事故車・廃車を下取りに出そうが買取専門店に出そうがどちらも「車の買取」には違いないので、それほど差がないようなイメージを持つユーザーもいるかもしれない。

しかし、事故車・廃車の下取り価格と買取価格の査定の仕方は大きく異なるので、利用する時は必ずそれぞれの違いを意識し、選び分けるようにしよう。

そもそも事故車・廃車とは何かというと、事故車は事故歴(被害者・加害者関わらず)のある車のことで、廃車は抹消登録という手続きを行い、ナンバープレートが外された車のことを指す。

抹消手続きは車が経年、故障、事故など、何らかの事情によって著しく品質や性能が劣化した時に取られるため、事故車を廃車にするケースも往々にしてある。

ちなみに車のフレーム・ダッシュパネルなど、骨格部分が損傷し、その部分を修復した車は「修復歴車」と呼ばれる。ケースによっては「事故車」と言った時、この修復歴車のことを指すこともあるので、注意が必要だ。

ディーラー&中古車販売店の下取りでも買取専門店の買取でも著しく品質や性能が劣化した車は査定で不利になる。

そのため、事故車・廃車で下取り価格あるいは買取価格を高額にすることはどのような方法を用いても難しいのが現状だ。

事故車・廃車をディーラー&中古車販売店の下取りに出す場合と買取専門店に出す場合の一番の違いはディーラー&中古車販売店の下取りは下取りした事故車・廃車を売ろうとは考えないことに対し、買取専門店の買取は買取した事故車・廃車を売ろうと考えることだ。

事故車・廃車をディーラー&中古車販売店に出すと評価は低い

査定シート

ディーラー&中古車販売店は下取りした事故車・廃車をどこかで売ろうとはあまり考えないので、その分、事故車・廃車の査定評価は極端に低くなる。

もともと事故車・廃車が中古車市場で不利になることを考慮すれば、ますますその影響は大きくなると考えていいだろう。

しかし、それにも関わらず事故車・廃車をディーラー&中古車販売店に出した時に値がつくことがある。

これは一見、「事故車・廃車の評価をディーラー&中古車販売店が上げてくれた」ようでもあるが、実はそうでない可能性が高いことに注意しなければならない。

その裏を知らなければユーザーはディーラー&中古車販売店の交渉テクニックに騙されてしまうだろう。

事故車・廃車レベルの車なのにディーラーで価値が付く理由

ディーラー

買取専門店に事故車・廃車レベルの車を持っていった時は買取価格が0円と査定され、価値がつかなったが、同じ車をディーラーに持っていったところ、下取り価格が数万円と査定されて価値がつくということがある。

0円の査定額が数万円の査定額に変わるのはユーザーにとって非常に嬉しいことであり、そうなったからにはそのディーラーで下取りを行うのは決まったようなものだろう。

しかし、確かに下取り価格だけが高いのであればユーザーにとってメリットしかないが、車の下取りは下取り価格以外にも「新車値引き額」という要素がある。

これは買取専門店にはないものなので、買取専門店に慣れているユーザーは気づきにくいかもしれないが、車下取りでの支払総額に影響を与えるものなので、忘れないようにチェックしておこう。

