車を売りたいと思う方は、中古車販売店やディーラーに下取りや買い取りをしてもらうのが一般的だ。最近ではネットオークションで個人売買する方も増えている。
業者に売るにも、個人売買するにも、自分の車の価値が分からないと、それが妥当な金額かどうか見当もつかないだろう。中古車は同じ条件の車などほぼない。
車を売る場合に大切になってくるのが、自分の車の査定相場だ。だいたいこれくらいが相場だろう、ということが分かれば、業者の査定額が妥当なのかも分かる。
- 1.買取相場(買取店や販売店に売る価格)
- 2.オークション相場
- 3.店頭相場(店頭で売られる価格)
もし、相場よりもはるかに低ければ、交渉次第ではさらに買取額をアップできる可能性がある。
まずは自分の車の査定相場を知ることが第一ステップだ。
買取価格をアップさせる方法 | |||
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方法 | おすすめ度 | ||
一社の買取業者と交渉 | 交渉が難しくなる | ||
複数の買取業者を回って交渉 | 時間・労力がかかる | ||
車一括査定を利用 | 短時間で交渉の必要もない |
市場価格と需要から決まる査定相場
車を売る方にとっては、自分の車の査定相場が一番気になるところだ。査定相場はまず市場価格がポイントになってくる。
その車を欲しいと思う方が多くいるようなら、中古車販売店は市場価格を上げるし、需要がない車なら売り抜くためにはどうしても市場価格を下げざるをえない。
市場価格が高くなれば、当然査定相場も高くなるし、市場価格が低くなれば査定相場は低くなる。
需要がない車は思った以上に買取価格が低くなる傾向にある。
車を売る場合には、まずは自分の車の需要をチェックし、査定相場を見極める必要がある。
市場価格も高く人気のある車なら車買取業者も高値をつけるし、交渉次第では査定相場よりも高くなる可能性がある。
逆に不人気の車だと、査定相場よりも下回る可能性もあるので、査定相場ならOKとするのが妥当だろう。
中古車の相場には3つの価格帯がある
車を売る場合にポイントになるのが中古車の相場だ。相場が分からないと買取店や販売店との交渉もままならないし、大切な車を安く手放してしまう恐れもある。
中古車の相場には、大きく分けて3つの価格帯がある。「買取相場」・「オークション相場」・「店頭相場」だ。
一般の方が車を売る際に参考にするのが買取相場とオークション相場で、車を購入する方が参考にするのが店頭相場だ。
一番高いのが店頭相場で、その価格から仲介業者の経費や利益分を差し引いたのが買取相場・オークション相場になる。
あくまでも相場なので、この価格よりも実際の価格は若干上下するし、日々変動するものだ。少しでも高く売りたい方はしっかりチェックしよう。
1.買取相場(買取店や販売店に売る価格)
買取店や・ディーラーに車買取・下取りしてもらう場合には「買取・下取り相場」がポイントになる。
業者からすれば買取相場よりも低く買取できれば、利益が多くなり、相場より高く買取すれば利益は少なくなる。
そのため業者はできるだけ相場よりも低く交渉したいが、あまり低くし過ぎると交渉不成立、もしくは他の業者に売られてしまう可能性がある。
この事情を裏返せば、売り手が競合する買取店を作って交渉に持ち出せば、相手は極端に低い値をつけることができない。
ニーズの高い車種であれば、業者同士が活発に競ることになり、査定額も相場以上の高値に吊り上がっていくこともあるだろう。
人気車、不人気車、古い車など、どんな車両であっても売り方を工夫すれば少しでも高く売れる見込みはある。
2.オークション相場

ここでいうオークションというのは中古車業者が出品し、販売店が購入する、業者間のオートオークションのことだ。
ふつう一般人の利用はできないが、オークション代行業者に依頼すれば個人でも出品可能だ。

