内にちょっと浸水した程度でも25万円以上、シート上まで浸水すると最低でも50万円、場合によっては100万円以上の修理費用がかかってしまうこともあるのだ。

100万円以上の修理費用がかかってしまうこともあるのだから、グレードの低い新車なら十分に買える価格である。

しかも、冠水車でも程度によっては買取してくれる業者はあるのだから、買取費用も加えれば、十分に新車は買えるのだ。水没車は修理・交換しても、後々不具合やトラブルが起こる可能性は高いのである。

トラブルが起こるのではないか、と不安になりながら乗り続けるくらいなら、これを機に新車に買い替えた方が費用面でも、安全面でもいいのだ。

水没車は廃車にする前に買取店へ

パソコンと人

ほとんどの人は、水没車は廃車にするしかないと思っているようだ。もちろん、水没の度合いによっては廃車にするしかないケースもあるものだ。ただ、実際は水没車でも買取してくれる業者はあるのだ。

修理費用がさほどかからない場合は、安く販売すれば買い手がつきやすく利益がでるからだが、それ以外には海外への販売ルートが確立している業者は、海外へ流通させるのである。

日本車は海外でのニーズが高く、水害車でも欲しがる人がいるのだ。また使えるパーツがあれば、部品取りをしてから廃車にする方法もあるのだ。

つまり、冠水車でも買取可能ということだ。仮に買取額が0円だったとしても、廃車費用は節約できる。本当にダメなら廃車にすればいいのだから、ダメ元で買取店へ連絡をしてみるのがベストだ。

ディーラーでは水没車は廃車費用も取られる

ディーラー

車が水没した場合、これを機に新車に買い替えるという考えの人もいるはずだ。ならば、この水害車も新車を購入する予定のディーラーに引き取りしてもらおう、と思う人もいるだろう。

確かに、そうすれば水没車の処分と新車購入の手続きも一度にできるので一石二鳥である。

ただ、水没車はディーラーに出すと、ほとんどのケースで下取り価格はゼロになってしまうのだ。それどころか冠水車を処分するために、おおよそ3万円ほどの廃車費用を取られてしまうのがほとんどだ。

ディーラーでは新車を購入することで「廃車費用はサービスしますよ」と言われる事もあるが、その分新車購入時の値引き額が少なくなるなど、結局うやむやになってしまうこともあるのだ。

水没車の買取なら専門業者の『タウ』がおすすめ

カーショップ

車買取業者は今やたくさんあるが、事故車や水没車でも買取不可というところは非常に多いのが現状である。また、買取可の業者でも事故車や冠水車は安く買いたたかれてしまうのが現実だ。

もし水没車を少しでも高く売りたいのなら、事故車専門の買取業者「タウ」がおすすめだ。

タウは事故車を専門に買取する数少ない業者であり、当然水没車も買取可能だ。なぜタウは水没車でも高く買い取ってくれるのかというと、それは海外への販売ルートが確立しているからだ。

海外では日本のように事故車・水害車への偏見が少ないのである。とにかく乗れればOK、動かなくなるまで乗るのが基本である。

特に日本車は性能が良いため海外で非常に人気があるのだ。水没車でも日本車なら欲しい、いやむしろ安く日本車が手に入るなら水没車でも一向に構わないという考えなのだ。

タウでは実に100ヶ国もの販売ネットワークをもっているのだから、水没車も高く買取可能という仕組みだ。

どれくらいで買取してもらえるのだろうか、と思う方はタウのホームページにある“水害車売却シミュレーター”を利用してみるのがおすすめだ。

水没レベルが5段階までチェックできるので、簡易的ではあるが、おおよその目安にはなるはずだ。

水没車をVR(バーチャルリアリティ)体験

ネットで車売却

車を運転していて、自然災害などにより車が水没してしまった、という体験をしている人はほとんどいないはずだ。実際に水没車両に乗っていて、脱出できたという人ものほとんどがそれが初体験である。

