車を売る時にはいくつかの手続きを踏むが、その手続きによって手数料が必要になる場合がある。
ただ、車買取業者に買い取ってもらう場合、これらの手数料は車の査定額からあらかじめ引かれていることが多いので、自分でいちいち支払う手間はかからないことがほとんどだ。
車買取の3つの手数料
- 車譲渡手続きの代行料(名義変更代行料、印紙代)
- 車の運送料(自宅から買取店までの移動料)
- 手数料は別途ではなく査定の段階で引かれている
手数料にいくらかかったのかはちゃんと確認してほしい。1~2万円が相場なので、それより極端に高い費用が引かれていないか自分の目でチェックすることが大切だ。
車の査定自体は無料だが、高額買取を狙うためにも、特定の業者に愛車を見てもらうのではなく、複数の業者に査定してもらうようにしよう。
買取価格をアップさせる方法 | |||
---|---|---|---|
方法 | おすすめ度 | ||
一社の買取業者と交渉 | 交渉が難しくなる | ||
複数の買取業者を回って交渉 | 時間・労力がかかる | ||
車一括査定を利用 | 短時間で交渉の必要もない |
車買取にかかる3つの手数料
1.車譲渡手続きの代行料(名義変更代行料、印紙代)
車を譲渡する時に費用が発生する手続きは以下4つだ。
- 移転登録
- 車庫証明書取得
- ナンバープレート交付
- 自動車取得税
移転登録の手数料には印紙代として500円が必要。
「車庫証明書」の取得は都道府県によって違うが、2500~3000円程度だ。価格にバラつきがあるのは各市町村によって税額が異なるためだ。(参照:国土交通省「自動車を売買等により譲渡、譲受する場合」)
「ナンバープレート」の交付にかかる費用は約2000円だが、新旧の所有者が同管轄内の場合は必要ない。
「自動車取得税」は車両によって異なる。
このように、自分で手続きを行うなら数千円で収まるが、業者に代行してもらうには代行手数料が上乗せされるので、総額1~2万円になることがほとんどだ。
ただ、代行手数料は代行する人が自由に設定できるので、業者によって金額はまちまち。
2.車の運送料(自宅から買取店までの移動料)
買い取ってもらった車を自宅から買取店まで運ぶのに、移動料がかかることも。
しかし、車を購入して納車してもらう際は、時に多額の陸送費がかかることもあるが、売却の場合は心配するほど高い手数料が発生することはない。
ただし、故障して動かないような車を持って行ってもらうには、車両輸送用の輸送車を使って移動させる手間が発生するので、距離によっては数万円もかかることもある。
いずれにせよ、車の運送費を別途請求されるようなことはほとんどなく、あらかじめ査定額に含まれているので、気になる場合は査定の際に業者の担当者に尋ねてみよう。
3.手数料は別途ではなく査定の段階で引かれている
上で見てきたように、車の買取では譲渡の手続きや車両の運送に手数料が発生することがあるが、車を売る人はこれらの手数料を意識することは少ないだろう。
というのも、こうした手数料などすべて含めたうえで買取金額が提示されるからだ。
業者から提示される買取金額とは、車両本体の価格から諸々の手数料を差し引いた金額ということだ。
通常、これらの手数料は1~2万円程度が相場。
車両の状態は良いはずなのに、思ったほどの金額を提示してくれなかったという場合は、査定の見積書をチェックしよう。こうした手数料がきちんと記載されているか、その金額はおかしくないか確認することが大切だ。
車売却時に注意して確認すべき税金関係
自動車税や自賠責保険は翌年の3月分までを事前に支払っているため、まだ期間が残っている場合は車を手放す際に戻ってくる。
たとえば、8月に車を手放したら、9月から翌年3月分までの自動車税が戻ってくるといった具合だ。
しかし、車を買取してもらった場合、基本的には車の買取金額に税金関係の戻り分がすでに含まれていることがある。
そのため、税金の戻り分として別に受け取ることがない場合も多い。買取業者から税金関係の説明はあるはずだが、ご自身でもきちんと把握しておこう。
なお、お得に感じさせるため、税金や保険料などの戻り分をあえて査定額とは別にしている業者もある。
未経過分の自動車税の還付金
自動車税は、毎年4月から翌年3月までの1年分を前払いするシステムだ。そのため、年度途中で車を売却する時は、未経過分の自動車税が還付となる。
たとえば、8月に車を売ったとすると、翌月9月から翌年3月までの7カ月分の金額が払い戻される。
自動車税が45000円だった場合で考えると「45000円÷12ヶ月×7=26250円」が戻ってくる計算だ。
ただし、自動車税の還付金を受け取れるのは、それ以外の地方税に滞納がないことが条件だ。
なお、軽自動車の税金には軽自動車税があるが、自動車税と違って年額での支払いになる。そのため、軽自動車を年度途中で手放しても還付金が戻ってくることはない。
車を買取専門店に売った場合の自動車税
上で見たように、年度途中で車を買い取ってもらった場合でも、自動車税の還付金を受け取れる。
ただし、多くの車買取業者は、税金の還付金も買取金額に含めて提示するため、それと知らずに還付金を受け取っているという人も多い。
