愛車の価値はどのようにして決まるのだろうか。この問いの答えを知るためには、車査定にはプラス査定とマイナス査定という二つの要因があることを覚えておくことが大切である。
査定士が車を査定する場合、基本的な評価額をもとにそこからプラス査定・マイナス査定を査定対象箇所ごとに行っていく。プラスの場合はポイントが加算され、マイナスの場合はポイントが減額になる。
つまりプラス査定が多くなればなるほど査定額はアップし、マイナス査定が多くなると、査定額は低くなってしまうのだ。
車査定の要因チェック | |||
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プラス要因 | マイナス要因 | ||
車検が残り3ヵ月以上残っている | 塗装や板金が必要 | ||
外装(ボディ)と内装が無傷 | ミラー交換 | ||
ABSが新しい | フロントガラス・その他のガラスの破損 | ||
電動サンルーフ | 内装の各部位の状態が悪い | ||
本革シート | エンジン・エンジンルームの状態が悪い | ||
アルミホイール | マフラーの破損 | ||
エンジン・足回りが良好 | ブレーキパッドの減り | ||
年間走行距離が1万キロ未満 | 電装部品(ワイパーやランプ、リモコンキーなど) の劣化や故障 |
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タイヤの残り溝が1.6mm以上 | エアコンの故障 | ||
事故歴・修復歴がない | タバコの臭い、内装のヤニ、シートの焦げ | ||
禁煙、子供なし、腐食等なし | 違法改造車・改造車 | ||
ワンオーナー | |||
シルバー・ホワイト・ブラック系 |
査定対象となるのは車種、年式、グレード、走行距離に加えて、外装の損傷具合、内装の状態、タイヤの摩耗度など多くの部分に分かれている。
項目ごとに査定していくことになるため、できれば項目ごとの査定がプラスになるよう愛車の価値を高められれば、高額査定が引き出せるということになるのだ。
ただし、気を配りすぎて査定前にキズ直しなどをすれば費用の方が高くつくので、そういった対策はしなくてもいい。本文では「査定前にやらなくていいこと」もまとめている。
車買取でプラス査定になる部分と項目
愛車を査定に出す場合、プラス査定とマイナス査定について把握しておくことが基本になるのだが、まずはプラス査定について知っておくことが大切である。
愛車の状態によって査定額が変わるのだから、プラス要因を引き出すためのコツを把握しておけば、できる範囲でコンディションを整えて査定に臨みたいと思うのではないだろうか。
査定士はいわゆるマニュアルに従ってプラスとマイナスを判断するわけだが、プラス要因となる要素には以下の点が含まれる。(参照:日本自動車査定協会「査定の方法」)
これらの要素に従ってプラス査定を出すのでまずは調べておきたいものである。
1.車検が残り3ヵ月以上残っている
車査定のプラス要因となるが車検の残存期間である。車検期間が長く残っていればいるほど買取査定価格はプラスになる。目安となる残存期間が3カ月というのは査定士の間での常識だ。
3カ月を切った車の査定額は一気に下落する。もし高値で愛車を売却したいと思っているのであれば、最低でも車検の3カ月前には査定を依頼するようにしてもらいたい。
3カ月を切った場合、車検に出したほうが良いのだろうか。マイナス要因にはなるが、その場合は車検ぎりぎりまで乗ってから査定に出すほうが良いだろう。
2.外装(ボディ)と内装が無傷
愛車の査定でプラス要因になるのがボディと内装のコンディションだ。査定の段階でボディに全くキズがない場合が最高の査定額になる。
つまりプラス要因というよりはマイナスがない状態でのスタートになる。そこから凹みやキズ一か所に付き減点を行う。一か所あたり5000円程度の減額と考えるとよいだろう。内装も同様である。
日焼けなどでダッシュボードのカラーが落ちてしまっている場合はマイナスになるが、新車時とほぼ変わらない状態なら、減額はほぼないと考えてよいだろう
3.ABSが新しい