オークション相場は、法人向けの中古車相場情報誌でチェックできるし、オークション代行業者が準備している相場検索システムでもチェック可能だ。

オークション相場は買取相場よりも高くなる事もある。
そのためオークション代行で車を売却するのもひとつの手だが、手数料がかかるし、落札する業者がおらず売れない場合はオークション代行費用だけが無駄になってしまう。
3.店頭相場(店頭で売られる価格)
店頭相場は、中古車販売店などで売られている中古車の価格相場になる。
この相場が重要なのは車の購入を考えている方であり、車を売りたい人にとってはあくまで参考程度に過ぎない。ただ、需要があるかを知る方法にはなるだろう。

店頭相場を知るには中古車販売店を回ってみる方法があるが、最近ではネットでもたくさんの中古車情報サイトがあるので、いくつかのサイトをチェックして比べてみるといいだろう。
ただし、店頭相場も日々変動するので、定期的にチェックしないと知らない間に大幅ダウンしていることも。
【実演】3つの相場を調べる方法
買取相場、オークション相場、店頭相場の3つの相場を調べる方法はいろいろある。
ここでは使いやすく、なおかつリアルな相場をチェックできるオススメのサイトを紹介しよう。
carview(カービュー)・みんカラの買取相場

買取相場を調べたいという方はcarview(カービュー)やみんカラで買取相場をチェックしてみるといいだろう。
carviewは車一括査定サイトで有名だ。みんカラの方も車のSNSサイトとして知られているが、このサイトはcarviewが運営している。

carviewのサイトには車買取相場を調べることのできるページが用意されている。

買取価格は査定日時によっても大きく異なるが、実際の査定時期も掲載されているのでその点も安心だ。
さらに一括査定を申し込んだ時の査定会社の件数、そしてその査定差額まで明確に載っている。
車一括査定で売却した方の口コミも掲載されている。
車をとことん高く売りたい方は、車一括査定の情報をしっかりチェックしておくことをおすすめする。
上の画像の「見積もり数」の内容を見ても分かる通り、業者によって査定額は大きく差が出るのがふうつだ。
carviewのほかにもいろんな車一括査定サイトがあるので、詳しく知りたい方は関連記事をチェックしてみてほしい。
オークサポートのオークション相場
オークション相場を知りたい方は、オークサポートというサイトで検索できる。オークサポートは、オークション代行をおこなっている業者だ。
このサイトの相場検索機能は全国で開催されたオートオークションのデータに基づいて作成しており、実際にオークションのプロが利用しているので、より的確かつ豊富な情報が入手できる。
メーカーから車種を検索でき、グレードや年式、ボディーカラーなどをチェックして検索するだけでOKだ。より細かく検索をかけることで、自分の車のオークション相場が分かってくる。
あくまでこれは相場であって、実際にオークションに出品する場合には、自分で価格を設定することができる。
もし、オークションを利用して車を売りたいという方は、売却までにかかる経費も計算が必要だ。
オークションサポートを利用した場合、代行手数料として3万円、出品するのに1回9,000円、成約すればさらに9,000円かかる。
オークション会場へ車を陸送するのにその費用も負担しないといけない(自分で持っていく場合はかからない)。
ちなみに陸送料金は東京~大阪間だと2万5,000円~3万円ほどかかる。
万が一、買い手が見つからなかった場合は成約料を除く費用がかかるので、その費用が無駄になる。高く売りたいと最低落札価格を高めに設定してしまうと売れない可能性があるし、逆に安すぎても経費負担が大きくなる。
そのため、しっかりとオークション相場をチェックして、確実に売れる価格で、それでいて損をしない価格を設定しないといけないだろう。
カーセンサーの中古車相場表

実際に車がどれくらいの価格で売られているのか、店頭相場を知るには、実際に売られている中古車販売店のサイトをチェックすれば分かる。
とはいえ、扱っている車種は非常に多く、また中古車は条件によって店頭価格も大きく異なるので、比較するには自分で表に書きだしたりしないと分かりにくいだろう。
そんな手間を省き、店頭相場が分かりやすいのが、カーセンサーの中古車相場表だ。

