自分の車をカッコよく改造したいという人は少なくないものだ。中には自分の好みに合わせて数十万円、時には数百万円ものお金をつぎ込んでさまざまな改造を施している人もいるものだ。
逆にオーディオだけ変えた、と言う人もいるだろう。どちらも改造車と言えば改造車だ。
ただ、その改造によっては違法となってしまうこともある。
自動車の安全・環境基準である保安基準に適合していない車は違法改造車(不正改造車)となり、罰則が科せられることになってしまうのだ。
- 改造車、特に違法改造車だと買取額が低くなるどころか、買取不可という業者もある
改造車を売却する場合には、どこに売ればいいのかという問題が生じるため、本文ではその解決策を紹介している。
改造車とは自分の好みに合わせてパーツを取り替えた車のこと
改造車とは、ディーラーから購入した車を自分の好みに合わせてパーツを取り替えた車のことである。
改造といっても暴走族が乗っているような、地面スレスレまで車高を下げたものもあれば、オーディオを変えただけのものもあるのだ。
ただ、ここでいう改造車とは「違法ではないレベルの改造をした車」のことである。そのため売る時に自分の車は改造車ではない、と思っていても、厳密に言えば改造車になる事も多いのだ。
例えば、タイヤホイールをデザイン性の高いアルミホイールに交換している方も多いだろうが、これも改造車だし、カーナビを社外パーツに取り替えていれば改造車になるのだ。
ただ、本格的な改造車というイメージがあるのは、ローダウンしたり、エアロパーツを取り付けたりと見た目をドレスアップしているような車のことである。
他の車と区別するためにも自分なりの改造を施す人もいる。
ただ、行き過ぎた改造は違法になってしまうことがあるのだ。違法になれば車検が通らないだけでなく、基本的には公道は走れないのだ。
走行していれば取り締まりの対象となってしまうのだから注意しよう。
違法改造車とは基準に適合しない改造を施している車
違法改造車(不正改造車)はその名の通り“基準に適合しない改造を施している車”のことだ。
違法改造車で公道を走行すれば、罰則が科せられることになる。また、走行だけでなく、不正改造自体も禁止されているのだ。
では、どんな改造車が違法改造車となってしまうのかというと、パーツごとに細かく決められている。
よく車高が低い車は違法だ、と言われるが、これについては地上9cm以上と定められている。
また、運転席や助手席の窓ガラスのフィルムは可視光線透過率70%以上、テールランプなどの色も明確に決められているのだ。
改造する場合にはこういった基準に基づいて行わなければいけない。整備工場では原則として不正改造はできない。
それは改造する側である「不正改造の実施者」にも罰則があるからなのだ。
もちろん立ち入り検査で発覚しなければわからないため、やってくれる工場もあるが、たいていは受け入れてくれないだろう。
そして違法部分以外の不具合で整備してもらう場合にも、違法改造車は整備してもらえないのだ。
道路運送車両法は安全に走行するための法律で、違法改造車は事故やトラブルを起こすリスクが高い。後々売るかどうかまたは違反だからNG、ということではなく安全に走行するために違法改造はやめるべきだ。
「改造車」と「違法改造車」の違い:自動車の安全・環境基準である保安基準に適合しているかどうか
「改造車」と「違法改造車」の違いは何なのか。
厳密に言えば自動車の安全・環境基準である保安基準に適合しているかどうかである。見た目が同じような状態でも基準に適合していなければ違法改造車となるのだ。
例えば、エアロパーツをつけたり、車高を下げている人も多いが、基準では地上9cm以上としている。つまり9cmの改造車ならOKで8cmだと違法改造車となるのだ。
とはいえ、その保安基準をすべて知っている一般人はほぼいないだろう。
なので、売るつもりの自分の車が違法になるのかを確認するには、整備工場に出してみるといいだろう。
違法と知って改造している人は別だが、知らずに違法改造車となっている場合は車検の時に整備工場などから指摘されるのがほとんどだ。
つまり、問題なく車検が通った時は違法改造車ではないのである。
不正改造車は一般人に通報されることも
不正改造車に乗っている人は、「警察に止められなければ問題ない」と思う人もいるはずだ。
しかも、明らかな不正改造でなければ走行中に見つける事は警察でも困難である。そのため、不正改造車と知りつつ、乗り続ける人もいるようだ。
だが、国土交通省では『不正改造車・黒煙110番』という取り組みをしている。これは不正改造車を発見したら通報してもらう、という取り組みだ。
不正改造・迷惑黒煙を発見された方は、登録ナンバー、不正改造の内容等の情報を下記連絡先までご一報下さい。もしくは、以下通報様式に記入頂き、登録番号(ナンバー)の管轄する運輸支局へ FAXによりご一報下さい。
違法改造車は、他の車の走行の妨げになるだけでなく、騒音や黒煙などで多大な迷惑をかける事がある。そのため、不正改造車を取り締まってもらうために運輸支局に通報するシステムだ。
これにより不正改造車を排除しようという取り組みなのだ。警察に見つからなければOKと思っていると、ある日突然、不正改造を指摘されるかもしれない。
車を売る時の問題も考えて気を付けたいものだ。
車買取店は改造車をどう評価している?