愛車の安全装置もプラス査定に貢献する。その一つがABS(アンチロックブレーキシステム)だ。旧式のタイプにもABSは標準で装備されている場合が多いが、現行の車種と比較すると、動作が不安定になる場合がある。
そのため査定士は現行の安全装備と遜色がないかをチェックするのだ。トラクションコントロールなどの安全装備とセットされている場合はプラス査定になることも忘れないようにしたい。
逆にABS非装備車はマイナス査定になる。
4.電動サンルーフ
査定価格のプラス容易になるのが電動サンルーフである。電動サンルーフを装着しているとなぜ査定価格が上がるのだろうか。その理由はメーカーオプションだからだ。
メーカーオプションとは車の製造過程で装着する装備のことで、納車後は装備できないようになっている。つまり後からは追加できない装備になるため、希少価値が高くなるのである。
電動サンルーフは査定にマイナス要因となることはないので、リセールバリューを考えるのであれば、注文時に装備するとよいだろう。
5.本革シート
愛車のシートの素材が査定の際のプラス要因になるというのは知っているだろうか。シートは座れればよいのだから別にシートの素材はそれほどリセールバリューには関係ないと思っているとしたら大間違いだ。
シートは注文時しか選べないため、本革シートなどの高級素材を使用したシートを装着している自動車は高値で取引される場合が少なくないのだ。
モケットの場合、マイナス要因になることはないのだが、本革シートと比較すると買取価格が低くなることは覚えておこう。
6.ホイール
装着しているホイールによって査定に影響が出ることも覚えておくとよいだろう。
ホイールにはスチールホイールとアルミホイールがあるが、プラス査定になるのはアルミホイールだ。スチールホイールはどうしてもマイナス査定になってしまう。
なぜアルミホイールが高値査定になるのだろうか。その理由はアルミホイールがメーカーオプションもしくはディーラーオプションになるからだ。
注意したいのが社外品である。プラス査定になるのは純正品であり、社外品はマイナス査定になる場合がある。
7.エンジン・足回りが良好である
査定士が重視するのがエンジンと足回りの状態だ。走行距離が少なくてもエンジンや足回りがへたっている場合、マイナス査定になるので気を付けたい。
エンジンは定期的に乗っている人の車のほうが良好な状態に保たれている場合が多い。もしあまり乗る機会がないのであれば、エンジンや足回りを定期的に検査してもらうようにすることをお勧めしたい。
普段からメンテナンスを怠らなければ、プラス査定になるためこの分野で問題になることは少ないだろう。
8.走行キロ数が標準であること(1年1万キロが標準、年数によって減る)
走行距離と査定価格とは比例するといっても過言ではない。走行距離が10万キロを超える自動車は過走行車と呼ばれ査定にマイナス要因になる。
もしリセールバリューを期待して売却することを考えているのであれば、走行距離が少ないうちに売却することをお勧めしたい。
プラス査定になるのは年間走行距離が1万キロ未満であることだ。もし過走行になっているのであれば、乗りつぶすことも検討するとよいだろう。
9.タイヤの残り溝が1.6mm以上(スリップサイン)ある
タイヤの残り溝の状態も査定に影響が出る。タイヤの残り溝が少ない場合、中古車市場で流通させる前にタイヤを変える必要があるからだ。目安となるのがスリップサインである。
溝が1.6mm以下になると現れるサインだが、できればスリップサインが出る前に査定を済ませておきたいものだ。
スリップサインが出そうになるほど目減りしているとマイナス査定になるし、ある程度残り溝があるとプラス査定になるのだ。
10.事故歴・修復歴がない
査定時にマイナス査定になるのが事故歴や修復歴がある車だ。事故歴や修復歴は記録簿に記載されるため、中古車市場で流通する際にどうしても高く売ることができない。
消費者心理としては修復歴や事故歴がない車を買いたいと思うからだ。事故歴や修復歴は軽微な事故で記録されるわけではないので安心してほしい。
