車を下取りする場合、古い車(下取り車)を売り、新しい車を買うことになる。
新車の購入価格はその額面を支払うのではなく、車の下取りによる「新車の値引き」が行われるのが一般的である。
当然ながら「下取り車の査定額・新車の値引き額」は高ければ高いほどユーザーにとってメリットが大きい。
たとえば、車買取専門店の査定で買取額が5万円だった車が、ディーラーの下取りで10万円になった場合、かなり得した気分になるはずだ。
しかし、下取り車の査定額(あるいは新車の値引き額)が一見高かったとしても、本当に得をしているかどうかわからないことがある。
注目すべきは、下取りの査定額と新車の値引き額の関係性だ。
ディーラー下取りでは、営業マンが状況によって「新車の値引き額を下げて、下取りの査定額を上げる」ことや「査定額を下げて、新車の値引き額を上げる」ことをする。
下取り交渉を有利に進めるためには
- 下取りの査定額を値引きの総額に含めて考えること
- 下取り車があるのを伝えずに見積もりを出してもらうこと
- 下取り車の正確な査定額を教えてもらうこと
ただし下取りを使う限りは
- 下取りは営業マンのサジ加減で決まる
- 査定額が安くなってしまう
新車をなるべく安く買いたいなら、下取りではなく買取で査定してもらうことだ。
相手が車を買うことだけを目的とする買取専門業者では、新車値引き等の帳尻合わせは起きないため、面倒な交渉もなしに高額査定を期待できる。
手続きスムーズ・トラブルなし・高価買取
3つの満足が手に入る売却方法 |
方法 |
手続きスムーズ |
トラブルなし |
高価買取 |
ディーラー下取り |
△ |
○ |
× |
店舗買取 |
△ |
○ |
△ |
車一括査定 |
〇 |
〇 |
〇 |
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値引き額を下げて下取り査定額を上げる
近年は新車ディーラーで下取りせずに買取店の方で古い車を売り、新しい車の方だけ新車ディーラーや中古車販売店などの店で購入するという買い替えスタイルが珍しくなくなってきている。
この買い替えスタイルが増えるとどうなるかというと、買取店を利用するユーザーが多くなることで、買取相場をユーザーが熟知しやすくなる。
そうなると新車ディーラーの査定額に不満が出る可能性が高くなる。というのも、新車ディーラーの査定相場は買取店の買取額の相場よりも低い傾向にあるからだ。
そのため、最近では下取りを利用する時にあらかじめ買取店で古い車の査定をしておき、その査定額を新車ディーラーの営業マンに伝えるユーザーが増えている。
こうすることで「買取店はこれだけの買取額を提示してくれた」と営業マンにプレッシャーをかけ、安い下取り額にされるのを避ける狙いだ。
しかし、営業マンはそこで「新車の値引き額を下げて、下取りの査定額を上げる」ことで難を逃れようとすることがある。
ユーザーの要望通り、買取額は上がっているわけだが、その裏でこっそりと値引き額の調整を行うのである。
下取り査定額を下げて値引き額を上げる
最近でこそ「中古車を高く売る」という発想が出てきているが、それでもまだまだ「中古車は安くしか売れない」と考えているユーザーも多いだろう。
実際、車両の状態が悪ければどんどん査定額を安くされるので、そう思うのも仕方のないことかもしれない。
そういったユーザーは下取りを利用する時に古い車の「買取額」よりも新しい車の「値引き額」の方を重視する傾向がある。
つまり、古い車の買取額を高くする交渉はそこそこで切り上げ、新しい車の値引き額を高くする交渉を積極的に行うということだ。
その場合、ディーラーは「買取額を下げて、値引き額を上げる」ことで難を逃れようとする。
これは「値引き額を下げて、買取額を上げる」のとは逆のケースで、ユーザーの要望通り、値引き額は上がっているが、その裏でこっそりと買取額の調整をするのだ。
中古車の買取額に最初から期待していないユーザーからしてみれば買取額がいつの間にか多少上下していても特に気にならないものだ。
しかし、新しい車を安く買いたいという熱意は強いので、値引き金額が上がれば取引の満足度は高まる。営業マンはそのユーザーの心理をたくみについてくるのだ。
数字は違うが最終値引き額(支払総額)は同じになる仕組み
車販売店の営業マンが「値引き額を下げて、買取額を上げる」ことや「買取額を下げて、値引き額を上げる」ことの何が問題かというと、それぞれの数字は確かに変わっているものの、最終値引き額(支払総額)はまったく変わっていない点だ。
たとえば、「値引き額を下げて、買取額を上げる」ケースでは新しい車の値引き額を5万円下げて、古い車の買取額を5万円上げるといったことをする。