カーセンサーは日本最大級の中古車情報サイトで、常に40~50万台もの中古車販売情報が掲載されている。
カーセンサーの中古車相場表では、メーカー、車種をチェックするだけでどれくらいの価格で販売されているのかが分かる。
ちなみに、トヨタのアクアで検索してみると、実に7,000台もの中古車販売情報がチェックできる。
実際、店頭相場は車を買いたい人にとって有力な情報ではあるが、車を売りたい人にとってはその相場はあまり参考にはならない。
『店頭相場より確実に低くなる』ということは分かるが、そこから買取相場を推測するのは難しいだろう。
ただカーセンサーの中古車相場表では、現在どの年式・走行距離の車が多く売られているのかがわかる分布表にもなっている。つまり、どれが品薄でどれが溢れているのか分かるのだ。
多く売られている車だと、買取相場もそれほど高くならない傾向にある。それが分かるだけでも買取業者と交渉する際の参考になるだろう。
カーセンサーは車一括査定サイトとしても業界トップクラスだ。
車を高く売るための必須サイトといえるので、ぜひ利用してみてほしい。
中古車の査定額の決まり方(基本価格±加減点=査定価格)
中古車査定額は、車買取業者が任意に設定するわけではない。もちろん中にはそういった相場から算出する業者もあるだろうし、まったく参考にもせずにかなり安い査定額を提示してくる悪徳まがいの業者もある。
ただ、ほとんどの買取店では、基準となる価格が存在している。
基準となるのが日本自動車査定協会が毎月設定している“査定基準価格”。これは支所ごとに市場実績をもとに算出された価格であり、査定する車の標準的な状態の価格を示している。
査定基準価格(財団法人日本自動車査定協会が定める標準的価格)や、類似車両が市場で流通している場合にはその相場価格。
ただ、買取業者は実際にその車を買取した後には標準的な整備が必要になるし、修理が必要な車ならその修理費用もかかる。また売れるまで日々経費がかかるし、車の価値も下がる。それでいて業者の利益も必要だ。
そういった経費や減価、利益を差し引いた額が“基本価格”となる。
さらに実際に車の状態を確認して、基本価格から加減していくのが査定だ。加減点も決まっており、標準な状態よりも悪いポイントがあれば査定額は低くなる。このような流れで提示される査定価格が決まる。
ただ、その査定価格が必ずしも買取額になるわけではない。交渉次第で高くなる事もあるし、売買契約までに時間がかかれば車の価値が下がり、安くなる事もある。
自動車の基本価格の決まり方
中古車の査定の際に基本となるのが“基本価格”だ。まずその車の状態に関係なく、メーカー、車種、グレードでどれくらいの価値になるのかという査定基準価格がもとになる。
これは日本自動車査定協会が各支所毎に市場実績として毎月設定している。(参照:日本自動車査定協会「査定の方法」)
実際に車を販売するまでには、標準となる整備が必要だし、買取(査定)から販売までは日数があるので、車の価値は日々下がってしまう。また、修理が必要な場合には、その部品価格、外注費用もかかる。
販売店の利益も当然考えなければいけない。そういった標準整備費、標準諸掛、特別調整などを差し引いた額が基本価格となる。これらの経費は、業者ごとに独自で算出しているものだ。
加減点の決まり方
基本価格は、そのまま査定額になるわけではない。
車査定では基本価格から、実際に査定員が車の状態を確認して、加減点を決定する。車両本体でいえば、外装・内装に傷やへこみ、汚れがないか、エンジン・足回り、電装に不具合がないか確認する。
その他には、タイヤの磨り減り具合、走行距離、また車検や自賠責の残り、修復歴・事故歴、その他装備品の有無によっても加減される。
これは必ずしも基本価格からマイナスされるだけではない。標準状態よりもボディーが綺麗、走行距離が少ない、エンジンの状態が良い、などであれば点数が加算される。
基準となるのは新車の状態ではなく、経過年数相当の状態だ。そのため、どうしてもついてしまうボディーの細かい傷があっても減点されないケースもある。
査定価格の決まり方
車を売りたい方にとって重要になるのが査定価格だ。査定価格は基本価格から加減点をした価格になるのが基本だ。そうなるとどこの買取業者でも同じくらいになると思われがちだが、実はそうではない。