フレームなどに変形が生じた場合、これを修復する際に記録されるのである。もちろん事故歴がなければプラス査定になるので安全運転を心がけることが高値査定につながるのだ。
11.禁煙、子供の有無、腐食等
車の内装や外装などのコンディションは査定時のプラスマイナスに反映される。
例えば愛煙家が運転する車はニオイが取れないのでマイナス査定になるし、禁煙車であれば高値で買い取られる場合が多い。子どもを載せていたかどうかも査定に影響が出る。
どうしても室内が汚れてしまうからだ。ボディに錆などの腐食がみられる場合もマイナス査定になるので注意したい。高値査定を狙うなら、禁煙車であることが絶対条件だ。
12.ワンオーナー
中古車市場で高値取引されるのがワンオーナー車である。ワンオーナーとは初回登録時から名義が変わっていない車のことを指す。
複数のオーナーが所有した車は市場価値が下がるため、マイナス査定の要因になる。プラス査定を目指したいのであれば、新車を乗り続けるほうが得なのだ。
もちろん車種によっては複数オーナー車でも高値取引される場合があるのでワンオーナーが高額査定の絶対条件とは言えない場合もある。
13.人気のカラー(色)、シルバー・ホワイト・ブラック系
ボディカラーによってプラス査定、マイナス査定に分かれることがあるのは知っているだろうか。ボディカラーのうち、最も高値査定が付くのがブラック塗装である。
日ごろのメンテナンスが大変な分、査定時にはプラス査定になるのでリセールバリューの高値を狙うのであれば、間違いなくブラックをお勧めしたい。
ホワイト塗装はパール塗装の場合、高値査定が出る場合がある。シルバー塗装はプラス、マイナスどちらにもならないので安定している
マイナス査定になる部分(プラス査定以外のもの)
車の査定にはプラス要因となるものだけでなく、マイナス査定につながるものもある。査定のプラスマイナス要因を知っておくことで、愛車の価値をある程度推測できるのだ。
もちろん査定士が行う場合と比べると、概算でしか計算はできないものの、事前にある程度予測してどのくらいの値段で売れるかがわかるだけでも価値があるのではないだろうか。
マイナス査定になる部分は見た目で把握できるものと、念入りにチェックした段階でわかるものとに分かれる。外装や内装のダメージは見た目でわかるのだが、動力系や制動系などはプロの査定士でないとなかなか把握できない場合が多い。
それでもプロがどのような部分に注目してマイナス査定を出すのかを知っておくのは良いことだろう。
1.塗装や板金が必要
ボディの状態によってプラス査定になるものとマイナス査定になるものとに分かれる。マイナス査定になるのがヘコミや擦り傷だ。
特に板金や塗装が必要なほどの大きなダメージを受けている場合、確実にマイナス査定になってしまう。減額される度合いはダメージの大きさによって変わることを覚えておきたい。
もし複数個所にヘコミや擦り傷などがある場合、さらに減額されてしまうのだ。一か所あたり5000円~10000円のマイナス査定になると考えておけばよいだろう。
2.ミラー交換
電柱などに衝突してしまいミラーを破損させてしまう自損事故を起こしたことがあるかもしれない。この場合ミラーを交換することになるのだが、これがマイナス査定につながるのだ。
その理由は微妙な塗装の違いである。ミラーを交換するとどうしても新しい塗装と、ボディのこれまでの塗装とに差が生じてしまうのだ。
これを回避するには板金塗装をしてもらうという方法もある。塗装の違いが目立たないためプラス査定につながることもあるからだ。
3.フロントガラス・その他のガラス
フロントガラスの状態によって査定にプラスマイナスの影響を与えるので注意しておくとよいだろう。
よくあるのが飛び石によるフロントガラスの破損だ。ガラスが破損したままだと、そこからヒビが広がりガラスが蜘蛛の巣状になったり割れてしまったりすることもある。そのため減額査定になるのは確実なのだ。
フロントガラスのダメージはもとより、サイドや後方などのガラスの破損もマイナス査定になるので、最低限補修をしておくとよいだろう。
4.内装の各部位
内装の状態も査定の際にプラスマイナスを左右する要因となるので注意が必要だ。シートのへたりだけでなく破れがあると減額対象になる。