この場合、見積もりの内訳の金額は変わるが、トータルではプラスマイナス0なので、ユーザーはまったく得をしていない。
それどころか車の値引き額を6万円下げて、古い車の買取額を5万円上げられた場合、ユーザーはトータルで1万円の損をすることになる(車販売店は1万円の得)。
車販売店はこのように新車の値引き額と下取り車の買取額をどのようにでも調整し、自社の利益につなげることができる。
車販売店は車さえ売れればノルマを達成できるので、値引き額や買取額が多少変わろうが困ることもない。
特に新車の値引き額は相場がつかみづらいだけにユーザーは提示された値引き金額が適正であるかどうかを判断できないという問題がある。そのため、値引き金額を操作するカラクリに騙されやすい。
下取り交渉を有利に進める方法
「値引き額を下げて、買取額を上げる」カラクリや「買取額を下げて、値引き額を上げる」カラクリは対策を講じることで、下取り交渉を有利に進められるようになる。
その方法とは次の3つだ。
ポイント① |
下取りの査定額は値引きの総額で考える |
ポイント② |
下取り車があることを伝えない |
ポイント③ |
下取り車の正確な査定額を教えてもらう |
下取りをするならこれら3つの方法は必ず実行する必要があるだろう。大切なのは車販売店の営業マンに「このユーザーは騙せそうにない」と思わせることである。
下取り交渉を有利に進めることができれば、少なくともユーザーが不当に損をすることはないはずだ。
【ポイント①】下取りの査定額は値引きの総額で考える
下取りの査定額は新車の値引き額に応じて高くもなれば低くもなる。そのため、下取りの査定額が多少高くなったり、低くなったりしようがそのたびに一々一喜一憂しないようにすることを意識しよう。
最初から下取りの査定額そのものは気にせず、値引きの総額(下取りの査定額+新車の値引き金額)で考えれば、営業マンが下取りの査定額と新車の値引き金額をどのように調整しようが関係なく金額が高いか低いかの判断ができる。
営業マンは高確率で「下取りの査定額を上げました」、「新車の値引き金額を上げました」といったようなことをアピールしてくるが、うのみにせず、話半分に聞いておくといいだろう。
【ポイント②】下取り車があることを伝えない
下取り車というのはいってみればユーザーが営業マンとの交渉時に切れるカードである。
それだけ重要な切り札を最初からさらけ出してしまうとそれ以上交渉する余地がなくなるので、下取り車があることはぎりぎりまで隠しておいた方がいい。
もし営業マンに下取り車のことを尋ねられたとしても「下取り車はない」、「あるけど下取りに出すか決めかねている」といったことを伝えればOKだ。
下取りなしで見積もりを出してもらい、限界まで新しい車の値引き金額を交渉し、「これ以上金額が上がらない」ところまできたら、はじめて下取り車があることを明かす。
こうすれば純粋な値引き金額を最初に引き出すことができるので、営業マンによる金額の操作を防げる。
【ポイント③】下取り車の正確な査定額を教えてもらう
下取り車の査定額は営業マンによって実際よりも高くされたり低くされたりするので、別途、正確な査定額を尋ねることで、純粋な金額がいくらなのかを知ることができる。
正確な査定額がわかったら、下取り車の相場と照らし合わせて納得できる金額かどうかを確かめるようにしよう。
下取り車の相場は自動車メーカーのサイト内にある参考価格シミュレーションで調べたり、直接買取店の査定を受けて確認することができる。
こういった客観的なデータがあれば、営業マンとしてもそうそう査定額を大幅に変えることができなくなる。
ただし、下取り車の正確な査定額を尋ねても正直に答えてもらえない可能性もある。その場合は相場を参考にし、下取り車の正確な査定額がいくらかを自分で予想するしかない。
下取りは営業マンのサジ加減
下取りでは様々な交渉テクニックを用いることができるが、それでも下取り査定額はある程度までしか上がらない。
結局、下取り査定額は営業マンのサジ加減に影響するところが大きく、どうしても金額は安くさせられてしまうのである。
なぜ下取りでは中古車を安く査定されるかというと、車販売店における中古車の流通のさせ方にその理由がある。
車販売店は下取りで買い取った車をオークションに出品する。そして他の販売店がその車を落札し、新たなユーザーに販売するという流れになる。
問題なのはオークションに出品する時に手数料を取られることだ。手数料を取られると販売店の利益が減ってしまうので、その分、下取り査定額を安くして調整している。
一方、車買取店の場合、オークションに出品せずに買い取った車を直接新しいユーザーに販売するという流通の仕方を採用している。
これによってその分、手数料が浮くので、査定額を上げることが可能になるわけだ。
高価買取を目指すなら『車一括査定サービス』も視野に入れておく