ただ、だからといって一生起こらないことではないはずだ。とはいえ、そうそう体験できるものではないし、ならば体験すら避けたいものだ。

そんな方におすすめのサイトがJAFの360度VR動画特設サイトである。

JAF(一般社団法人日本自動車連盟 会長 矢代隆義)は、先進技術を活用した「JAF360度VR動画」“車の水没編”を5月30日にホームページと公式YouTubeアカウントに公開しました。

ここでは水没車両からの脱出をVRで疑似体験できるのだ。普段は体験できない車両の水没をよりリアルに体験できる代物だ。

興味半分で見ても構わないが、それにより、万が一同じ車両水没のシチュエーションに出くわした時は、少しは冷静に行動できるはずだ。

JAFの車両水没VR体験について

近年はゲリラ豪雨の発生、大雨・洪水などで道路が冠水している映像を見ることがある。道路が冠水すれば、車ごと流されることもあれば、道路との境目がわからずに川に入ってしまうこともあるものだ。

フロアまで水が浸水するとドアが開かなくなり、閉じ込められ、さらにどんどん浸水してくる可能性もあるものだ。

そんな時はガラスを割って脱出するといわれても、パニックにならずに冷静に行動できる人など皆無だ。

車両水没の疑似体験もできる

JAFでは、車両水没時をVR(バーチャルリアリティ)で疑似体験ができる特設サイトを開設している。VRゴーグルを装着すれば360°動画で体験できるのだ。

実践で同じようにできるかどうかはわからないが、一度体験しておくとパニックを起こす可能性は少しでも低くなるはずだ。

水没体験をしてみた感想

車両水没時は、水圧によりドアが開かなくなり、ガラスを割って脱出するしかない、ということは知っていた。ただ、それを冷静にできるかまでは自信がなかった。

バーチャルリアリティで疑似体験してみると、水に入ってからわずか2分で水圧によりドアが開かなくなり、それとともに足元を見ると水が入り込んできたのだ。そして、わずか3分で膝あたりまで、5分で胸のあたりまで水が達したのだ。

昔の手動式の窓なら窓を開けて脱出できただろうが、今はほとんどが電動なのだから、浸水したら開かなくなるだろう。

ドアも窓も開かない、となればパニックになってしまう。VR動画では6分半ほどで脱出できていたのだが、これはあくまでパニックを起こしていない状態だからだ。

パニックになれば、窓を何で割るべきかわからなくなったり、なかなか割れない、なんてこともあるものだ。さらにシートベルトすら冷静に外せるかも怪しいものだ。

この水没体験のVR動画を見て、水没時の恐怖を改めて感じられた。だからこそ、万が一に備えて“脱出用ツール”は準備しておくべきだと実感させられた。

それとともに、パニックにならないためには、このVR動画を何度も体験して慣れておく必要はあるだろう。

まとめ

海と車

自分の車が水没なんて、と思うだろうが、車を運転していればそういう可能性は十分にあるものだ。

水没車となってしまうと、廃車にするしか選択肢はない、と思う人が多いのだが、実際に中古車販売店でも水害車は並んでいるのだ。ということは、当然買取する業者もいるということになる。

水没車といっても、車体全体が水に浸かってしまうことがあれば、下のほうにちょっと浸水した程度の場合もある。その程度によって買取価格は大きく変わってくる。

水没車でも修理すれば乗れるようになる車もあれば、乗れない状態の車もあるものだ。

水没車は仮に修理を施しても、エンジントラブルや匂いなど後々不具合が出てくることもあるので、買い手から言えば避けたいものだ。

水没車は事故車のように修復歴の表示義務はないのだから、他の中古車に紛れて売られているケースもあるだろう。

それを見抜くには、匂いやカビ、サビなどの水没の痕跡を細かくチェックする必要があるのだ。

冠水車でも高く買い取ってもらえる可能性がある

日本では水没車は敬遠されがちである。そのため、買取可能とはいっても、足元を見られて安く買い叩かれることもあるのだ。

ただ、海外では水没車でもニーズは高く、そちらに販売ルートをもっている買取業者は冠水車でも高く買取してくれる可能性があるのだ。

高く買取してもらうためには、まずは自分自身が水没車について学び、より高く買取してくれる業者選びが必要だ。