ダッシュボード周辺の日焼けによる塗装はげなどもマイナス査定になることを覚えておこう。メーター回りもチェックポイントだ。
プラスチックカバーの傷が目立っていると査定額が数千円減額される場合もある。天井の布張りにシミや汚れがある場合も減額対象になる。
シミ程度であればセルフで落とすこともできるので、汚れが見つかったら早い段階で綺麗にしておこう。
5.エンジン・エンジンルーム
エンジンは車の心臓に当たる大切な場所だ。それだけにエンジンのコンディションは査定時にプラスマイナスを左右する。
エンジンの載せ替えをした場合、査定額はかなり減額になるので気を付けてほしい。エンジンルーム内の状態にも注意を払うようにしよう。
エンジンルームが汚れていると車が大切に扱われてこなかったと判断され査定額が落ちてしまうからだ。その場合は事前に乾いた雑巾でエンジンルームをクリーニングしておくとよいだろう。
6.マフラー
マフラーのコンディションは車査定にプラスもしくはマイナス要因になる。例えばマフラーの状態がまずまずで触媒などに異常がなければ査定額が減額されることはまずないと考えてよいだろう。
時折発生するのが触媒の異常やマフラーの経年劣化による破損である。マフラーから異音がする場合、触媒などに異常が生じていることを示すサインだ。
このようなマイナスポイントを査定士は決して見逃さないので、必ず査定が減額される。だからと言って新しいマフラーを買うほどではないといえるだろう。
7.ブレーキ
制動系は素人が目視しても判断できないのが実情だろう。査定士がマイナス査定もしくはプラス査定をする判断基準になるのがブレーキパッドの減り具合とブレーキローターの摩耗度である。
ブレーキパッドが減っている場合、センサーが反応して異音がするようにできているのだが、これを放っておくとブレーキローターを傷つけてしまうため、査定額が大幅に減額される。
その理由は修理費が高額になるからだ。ブレーキパッドが摩耗していることがわかったら早めに交換しておくほうが望ましい。
8.電装部品(ワイパー、ランプ、ホーン、バッテリー、リモコンキーなど)
電装品の状態は査定士が念入りにチェックする項目である。ランプが切れていたりバッテリーが劣化していたりする場合、マイナス査定になるので注意が必要だ。
ランプが切れていることに気づいたら自分で交換するかカーショップで交換してもらうとよいだろう。数百円でプラス査定になるからだ。
リモコンキーやキーレスエントリーが故障している場合も減額対象になる。ほかにもワイパーブレードの劣化もチェックポイントになる。拭きムラがある場合は交換しておくとよいだろう。
9.エアコンが壊れている
査定時にプラス査定にはならないものの、マイナス査定になってしまうのがエアコンの故障である。
単なるガス不足であればガスを充てんすることでエアコンが回復するのだが、コンプレッサー系が故障している場合、修理にはかなりの費用が掛かるため、かなりの減額が生じる可能性があることを予期しておく必要がある。
エアコンを修理して査定に出すこともできるが、その場合、減額分と修理費用を比較してプラスになる場合にのみ実施するとよいだろう。
10.タバコの臭い、内装のヤニ、シートの焦げ
プラスマイナス査定を左右するのがタバコに関連したダメージだ。愛煙家からしてみれば社内のたばこのニオイは気にならないかもしれないが、タバコを吸わない人からすればたばこのニオイは悪臭と感じるのだ。
つまり車内のたばこのニオイやヤニは必ずマイナス査定につながってしまう。たばこによるシートの焼け焦げも同様である。
リセールバリューの高さを狙うのであれば、禁煙車にすることが必要になることを覚えておこう。
11.違法改造車・改造車
違法改造車は公道を走ることができないためサーキット走行が可能な場合を別にすれば、マイナス査定になるどころか買取してもらえないので要注意である。
改造車の場合、法的に認可されたものであれば、特定のユーザーに対する市場が確立されているためプラス査定になることもあるが、基本的に改造車は市場で高値では売れないため査定額が低くなってしまうのは否めない。