どうしても古い車を高く買い取ってほしければ、下取りを利用すること自体を考え直した方がいいだろう。
下取りよりも高価買取を期待できるのは車買取店での買取だが、特に一括査定は高価買取を目指すのに最適なサービスである。
一括査定は複数の車買取店に査定依頼ができるサービスで、依頼した中で一番査定額が高かった車買取店に買取を頼むことができる。
一括査定のいいところはそれだけではなく、査定依頼を出した車買取店同士が競合してくれる点にもある。
つまり、「あちらの店がその査定額ならうちはさらに~円プラスする」というように査定額を通常よりも高めてくれるのだ。
一台の車は一社にしか売れないので、こういったライバル店同士のかけひきが生まれる。
この一括査定は一括査定サイトで行える。一括査定サイトには色々あるが、大手企業が運営するサービスなら安心して高価買取を実現できるだろう。
車一括査定サービスは、たった一度きりの申し込みで、複数の買取店に査定依頼ができるネットサービスだ。
最大のメリットはこちらが何もせずとも査定額が吊り上げてくれるという点だ。
例えば、4社が競合した場合、各買取店は他の業者以上の買取額を提示しないと買取成立にはならない。よって業者間が自然に競合状態になるため、特に何もしなくても最低額がどんどん高くなるのだ。
- 確実に高価買取を実現させたい方
- 愛車のリアルな査定相場を知りたい方
- 時間と労力を費やしたくない方
- 交渉が面倒な方&苦手な方
このような方に欠かせないおすすめのサービスだ。
編集部おすすめ車一括査定『カーセンサー』
当サイト編集部が車一括査定サービスで最もおすすめしているのがリクルート社運営の「カーセンサー」。
なぜなら、ビッグモーターやアップル、カーセブンなどの大手買取店と提携し、買取業者数が1000社を超えているのはカーセンサーだけ。
同時査定依頼も30社と業界最多なので、最も査定額が高い業者を選ぶ幅が圧倒的に広がるのだ。
編集部所有の車を実際に査定したが、ディーラー下取りよりもなんと96万円も高い査定額が付いている。
他社の車一括査定もあるが、高価買取を目指すならカーセンサー以上のサービスは存在しない。編集部が太鼓判を押す一括査定サービスだ。
【2024年最新】車一括査定おすすめランキング《人気5社比較》
|
カーセンサー |
ユーカーパック |
ナビクル |
楽天Car車買取 |
ズバット |
運営会社 |
リクルート |
UcarPAC |
エイチーム |
楽天 |
ウェブクルー |
提携業者数 |
1,000社 |
5,000社 |
55社 |
2,000社 |
220社 |
同時査定依頼数 |
30社 |
? |
10社 |
? |
10社 |
業者選択 |
〇 |
× |
× |
× |
〇 |
入力の時間 |
約1分 |
約1分 |
約1分 |
約3分 |
約1分 |
利用料 |
無料 |
無料 |
無料 |
成約時
22,000円 |
無料 |
電話の多さ |
多い(メール可) |
1社のみ |
少ない(JADRI加盟) |
1社のみ |
多い |
上記の特徴と比較表を見ればある程度わかるが、これだけだとどのサービスを利用すべきか迷うはずだ。
そこで実際に当サイト編集部が車一括査定サービスを利用してみた。その結果も判断材料に加えたうえで、5つの一括査定サイトをランキング形式で紹介する。
1位:カーセンサー(※編集部一押し)
- 特徴1.同時査定依頼数30社は業界No.1
- 特徴2.競合会社が多いため高額査定率も圧倒的に高い
- 特徴3.電話営業は多いがメール&電話時間指定可能
前述したが、高価買取を狙うなら間違いなくカーセンサーがおすすめだ。提携業者は1,000社を超え、大手中古車買取業者はほぼ網羅している。また、同時に査定依頼できるのが30社で業界最多。
当然ながら競合する会社が多い分、高額査定が出やすい。人気や知名度だけでなく、当サイト編集部が実際に使用して成果も出ている。
現段階で車一括査定の中で最高のサービスだと自信をもっておすすめできる。迷ったらカーセンサーで間違いないだろう。
2位:ユーカーパック
- 特徴1.掲載買取業者は2,000社は圧倒的
- 特徴2.高額買取にも期待
- 特徴3.電話営業一切なし
- 特徴4.申し込みと同時に買取相場がわかる
オークション形式の車一括査定サイト「ユーカーパック」。掲載買取業者は1位のカーセンサーと比較すると約2倍の2,000社、当然ながら高額査定に期待できる。
大手買取店との提携はカーセンサーに劣るが、地域密着型の買取店との提携によって高額買取実績を増やしている。
本来、一括査定サービスは複数業者と売主本人が交渉するのが基本だ。しかし、ユーカーパックは売主の代わりにユーカーパックの担当者が交渉を全て代行してくれる。