査定基準価格から業者の経費を差し引いたのが基本価格だが、その経費の算出は業者ごとに異なる。
全国に店舗を持つ大手なら、すぐに売れる可能性があるので売れるまでにかかる経費を抑えることもできる。
また自社工場を持つ業者なら、外注せずに自社で修理できるので、その点でも経費を抑えられるだろう。
それらによって査定額は大きく違ってくる。そして、業者の利益も含まれているので、交渉次第では査定価格をアップすることも可能だ。
買取店によって査定額が違う理由(需要と在庫)
中古車査定額は買取店によって大きく差が出ることがある。10万円以上の差がつくことも少なくない。それは、買取店の利益も関係するし、またリユースまでにかかる経費や販売力も関係がある。
それ以外に需要によっても違いがあり、需要がある車は非常に高く売れる。
ただ需要に対して充分なほどの在庫がある買取店では、売れ残る可能性もあるので、それほど高い査定額を付けないケースもある。
逆に、今その車を欲しい、という方がいれば、売れるまでの減価を考える必要がないので、査定額も高くできるというわけだ。
同じ車が在庫としてかなりある場合には、たとえ人気車種だったとしても査定額が低くなる事もある。
大ヒットした超人気車種の買取や下取は安くなる
中古車査定額は、中古車市場で人気がある車ほど高くなる。そのため、交渉次第ではどんどん買取額が高くなる可能性は十分にあるだろう。
ただ、ここで勘違いしてはいけないのは、大ヒットした超人気車種が必ずしも中古車市場で人気があるとは限らないということだ。その理由の一つには需要と供給の関係がある。
大ヒットした超人気車種だと、当然販売台数も多くなる。そしてある程度の年数が経過したら、車を買い替える人が多いので、その超人気車種は中古車市場に出回ります。
どのような商品でも高く売れるのは需要に対して供給数が少ない場合で、この場合は逆になってしまい、どうしても価格は下落してしまうのだ。超人気車種の買取・下取が安くなるもう一つの理由が、時代の流れだ。
一部の車を除き、その時代によって人気車種は変わる。これまでもスポーツタイプやRV車が爆発的な人気を博した時もあれば、セダンが人気だった時代もある。
また、少し前まではステーションワゴンタイプも人気があり、今はエコカーブームだ。つまり、昔は超人気車種だったのが、今は人気がなくなっていることも当然ある。
よく車を買う時は買取時の事を考えて人気車種を買った方が良い、といわれるが、実はそうでもないケースもあるので注意しよう。
買取店を競合させて最も高いところで売る
まず、今乗っている車をできるだけ高く売りたいと考えている方は「ディーラーに下取りを出す」という考えを捨てるようにしてほしい。
今所有している愛車の相場を知らないままディーラーに下取りに出すのは99%損をする。
ディーラーはそもそも下取り(買取)を専門に行っていない。独自の再販ルートもなく、一般的なオークション価格で安く買い叩かれてしまう。
車を売るならそれを専門に取り扱う買取業者に売らないと適正価格で買取はしてもらえない。
なお、高価買取を実現させるために「車一括査定」を利用すれば、時間を節約しながら短時間で買取額を大幅に上げることが可能だ。
車一括査定を使えば、下取りより10万円以上の買取額が付くのが当たり前になってくる。
編集部で実際に利用した時、なんと下取りとの差額は100万円近くにまでなった。
まとめ
この記事では車買取の査定相場に関わる3つの相場について解説した。
一つは中古車買取相場、もう一つがオートオークションでの落札相場、そして中古車販売での相場だ。
車の売却を考えている方が重要視すべきなのは中古車買取相場。これはネットで調べることもできる。ただ、あくまでも参考程度の概算価格だ。
リアルな買取相場を調べるためには実際に査定してもらうほかない。もちろん1社だけでは高いのか安いのか分からないので、複数の業者で査定し、比較することが大切だ。
この時、車一括査定サイトを利用するととても便利だ。一度の申し込みで複数業者に査定依頼できる。車一括査定なら業者同士の競争も起きるので、査定額がアップしやすいのも特徴だ。
査定依頼の目安は最低でも3社、できれば5社前後がいいだろう。