最近は毎月の支払いが少なくて済む残価設定ローンを組んで車を購入している人が増えている。ただローンを支払っている途中で車を売りたいというケースもあるだろう。
この場合でも基本的に残価設定ローンが残っている車でも買取可能である。ここでは残価設定ローンが残っている車を途中解約する際の3つの方法と、その際のポイントなどをまとめているので参考にしてもらいたい。
またその際にも車を少しでも高く売るのがポイントとなるため、そのほうほうもまとめている。
残価設定型ローンの途中でも車買取に出せる
最近は新車を購入する際に残価設定ローンを利用する人が増えているようだ。残価設定ローンの途中だと、自分が車に乗っていたとしても、その車の所有者はディーラーもしくはローン会社となっているのだ。
そのため基本的には残価設定ローンの途中では勝手に車買取には出せないのだ。だがその場合でも残価設定ローンの残債を完済すれば問題なく売却が可能である。それは完済すれば所有権を解除でき、所有者がディーラーやローン会社から自分に変更になるからである。
これについては残価設定型ローンに限らず、一般的なマイカーローンでも同じことなのだ。つまり完済して所有権さえ解除できれば、自分の持ち物となるため自由に車買取が可能となるのである。
買取額で残価設定型ローンが完済できなくても問題なし
残価設定型ローンはローン残債と残価を完済すれば売却も可能である。そして車の買取額がローン残債と残価よりも高かった場合には、その残金を受け取ることができるのだ。だが車の状態によっては、買取額の方が低くてその費用では完済できないというケースもあるものだ。
その時にはその差額分を手持ち資金で完済するという選択肢もあるが、額によってはそれもできない人も少なくないだろう。だがこのように車を売却した費用でも完済できない場合でも対処は可能だ。
もちろんそれは買取業者によっても異なるのだが、足りなかった残金についてローンを組むことも可能だ。その後は残金について毎月買取業者に返済していくことになる。また新たに車を購入するならそのローンも含めて組み直すことも可能だ。
残価設定型ローンの途中解約に”違約金はほぼ発生しない”
残価設定型ローンの途中で車を売却するということは、途中解約する事になる。ということは残債とは別に違約金が発生するのではないかという不安もあるだろう。これについては基本的に途中解約でも違約金は発生しないのである。
途中解約といっても、ローンを完済するだけなのだから契約違反にはならないのだ。
《シミュレーション》残価設定型ローンの途中で車買取に出す場合
300万円の車を5年後の残価を120万円と設定していたケースで、4年で車買取に出した場合をシミュレーションすると以下の通りである。
毎月の返済額 | 3万円 |
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4年後のローン残債 | 36万円 |
ローン残債+残価 | 156万円 |
この場合にローン残債と残価の合計である156万円を返済すれば車買取が可能になるのだ。そして車買取額に応じて以下のような対応となる。
車買取額160万円だった場合 | 4万円の現金を手にできる |
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車買取額140万円だった場合 | 16万円を買取業者に支払うか、16万円のローンを組んで支払う |
これを通常のマイカーローンで5年完済としていた場合は、以下の通りになる。
毎月の返済額 | 5万円 |
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4年後のローン残債 | 60万円 |
通常のマイカーローンなら60万円で完済となるため、残価設定型ローンよりも支払額は少なくて済むのである。
「残クレがきつい…」残価設定ローンを途中解約する3つの方法
残価設定ローンがきついと感じた人や買い替えを検討する人は途中解約する選択肢もある。その際の方法としては以下の3つがあるのだ。
【方法1】ローンと残価を一括返済する
残価設定ローンを途中で解約する場合、残りのローンと残価を手持ちの資金で一括返済すれば可能である。例えば300万円の車で残価が100万円、ローンの残債が50万円ある場合には、150万円をディーラーもしくはローン会社に支払うこととなる。
手持ちの資金で一括返済してしまえば、その車の所有者は自分になるためそこから車買取交渉を始めてもいいだろう。その買取額によっては、売らずにそのまま乗り続けることもできるのだ。
この場合にはディーラーもしくはローン会社に一括返済する旨を伝えればOKだ。返済する日を聞かれ、その日までに返済する場合の額を提示されるはずなので、それを支払えばローンの完済となる。
とはいえ、残価設定ローンの途中だと100万円以上になるケースがほとんどで一括返済は現実的ではないだろう。
【方法2】車を買ったディーラーで下取りに出す
この方法は車を買い替える人限定の方法となるのだが、車を買ったディーラーに下取りに出すという選択肢もある。この場合、下取り額がローン残債を上回れば問題ないのだが、下回って残債がある場合には以下のような対応となるので注意したい。