基本的に事故車・廃車レベルの車の下取りに価値がついた時はこの「新車値引き額」が下げられている。

新車値引き額は本来、下取り価格とは何の関係もない項目のはずだが、ディーラーは自由にこれらの価格を操作できるので、そうと言われればユーザーはそのまま従うしかない。

これが事故車・廃車レベルの車なのにディーラーで価値が付く理由である。

車

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下取り額にプラスされていても値引き額が減っている

見積もり書

たとえばディーラーの営業マンが下取り額を10万円プラスしたとする。

そのまま下取りを行えばユーザーは10万円分得をすることになるが、その裏で新車値引き額の方が10万円マイナスされていたとしたら支払い総額は結局同じである。

もちろんこの場合、ユーザーは1円すら得をしていないことになる。

ちなみにこれとは逆に値引き額をプラスして下取り額をマイナスにするケースもある。このケースはユーザーが下取り額よりも値引き額の方を重視している時に多い。

いずれにせよ、ディーラーは下取りと新車販売を同じタイミングで行うので、取引交渉の中で下取り額と値引き額をあいまいにさせることができるわけだ。

基本的に営業マンがよくする印象操作の一つ

ディーラー

事故車・廃車レベルの車がディーラーで値がつくのはユーザーにとっては驚くことかもしれないが、実はディーラー側からすれば何もおかしいことではない。

実際のところ、どこのディーラーに事故車・廃車レベルの車を持っていったとしても同じ程度の値をつけてくれるはずだ。

もちろん下取り価格を上げた代わりに新車値引き額の方を同じだけ下げるというやり方も一緒である。

この価格操作は基本的に営業マンによる「お客の囲い込み」、「見積書の見た目をよくする印象操作」の一つということになる。

営業マンはプロなので、価格を操作することでユーザーがどのように感じるかを手に取るように把握している。

そのため、ユーザーが気持ちよく自社の下取りを選んでくれる上に自社は一切損をすることがないこの価格操作は営業マンにとって重宝するわけだ。

ちなみにこの営業マンのテクニックは事故車・廃車レベルの車でしか行わないというわけではない。他の車だとしてもユーザーの要望や車の状態に合わせて積極的にこの交渉術をしかけてくるので、油断は禁物だ。

ただし、事故車・廃車レベルの車は明らかに査定評価が低くなることがわかる分、経験の浅い営業マンでも価格操作をしやすい特徴がある。

事故車や廃車には値段がつかないか廃車費用がかかるのが一般的

スマホをさわる男性

ディーラーが事故車や廃車に値段をつけるのはあくまでも一例であり、最初から値段がつかなかったり、廃車費用がかかったりするのがむしろ一般的である。

というのも、査定士は事故車や廃車に対して商品価値を低く見積もるからだ。

事故車の場合、車体の損傷が酷くて乗れないケースと損傷部分を綺麗に直しているケースの2通りが考えられるが、前者は損傷が酷ければ酷いほど値段がつかず、廃車費用がかかる確率が高まる。

後者は値段がつく見込みが大きいが、普通の車と比べると半額以下になることは覚悟しなければならない。

廃車費用の相場だが、永久抹消登録なら引き取り、スクラップ、書類手続き込みで1万円~8万円程度、一時抹消登録なら引き取り、書類手続き込みで1万円~5万円程度となる。

査定士による事故による商品価値の減価

タブレットを使う男性

一般財団法人の日本自動車査定協会の公式ホームページでは「査定士による事故による商品価値の減価」についての記載がある。

■ 事故による商品価値の減価
交通事故等により車体の骨格に損傷が及んだ場合、
損傷の程度によりますが商品価値に減価額が発生する場合があります。
査定協会は減価額を「事故減価額証明書」として発行できます。

引用元:日本自動車査定協会「査定協会による査定」

ここでは交通事故で車体の骨格が損傷した場合、その損傷具合に応じて減価額が発生する可能性があることが述べられている。

日本自動車査定協会ではこの減価額が発生した場合、「事故減価額証明書」が発行される。

また同じく日本自動車査定協会や一般社団法人の日本中古自動車販売協会連合会の公式ホームページでは事故車(修復歴車)の該当基準を記載している。

それによれば災害が原因で、車体のフレーム(サイドメンバー)やクロスメンバー、ピラー(フロント、センター、リア)などの骨格部位を修正・交換した自動車が該当するとしている。

このように事故車や廃車の査定額は低くなることが各種自動車関連団体で規定されている他、そもそもディーラーは中古車の仕入れ・販売におけるノウハウをあまり持っていないという事情もある。

特に事故車や廃車は普通の車ではないので、よほどノウハウがないと仕入れても利益を出すことができない。そのため、事故車や廃車の下取り車を無料で引き取るだけでもディーラーからすれば精いっぱいなのだ。

事故車・廃車を買取専門店に出せば値がつくことがある

交渉

以上のことからディーラーや中古車販売店へ事故車・廃車を下取りに出そうとしていたユーザーはがっかりするかもしれないが、諦める必要はない。というのも、買取専門店の買取なら値がつくことがあるからだ。

車の売却先を選ばなければ、ユーザーが損をする可能性は低くなる。

特に事故車なら事故車買取専門店廃車なら廃車買取専門店を利用することで値がつく可能性をさらに高めることができる。

たとえば、事故車買取専門店なら「タウ」、廃車買取専門店なら「カーネクスト」があげられる。

また事故車・廃車ではなく過走行車・故障車であれば車一括査定を利用するといいだろう。

事故車買取専門店「タウ」とは?