業者は、事前に還付金に相当する金額を含めて車の買取金額として売却した人に支払い、後から還付金を受け取っている。
自動車税は排気量の大きな車ほど高額になるため、大きな車を年度初めに売却すると、予想以上に高額で売れたと思うこともあるかもしれない。
実は税金の還付金が多かっただけということがないように、税金のことも確認するとともに、自分でも計算しておこう。
自動車納税証明書の紛失・再発行にかかる費用
普通&軽自動車 売却時の必要書類一覧 |
|||
---|---|---|---|
書類 | 普通 | 軽自 | 備考 |
実印 | 〇 | – | |
認印 | – | 〇 | |
印鑑証明書 | 〇 | – | 発行後1ヶ月以内のもの×2通 |
自動車検査証 (車検証) |
〇 | 〇 | 現住所、氏名の確認が必要 軽自動車の方はこちら |
自賠責保険証明書 | 〇 | 〇 | 軽自動車の方はこちら |
自動車納税証明書 | 〇 | – | 有効期限の確認 |
軽自動車納税証明書 | – | 〇 | 有効期限の確認 |
振込口座情報 | 〇 | 〇 | |
リサイクル券 | 〇 | 〇 | |
住民票 | △ | △ | ※住所変更が一度の場合 |
戸籍の附票 または住民票の除票 |
△ | △ | ※住所変更が複数回あった場合 |
戸籍謄本 | △ | △ | ※結婚などで姓が変わっている場合 |
各買取店で作成する書類 (※準備必要なし) |
|||
書類 | 普通 | 軽自 | 備考 |
譲渡証明書 | 〇 | – | |
委任状 | 〇 | – | |
自動車検査証記入申請書 | – | 〇 |
通常これらは車のダッシュボードに保管するものだが、「自動車税納税証明書」は、コンビニなどで自動車税を支払った後、保管するのを忘れてしまう人もいる。
そのため、紛失する人も時々いるようだが、自動車税納税証明書がないと車を売却することはできない。
そういう場合は、運輸支局に併設の自動車税管理事務所や各都道府県の税事務所で再発行してもらう。再発行には手数料など特別な費用は不要だ(一部地域では費用がかかることもあるようだ)。
買取業者に再発行を代行してもらうことも可能だが、その際は代行手数料が必要。
自動車リサイクル料金の戻りの流れ
リサイクル料金の金額は車種によっても異なるが、普通車で1万円から1万6千円ほど、軽自動車で4千円から1万円ほどだ。
リサイクル料金は新車購入時や車検時に支払うが、最終的な支払いは廃車時の所有者が行う。
そのため、中古車を買う場合でも購入時点でリサイクル料金の支払いはあるが、売却の際には次の所有者に支払い義務が移るので、支払ったリサイクル料金は戻ってくる。
ただ、買取業者に売却する場合は、自動車税の還付金とおなじように買取金額に含めて戻ってくることが多いため、別途リサイクル料金として受け取ることはないかもしれない。
まれに買取金額にリサイクル料金を含めていない悪質業者もあるため、必ずご自身でも確認しておこう。
ローンが残っている車(ローン残債)を売る場合
ローンが残っている車を売る場合、次に買う車のローンに残債を上乗せすることもできるが、買取業者に売るだけのケースではそれができない。
しかし、ローンの残債を支払い、車の所有権を解除すれば売却可能だ。
大手の買取業者のなかには、ローンの残債がある状態でも買取を行ってくれる場合がある。
ただし、車の査定額からローンの残債を差し引いた金額が買取金額になる仕組みなので、ローンの残債を支払わなくてよくなるわけではない。
査定額がローンの残債より低い場合は、差額を買取業者に支払わなければならない。また、所有権解除などの手続きが業者に発生するため、別に手数料がかかることもある。
車を査定するだけなら当然ながら費用はかからない
車を買取業者に売却する場合、売却が決定してからは各種手数料がかかることもあるが、売却の契約を交わすまでは費用はまったく必要ない。
査定は無料であるため、なるべく多くの買取業者に査定してもらい、最も高く売れる業者を探すようにしよう。
まず、今乗っている車を「ディーラー下取りに出す」という考えを捨てるようにしよう。
今所有している愛車の相場を知らないままディーラーに下取りに出すのは99%損する。
ディーラーはそもそも下取りを専門に行っていない。独自の再販ルートもなく、一般的なオークション価格で安く買い叩かれてしまう。
車を売るならそれを専門に取り扱う買取業者に売らないと適正価格で買取はしてもらえない。
なお、高価買取を実現させるために「車一括査定」を利用すれば、時間を節約しながら短時間で買取額を大幅に上げることが可能だ。
車一括査定を使えば、下取りより10万円以上の買取額が付くのが当たり前になってくる。
編集部で実際に利用した時、なんと下取りとの差額は100万円近くにまでなった。
これを見れば必ず車一括査定は利用すべきサービスだとわかってくれるはずだ。
まとめ
今回は車買取の手数料について解説した。
車の買取にあたって車庫証明書の取得、ナンバープレート交付、車の運送費などがかかる。1~2万円が相場だ。
売却の際には査定料など買取費用がかからないのがふつうだ。無料で車の価値を見てもらえるので、査定は1社だけでなく最低でも3社、できれば5社前後で比較することをおすすめする。