編集部でも試したが、他のサービスとは比べものにならないぐらい手軽だった。交渉が苦手&面倒な方に最も適したサービスだ。
3位:ナビクル
- 特徴1.年間利用者数No.1
- 特徴2.わずか45秒で買取相場がわかる
- 特徴3.JADRIの審査を通過した優良業者のみ提携
中古車業界の流通を健全化を目的とした団代”JADRI”の審査に合格した業者しか提携しない「ナビクル(旧:かんたん車査定ガイド)」。
中古車業者を選定している分、業者数がそこまで多くないため、電話営業が少ないという特徴もある。年間利用者数が最も多く、その分高額買取実績も多数出ている信頼度No.1の一括査定サービスだ。
4位:楽天Car車買取(旧:楽天Carオークション)
- 特徴1.電話対応も査定も楽天1社のみ
- 特徴2.成約で楽天ポイントを獲得
楽天Car車買取(旧:楽天Carオークション)はオークション形式で、成約で楽天1,000ポイントがもらえる車査定サービス。
楽天Car車買取なら査定までの全ての工程を楽天の担当者が行うため、しつこい勧誘電話も一切なし。査定回数も1回のみ。
一括査定特有の営業電話が嫌な方、交渉が苦手な方でも勝手に査定額が吊り上がるのでおすすめだ。
5位:車査定比較(ズバット車買取)
- 特徴1.10年の実績と東証一部上場企業の安心感
- 特徴2.申込みと同時に買取相場がわかる
- 特徴3.査定業者を選定できる
車査定比較(ズバット車買取)は車買取業者として実績が長く、東証一部上場企業の運営という安心感があるサービスだ。
比べられる業者も多く、大手中古車買取業者との提携は7社と十分なスペックをもっている。また、運営実績が長いため、実績のある買取店との提携から高価買取にも期待できる。
申込みのフォームが利用者が迷わない簡易な仕組みになっていたり、申込みと同時に買取相場がわかるのも人気の理由だ。
【初心者向け】一括査定のデメリットをカバーした”ユーカーパック”
以上、編集部がおすすめする車一括査定を5つ紹介した。だが、肝心な一括査定のデメリットを解説していない。
一括査定サービスは中古車買取店同士が競合させるのが目的なので、必然的に買取店からの電話営業が多くなる。我先にと各社営業するために電話をかけてくるのは商売上仕方のないことである。
だが、利用者からしてもこの大量電話を懸念して利用を迷っている方も多い。しかし、高価買取を実現するなら一括査定サイト以上の方法は存在しない。
大量の電話を覚悟で、一括査定を利用しなくてはいけないが、一括査定サイトでもデメリットをほぼ解消したものが存在する。
それが「ユーカーパック」だ。
前述したが、ユーカーパックは担当者1名とのやりとりで査定から買取まで全てのやりとりが済むサービスだ。大量の営業電話は一切ない。
- 公式サイトから査定申込(概算の買取相場も表示)
- 担当者があなたの愛車を実地査定(出張査定可)
- 愛車を非公開オークションに出品し、2000社が競合
- 最高額を付けた業者を選んで車を売却する
あなたは何もしなくても、各買取業者の査定額をスマホから確認でき、競合する中古車買取店の相見積りをすべて同時に見ることが可能だ。
当サイト編集部でも実際に利用してみて、今までの一括査定サービスとは比較にならないほど手軽なサービスだと感じた。
ユーカーパックは、従来の一括査定サービスのデメリットである「交渉の手間」「一括査定後の大量の営業電話」を克服した上で高価買取が可能。よって初心者でも安心して利用できる非常に優れたサービスなのだ。
まとめ
下取り車の買取額と新車の値引き金額には大きな関係性がある。下取りを行う車販売店の営業マンは状況に合わせて値引き額を下げて買取額を上げたり、買取額を下げて値引き額を上げるといった手口をとるのだ。
買取額や値引き額が上がるとユーザーは得をした気分になる。
しかし、その分、もう一方の金額は下げられているので、最終値引き額(支払総額)は同じであり、ユーザーは得をしていないというカラクリだ。
下取り交渉を有利に進めるにはこの手口を防ぐ必要がある。
たとえば、下取りの査定額を値引きの総額で考えることや下取り車があるのを伝えずに見積もりを出してもらうこと、下取り車の正確な査定額を教えてもらうことなどがその方法としてあげられる。
ただし、それでも下取りは営業マンのサジ加減で決まるので、買取額が安くなるのは理解しておかなければならない。
特に車販売店は下取りで買い取った中古車をオークションに流通させるので、その出品手数料分、買取額を安くせざるをえないわけだ。
高価買取を目指すなら一括査定なども視野に入れておくといいだろう。一括査定で複数の車買取店を競合させれば、「あちらの店がその査定額ならうちはさらに~円プラスする」というようにどんどん買取額を高められる。