改造車を高く売りたいなら純正の状態に戻したほうが良いだろう。
査定前に修理しても損するだけ?やるべきことはたった『2つ』
愛車を査定に出す際にヘコミやキズがあるとマイナス査定になることを心配してしまうものだ。
経年劣化や過走行も同様であるが、キズなどは板金などに出してしまえばきれいになるので、そのほうがプラス査定になるのではと思うかもしれない。
ここで考えたいのが、プラス査定になるとしても、修理代が査定額を上回る可能性があるということだ。
プロの目線からすると、査定前に修理に出すというのは散財するだけで無意味であるといえるだろう。
やるべきことはたった2つだけだ。それは、
- 自己負担せずに修理ができる場合は修理をする
- 査定前に車を磨いておく
あとは査定士に査定をしてもらうだけなのだが、一括査定を利用して高値査定を狙うとよいだろう。
査定前にやらなくていいこと【まとめ】
愛車を綺麗にしてプラス査定を出したいという気持ちはわかるが、査定前にキズ直しやタイヤの交換などはやらなくてよい。なぜなら費用のほうが高くつくからだ。
何が不要なのかを把握しておけばマイナス査定になっても慌てないはずだ。
1.キズ直しはやらない、余計にキズが目立つ可能性も
よくあるケースだがプラス査定を狙ってタッチペンなどでキズ直しをしようとする人がいるが、これは全く無意味な行為でかえってマイナス査定になってしまうことを忘れないようにしてほしい。
査定士はタッチペンの補修後をいとも簡単に見分けることができる。もしキズなどが目立つ場合は、そのままにしておくようにしよう。そのほうがプラス査定になることもあるからである。
2.ボディコーティングも費用以上のプラス査定にはならない
いわゆるポリマー加工を施すことで、プラス査定になるのではと考えるかもしれない。
もちろんポリマー加工をすれば小傷が目立たなくなる分、マイナス査定になることはないのだが、査定上プラスにもマイナスにもならないことを覚えておこう。
ボディコーティング費用のほうが高くついてしまうので、査定前の愛車の手入れは水洗い洗車程度で十分だ。時間があればワックスがけをするくらいの気持ちで臨むとよいだろう。
3.タイヤの溝がない、交換しない
タイヤの残り溝が少ないとマイナス査定になるのは事実なのだが、プラス査定を狙ってタイヤ交換をするのは無意味だ。
なぜならタイヤ交換にかかる費用と、査定時の減点分を比較すると、タイヤ交換費用のほうが数万円も高くついてしまう可能性があるからだ。
交換しなくてもよい理由として、必要な場合は中古車業者が中古タイヤや在庫品などを装着して販売するので売買上ほとんど価格に影響がないからだ。
4.車検切れでも通さない
車検期限が近付いている場合、査定前に車検に出したほうが良いのだろうか。答えはNOである。その理由は車検に通す費用のほうがどうしても高くなってしまうからである。
査定士は車検の残存期間に応じてプラスもしくはマイナスの査定を出すが、残存期間が2年あったとしても査定にプラスになるのは数千円程度なのだ。
車検費用はそれよりも高くなるので、車検に通さずに売却したほうが良いだろう。
5.費用をかけて純正品に戻さない
愛車の査定額をプラスに持っていくために純正品に戻す方法があるのだが、改めて費用をかけてまで戻す必要はない。
なぜなら査定額よりも純正品の購入費用のほうが高くなる可能性が高いからだ。マイナス査定をできるだけ減らしたいのであれば、まずは社外品で査定を受けることをお勧めしたい。
査定額を見てからもう一度査定に出すという方法もあるので、まずは試してみるとよいだろう。
6.カーナビ、オーディオは純正品も社外品もさほど査定額は変わらない
プラス査定を引き出すためにカーナビなどの装備を純正品に戻す人がいるが、査定士が査定をする際、純正もしくは社外品かどうかはプラスにもマイナスにもならないことを知ってほしい。
オーディオやカーナビ関連商品はメーカーオプションでない限り査定額にほとんど影響は出ない。
つまり社外品を装着しているの場合でも、そのまま査定に出せばよいのである。
査定前にやるべきこと【まとめ】
愛車査定をプラスにするのにやるべきことはわずかしかない。それは査定前に洗車を済ませておくことと、純正の状態に戻すことだ。