- 手持ちの資金で一括返済する
- 新車ローンに残債を上乗せする
- 新車ローンとは別にローンを組む
車を買ったディーラーで下取りに出すと、新車購入と下取り、そして残債についてもすべての手続きが一度で済むのがメリットである。ただその一方でディーラー下取りは以下のようなデメリットもあるので頭に入れておいてもらいたい。
- 乗り換えが前提となる
- 下取り額があまり高くならない
- 下取りでもローンが残る可能性がある
- 他メーカーの車は選べない
【方法3】買取店で車を売る
残価設定ローンの途中で車を売る場合には車買取店で売るという選択肢もある。簡単に言えば車を売ったお金でローン残債と残価を支払うという形になるのだ。だが残価設定ローンを契約していた場合、所有者はディーラーもしくはローン会社となっている。
つまり原則としては車を売ったお金でローンを支払うのは、順序が逆になってしまいできないのだ。だが買取店によっては、残価設定ローンに限らず通常のマイカーローンの場合も、残債を立て替えて支払ってくれるのである。
ようするに立て替えて貰った分を車買取額で支払うという形になる。もしそれでも残債がある場合には、今度は残債分を車買取店に支払っていく、もしくは新たにローンを組んで支払うことになるだろう。
他人名義の残価設定型ローン車を買取に出す方法
車を買取に出す場合、その車の所有者しか売ることができないのだ。そのためもし他人名義の残価設定型ローンがある車を買取に出す場合には、いろいろと書類が必要となってくるのである。
たいていの場合は、家族名義の残価設定ローン車となるのだろうが、その場合には以下の書類が必要だ。
- 所有者本人の同意
- 所有者本人の実印がある委任状
- 所有者本人の印鑑証明書
これらの書類を持って車買取店で売却すれば、残価設定型ローンの残債と残価が残っている状態でも買取してくれるし、面倒な手続きも代行してくれるはずだ。ただこれが個人売買となると話は別である。
残価設定型ローンが残った車を高く売る『3つのコツ』
残価設定型ローンが残った車を売る場合、買取額が残債を上回ることが理想である。そのためには少しでも高く売りたいもので、以下の車を高く売る3つのコツがポイントだ。
【高価買取のコツ1】車をできるかぎり綺麗にする
車査定では年式や走行距離、エンジンなどの車の内部、ボディーの傷やヘコミなどが大きなポイントなる。だがこれらの部位はいざ売るという時にはどうすることもできないものだ。できることとすれば車をできる限り綺麗にすることである。
買取業者によっては洗車や内部の掃除は不要、査定には関係ないというのだが、実際はそうとは限らないのだ。やはり査定員も人間であるため、綺麗な車を査定した時と汚い車を査定した時では心証が大きく変わってしまう。
できる限り綺麗にした車を見れば、普段から車に大切に乗っているという印象を持つだろうが、汚ければ逆に乱暴に扱っていると思われてしまうのだ。それが査定の時に影響しないとも言い切れないのである。
【高価買取のコツ2】買取に出す時期を見極める
車を売却する場合、買取に出す時期によって買取額が変わってくることがあるのだ。もちろん車は日に日に価値が下がっていくため、少しでも早く売るのが基本だが、時期を見極めれば少しでも高く売れる可能性があるのだ。
買取額が高くなる時期は、やはり中古車が多く売れる時期でもある。買取業者でも中古車が多く売れる時期に車を保有しておきたいものなのだから、その時期に売れば高く売れるのだ。その時期というのは一般的に業者の決算時期前である。
決算は3月と9月であるため、その前に売るのがポイントだ。特に3月は車を買い替える人が多いため、狙い目だ。もし3月に売ることを決めたなら、4月になる前に売買契約を交わすつもりで交渉を進める必要があるだろう。
【高価買取のコツ3】車一括査定を利用する
車を少しでも高く売るためには、車買取業者を競わせるのが常套手段である。車買取業者は買取額が低くなればなるほど、利益が出るため少しでも安く買い取りたいものだ。そのため1社を買取交渉をするとどうしても限界がある。
複数の買取業者を競合させれば、買取額はどんどん高くなっていくだろう。だが複数の買取業者と交渉するとどうしても時間がかかってしまい、車の価値がどんどん下がってしまうことも考えられる。そのためオススメしたいのが車一括査定を利用する事だ。
車一括査定を利用すれば、一度の入力で複数の買取業者から見積もりが取れる。そこで比較すれば業者を絞ることもでき、交渉も素早く進んでいくはずだ。手間も時間もかからない上に無料なのだから、利用しない手はないだろう。
まとめ
最近は残価設定ローンを利用して車を購入する人が多くなってきている。契約した期間までの乗り続けるのが一般的だが、車が不要になったもしくは乗り換えたいという時には一括返済すれば途中解約することは可能だ。
途中解約する場合には、車買取業者に売れば問題ないのだが、その場合にはやはりいくらで車が売れるのかがポイントになる。
もちろんいずれにしてもいろいろと手続きは必要になるが、まずは少しでも車を高く売る方法を検討するといいだろう。