車買取店では、需要が少ない車は買取額は低くなってしまうものだ。違法改造車はもちろんだが、改造車も需要は決して多くないのが現状だ。
これを売るためには、純正の状態に戻す必要があり、そのためには費用がかかってしまうものだ。少なくともその費用分は安くなくってしまうだろう。
そのため、改造車、特に違法改造車だと買取額が低くなるどころか、買取不可という業者もある。
改造車でも買取額が高くなるケースとは?人気のオプションかどうか
基本的に改造車は査定額が低くなってしまうものだが、例外がある。
例えば社外パーツ。ナビやオーディオは純正パーツよりも使いやすく、人気があるものが多い。さらに、若い人はエアロも社外パーツを取り付ける方が多いのだ。
また、足周りの改造(車高調、エアサス、ホイール)をする方も多く、新しいものやセンスが良いものだと、より高人気である。
こういった改造車を売る場合は、純正に戻す必要がない上に、人気があるので買い手がつきやすくなる。需要が多いために改造していても査定額が高くなることがある。
ただし、買取業者によってパーツをどう見るかが違うので、買取額には差が出る事があるので注意が必要だ。
改造車は改造車専門買取店に
改造車を売るには改造車専門の買取店で査定してもらう方法がおすすめだ。
改造車は基本的に買取価格は低くなってしまうものだ。それはリユースする際に純正に戻す必要があるからで、その費用分は買取額を下げなければいけないからだ。
ただ、改造車専門の買取店は、改造車をそのままリユースすることが多いからである。もちろんそれは改造車を主に扱っている中古車販売店へ流通させるからだろう。
本来なら改造車のままだと買い手が見つかりにくいものだが、改造車を多く販売している中古車販売店なら、それを目的で買いに来る人が多いため買い手がつく可能性が高いのだ。
場合によっては、違法改造車も買取してくれるケースもあるので、改造車を売りたい方はまずはそのまま査定してもらうといいだろう。
改造車専門店は足元を見てくる
改造車は一部の改造を除き、ほとんどの買取店で査定額は低くなってしまうのが現実である。
ただ、なかには改造車を比較的高く買取してくれる改造車専門店もある。
改造車はそういった買取店に売るのが理想だが、業者によっては足元を見てくる場合もあるのだ。
他の買取店ではかなり安い額を提示しているのだろうから、それよりもちょっと上乗せした額でも売ってくれると踏んでいるからだ。
そもそも、改造車の価値はよくわからないのだから、一般人には交渉しようもないのだ。
そんな時には、一括査定を利用するのが望ましいだろう。
はじめから一括査定にすれば、他の買取店がどれほどの査定額を提示するのかわからないため、改造車専門店も相応な査定額を出してくるからだ。
業者によって改造車の査定額をかなり低く提示してくる
買取業者は買取した車を他に売ってその差額で利益を得ている。そのため、より利益を出すためには買取額をできるだけ安くしたいものだ。
改造車となればそれが顕著になる事が多いようだ。なぜなら、改造車は軒並み査定額が低くなりがちだからだ。
純正のままの車なら、車の状態によって査定額は上下するとは言うものの、特に不具合がなければ基本査定価格と大差なくなるものだ。
だが、改造車だとその車によって状態が大きく異なるので、安い査定額をつけられる可能性がある。
業者によっては「この部分を純正に戻す必要があるので、その分マイナスになります」などと適当な理由をつけてかなり安めに言う場合もあるのだ。
たいていの人はそれに納得して、結局かなり安く売る恐れがあるのだ。
改造車は一括査定を利用するのがおすすめ
改造車は高く買取してくれるところもあれば、かなり安いところ、さらに買取すらしてくれないところもあるのだ。
どこの買取店が高く買取してくれるかもわからないものだ。
改造車といえども、日数が経過すればどんどん車の価値が下がってしまう。交渉する買取業者が多くなればなるほど、時間がかかってしまうだろう。
そんな時は売る前に一括査定を利用して査定額を比較してみるのがおすすめだ。
一括査定なら、改造車を高く買取してくれる業者がすぐにわかる上に、他の業者にも査定を依頼しているのが分かるわけだから、あまり低い査定額は提示してこないものなのだ。
買取してもらう業者を数社に絞るためにも、まずはじめに一括査定を利用するべきである。
まとめ
車は自分らしく改造して乗りたいと思うものだ。特に男なら、いろいろな部位を改造してよりカッコよくドレスアップしたいだろう。中には数十万円、数百万円もの費用をつぎ込んでいる人もいるのではないだろうか。
ただ、基本的に改造車は売る時には安くなってしまうものだ。50万円もかけたのだから、その分は上乗せしてもらいたいのが心情だろうが、実際はそうはいかない事が多い。
むしろ相場よりも低い査定額を提示されてしまうことが多いのだ。それは、改造車は需要が少ないために、リユースするには純正に近い状態に戻す必要があるからだ。
つまりその費用分がマイナスになってしまう。特に違法改造車となれば、最低限合法になるまで復元しないといけなくなるので、業者によっては買取を断られてしまうこともある。
改造車を高く売りたい時には、まずは純正に戻すことが先決だ。とはいえ、純正に戻すために費用がかかってしまうようでは本末転倒である。
自分で純正に戻す事ができない場合は、まずはそのままの状態で査定してもらうといいだろう。業者によっては改造車専門店もあり、思った以上に高い値を付けてくれる場合もあるのだ。
ただ、それでも足元を見てくる業者も少なくないので、一括査定で他の業者とも競わせるようにするのがベストだ。