これさえしておけばマイナス評価になる心配はないので安心してほしい。
1.洗車と車内清掃(整理整頓)
愛車を査定に出す前に洗車をするだけで査定額がプラスになるのはよく知られていることだ。査定士はまず外観である程度の査定額をイメージする。
車内の状態も要チェックポイントだ。綺麗に清掃が行き届いているなら、好印象を与えるため、プラス査定になる可能性が大である。
逆に査定前に洗車をしないと印象が悪くなり、マイナス査定につながるので要注意だ。
洗車は洗車機に通すよりも手洗いをお勧めする。可能なら車内に掃除機をかけておくとよいだろう。
2.純正部品に戻すために買う必要なし
プラス査定を引き出す際にできる方法の一つが純正の状態に戻すことである。
中古車市場では納車時の状態の車のほうが高く売れる傾向が高いため、できるだけ純正部品に戻すようにするとよいだろう。
純正でなければマイナス査定になる可能性もあるのだが、あえて純正部品を取り寄せてまで装着する必要はない。
あえて言うならば、ヤフオクなどで安く購入して取り付けることもできるだろう。
プラス査定になる箇所だけを事前に把握する
愛車の査定額をアップさせるためには、プラス査定になる要素を把握して査定に臨むことが大切だ。
マイナス査定のことを考えることもある程度は必要だが、マイナス査定のことばかり考えてしまい、余分な費用をかけてしまうとすれば、愛車を査定に出す意味がなくなってしまうからである。
プラス査定の判断材料になるのは、車の外装や内装のコンディションだが、極端に破損や劣化が見られない限り、それほど心配する必要はない。査定士がチェックするのは、仕入れた車が売れるかどうかを判断するだけなのだ。
純正品が手元にあれば、装着するのに半日、洗車や車内清掃は半日、合計でまる一日もあれば整備ができるはずだ。
あるいはガソリンスタンドで手洗い洗車と車内清掃を依頼するだけでも良いだろう。純正品を取り付けるのが難しい場合は、買取会社に純正品を渡す方法もある。
これなら費用はわずか2000円前後で済むからだ。洗車をするだけで査定額が数万円もアップすることさえあるので、十分な投資額といえるに違いない。
プラス査定の対策が済んだら一括査定で高額買取を狙う
少しでもプラス査定になる対策をしておくべきだが、やるべきことをすべて行ったあとは「どこで売れば高額買取してもらえるか」を考えなければならない。
車の売却方法は様々だが、「買取専門店」に依頼すれば、ディーラーの下取りなどよりも高い査定額を提示してくれる可能性は高い。
その時のポイントが、複数の買取店に競合させることだ。買取業者は車を仕入れなければ儲けを作ることはできない。数多くある業者のなかから自社を選んでもらうため、前のめりに交渉してくる。
最高額を出した業者はさらに金額を上乗せするしかなく、業者全体のなかで買取額の吊り上げが可能となるわけだ。
ただ、自分で1店1店買取業者を回って査定を依頼するのは、たいへんな手間と労力が必要だ。そこで役に立ってくれるのが「一括査定」というサービスだ。
まとめ
愛車を査定に出す場合、少しでも高く売りたいと誰もが願うはずだ。査定士もできるだけ顧客の希望に合わせるような査定を出したいと考えているので、過度に心配する必要はないといえるだろう。
査定前に行うべきなのは愛車の手入れである。洗車をすることと室内清掃の2点さえ抑えておけば、査定がマイナスになる心配はないのだ。
時間があればワックスがけをすることも可能ではあるが、そこまで念入りに手入れをしなくても査定にはそれほど影響が出るわけではない。
査定額を高く引きだしたい場合には、自動車の購入時の選択がかなりの要素を占めることを覚えておいていただきたい。
ボディカラーは好みが関係するが、高く売ることを考えて選択すると後になって得をすることになる。
日ごろのメンテナンスも大切だ。ボディに多少のダメージがあっても駆動系や足回りが好調なら高値査定につながるからだ。
もしやるべきことをすべて行ったなら、あとは一括査定を利用して最高値査定を引き出すようにしよう。そうすることで満足できる結果が導き出せるのである。