お金の取引

「タウ」は事故車の高額買取に自信を持っている事故車買取専門店である。世界中に販売ネットワークを持っており、一般的には流通させにくい事故車を高く販売することができるので、高額買取を可能としている。

事故車買取専門店には不審な業者も多いが、このように「なぜ事故車を高く買取できるのか」についてしっかりと説明しているところであれば安心して利用できる。

なんと「タウ」の事故車買取台数は公式ホームページで発表しているところによれば、以下になっている。

  • 2014年度:68,800台
  • 2015年度:75,300台
  • 2016年度:81,000台
楽天リサーチでは2016年度までの事故車累計買取台数が53万台で、事故車買取業界シェアNO.1と認められている。

これだけの実績があれば上記の「高額買取できる理由」と相まって信頼できる。

「タウ」で事故車を売却する時の流れだが、最初に仮査定というものを行う。ここでは事故車の年式、損傷の度合いのヒアリングが行われ、その情報から仮査定金額が提示される。

その金額にユーザーが納得できたら無料出張査定を行う。無料出張査定では全国の車の保管先にスタッフが出張してくれる。実際に事故車を査定士が見ることで、正確な査定金額が提示される。

本査定の金額に納得できたら売買契約を結ぶ。売買契約書が発行され、名義変更の必要書類がユーザーの自宅に郵送されるので、それらに必要事項を書き込めばOKだ。

最後に事故車が引き取られ、買取代金が支払われる。引き取りの際は指定場所までトラックで運ばれる(レッカー代金は無料)。

買取代金の支払いは振込で行われ、それとともに名義変更手続きが完了したことも報告される。

「タウ」の公式ホームページには事故車を売る時に役立つ知識コンテンツも載っている。たとえば「事故車の処理方法ナビ」では事故車は修理する方がお得か、それとも売却する方がお得かの判断ポイントを教えてくれる。

廃車買取専門店「カーネクスト」とは?

契約成立

「カーネクスト」は初めて廃車手続きを行うユーザーでも安心して利用できる廃車買取専門店である。

ディーラーや中古車販売店に廃車買取を任せると費用面や手続きの面倒さが問題になってくるが、カーネクストはそれらの問題を解決している。

たとえば、カーネクストでは0円以上の廃車買取保証をしている。世界中に顧客を持っているため、マッチングさえすれば廃車でも値をつけられるとしている。

急な事故や不具合によって動かなくなった車でもカーネクストは全国まで引き取りに来てくれる。引き取りの際のレッカーや諸手続きの手数料はすべて無料で、追加費用も一切なしという安心がある。

カーネクストは国内に幅広いネットワークを持ち、なんと拠点は3,000カ所以上持っている。そのため、日本のどこから依頼するとしても電話一本ですぐに対応してくれる。

コールセンターには年中無休でスタッフが常駐している。公式ホームページではどのようなスタッフがいるのかがわかるように、顔と名前が公開されている。

スタッフは全員廃車買取に関する豊富な経験と知識を持っているので、依頼を申し込むだけでなく、悩みの相談や質問をすることもできる。

廃車買取の流れだが、まず電話かメールで相談、問い合わせ、依頼申込みを行う。早ければ5分以内で回答が来る。

依頼申込みが済んだら無料査定が行われ、車の車種、年式、状態が確認される。この時、車検証があると手続きがスムーズになる。

査定後に取引を成約したら引き取りの日程を決める。車の保管場所周辺の道路状況を伝え、引き取り方法が決まれば、当日に引き取りが行われる。引き取りはユーザーが立ち合えなくても可能である。

最後に必要書類を記入し、廃車の抹消手続きが済めば、ユーザー指定の口座に買取代金が振り込まれる。任意保険の解約や自動車税の還付手続きに関してはユーザー自身が行わなければならないので、そこだけ注意しよう。

過走行車・故障車の場合は「車一括査定」を利用

パソコンを見る男性

過走行車・故障車は事故車や廃車というわけではないので、事故車買取専門店や廃車買取専門店を利用しなくても値がつく見込みが大きい(そもそも専門店なので、事故車買取専門店や廃車買取専門店では対応してくれない)。

そうなると車一括査定を利用するのが一番だが、そもそも車一括査定とは何かというと、複数の車買取店に同時に依頼申込みができるサービスのことだ。

複数の車買取店をユーザー自身が個別に依頼していくのは非常に手間がかかるので、複数の車買取店を利用する場合はほぼ必須といっていいサービスである。

また車一括査定を利用すると車買取店の間で査定金額の競合が行われる。ユーザーの車を買取できるのは一社だけなので、「ぜひ自社に売ってほしい!」と売り込みをかけるのだ。

この作用を利用すれば、過走行車・故障車という査定金額が低く見積もられやすい車だとしても、高額買取が望める。

車一括査定はそのサービスを提供しているホームページで利用することができる。車一括査定ホームページは色々あるので、自分に合ったものを探そう。

ただし、ホームページによっては10社近くに一括査定依頼ができるところもあるが、実際に10社依頼すると対応が面倒になるので、依頼するとしても5社以内程度に抑えておくといいだろう。
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事故車・廃車にもきちんと価値はある

good-job

事故車・廃車は普通のディーラーや中古車販売店、買取店などに持っていくと値がつかないことが多いので、「そもそも価値がないのではないか?」と思いがちだ。

しかし、実は事故車・廃車にもきちんと価値はあるのだ。問題はその価値を業者が活かせるかどうかで、普通のディーラーや中古車販売店、買取店などでは活かせないことの方が多いというわけだ。

では事故車・廃車にはどのような価値があるかという話だが、「車の鉄スクラップとしての価値」、「海外に輸出して部品取りとしての価値」といったものがあげられる。

これらの価値を活かせる業者であれば事故車・廃車でも値がつくのは何もおかしい話ではない。

車の鉄スクラップとしての価値

スクラップされた車

車を解体すると鉄スクラップが出てくる。鉄スクラップは製造業で活発に用いられる素材だ。そのため、車の状態では価値がなくても、解体して鉄スクラップにすれば価値が出るようになるのだ。

車は様々な部品が組み合わさってできているが、車の重さの半分程度は鉄でできている。そのため、車1台を解体した時に得られる鉄スクラップはそれなりの量になるのだ。

鉄スクラップの価格相場は常に変動している。当然ながら1kgあたりの価格が高い時期の方が鉄スクラップを売るメリットが大きい。

鉄スクラップの価格相場は一般社団法人の「日本鉄リサイクル工業会」が以下のように随時報告しているので、参考にするといいだろう。

日本鉄リサイクル工業会(出典:日本鉄リサイクル工業会「マーケット情報」)

海外に輸出して部品取りとしての価値

メンテナンス

車を解体すると鉄スクラップになる前にまず部品が個別に分解されることになる。その部品を個別に販売することでも事故車・廃車から利益を生むことができる。

車の個別部品は「中古部品・パーツ」といった名前で市場に出されることが多い。

しかし、日本では「中古」が嫌われる傾向にあるので、中古部品・パーツはあまり価値がない。一方、海外はリサイクル技術が高く、中古部品・パーツのニーズも大きいので、日本から積極的に輸出されている。

日本でも近年は中古部品・パーツへの注目度が上がっているが、まだまだ海外と比べるとその勢いは劣るのが現状だ。

ただし、もちろん海外へ輸出しなければ価値が出にくいことから、海外への流通経路を持っている業者でなければ部品取り目的で事故車・廃車を高く評価できない。

ディーラー・中古車販売店の「色を付ける」という営業文句

ディーラー

ディーラー・中古車販売店の営業マンは「色を付ける」という営業文句を使うことがある。つまり、特別に下取り額を上げて(色を付けて)ユーザーが自社で下取りをしてくれるように誘うのである。

本当に特別に下取り額を上げてくれるのであればいいが、前述した通り、その分、購入する車の値引き額が下がっている場合は騙されることになるので、注意深く営業マンと交渉しなければならない。

営業マンの営業文句に騙されないためには車の下取りを即決しないことが重要だ。即決してしまうと取引が納得できるものかどうか判断できないので、リスクが高い。

まとめ

待ち合わせ

事故車・廃車はディーラー&中古車販売店では下取り価格がかなり低く評価される。

これはディーラー&中古車販売店は下取りした事故車・廃車を売ろうという気がなく、ただ新しい車を買ってもらいたいがために仕方なく下取りしているからだ。

ケースによってはディーラー&中古車販売店で事故車・廃車に値がつくこともあるが、多くの場合、その値の分、新しい車の値引き額が減っている。

これだと支払総額は同じなので、ユーザーは得しない。これは営業マンによる「お客の囲い込み」、「見積書の印象操作」でしかないのだ。

本当に事故車・廃車に値をつけてもらいたければ買取専門店に出すのが一番だ。事故車なら「タウ」という専門店、廃車なら「カーネクスト」という専門店を利用するのがいいだろう。

また過走行車・故障車の場合は「車一括査定」で売るのがいい。車一括査定なら同時依頼した買取店が競合することで買取価格を高め合わせられる。

実は事故車・廃車は鉄スクラップや部品に解体すれば値がつく。部品の場合は海外へ輸出する必要があるが、これらのノウハウがある業者なら事故車・廃車を高く買い取ることも可能だ。

そのため、ディーラー・中古車販売店の営業マンの「色を付ける」という営業文句に騙されてしまうよりは、そういった業者に事故車・廃車を持っていく方がいい。