- ガリバーのクレームガード保証の仕組み
- クレームガード保証の必要性について
車買取で起こりやすいトラブルの1つが、契約後の減額だ。このトラブルは大手業者だけではなく、中小の業者でも起こりうるものだと言っていい。
そんな契約後の減額に対して、一部の車買取業者では保証をつけている。クレームガード保証というものだが、その内容はどういうものだろうか。
ここではクレームガード保証に加入する意味なども含めて解説していきたい。さらに保証に入る必要があるのかどうかも含めて、解説をしていこう。
ガリバーのクレームガード保証は車売却後の賠償請求を防ぐもの
クレームガード保証とは、大手車買取業者であるガリバーが始めたサービスである。内容をまとめてみよう。
- あらかじめ保証料を支払う
- 車両引き渡し後に不具合が見つかっても減額されない
この2点が主なポイントになる。そもそも車買取では査定を行うのだが、この時には詳しいチェックをすることができない。修理をした経歴などは、主に売主に対する聞き取りによるものとなる。
そのためその場ではわからない不具合もあるのだ。もちろん買取をした車は、ガリバーで整備点検を行ってから再販されることになる。
この時になって初めて不具合がわかるケースが多い。だからこそ契約後に減額されるという事態が起こるのである。クレームガード保証では、減額が免除される形だ。
ビッグモーターも契約後の減額を防ぐ”クレーム安心保証”あり
クレームガード保証だが、ガリバー以外にも取り扱っている業者がある。それはビッグモーターだ。ビッグモーターの行っているクレームガード保証も、内容としてはほぼ同じものだと考えていい。
先にも伝えたように、修理や事故の履歴というのは、基本的に売主に対しての聞き取りがメインとなるものだ。
そこで本当は修理をしていたのに、査定額を減らしたくないなどの理由から嘘をつく売主もいる。結果として査定時にはわからなくても、整備点検をしている時に不具合が判明するという形だ。
ただ虚偽の申告をしていたかどうかは判断がつかないものである。真実を述べていても、知らないところで不具合が起きている可能性もあるのだ。そうしたリスクを軽減できるのが、クレームガード保証になる。
一目でわかる!ガリバー&ビッグモーターの保証内容と金額
ではガリバーとビッグモーターが行っている、クレームガード保証ではどの程度の保証金がかかるのか。また保証の内容についても確認していきたい。
保証に入るとしても、保証金額が高すぎれば意味がないだろう。そのため保証内容と金額の確認は必須だと言える。
【ガリバー】クレームガード保証の内容と保証金額一覧
車の売買金額 | 国産車 | 輸入車 | 保証金額 |
---|---|---|---|
0~10万円 | 4,900円 | 4,900円 | 最大100万円 |
10~20万円 | 5,900円 | 6,900円 | |
20~30万円 | 6,900円 | 7,900円 | |
30~40万円 | 7,900円 | 9,900円 | |
40~50万円 | 8,900円 | 11,900円 | |
50~100万円 | 9,900円 | 14,900円 | |
100~150万円 | 11,900円 | 17,900円 | |
150~200万円 | 13,900円 | 20,900円 | |
200~250万円 | 15,900円 | 23,900円 | |
250~300万円 | 18,900円 | 26,900円 | |
300万円以上 | 21,900円 | 29,900円 |
【ビッグモーター】クレーム安心保証の内容と保証金額一覧
車種 | 保証料 | 保証金額 |
---|---|---|
軽自動車 | 1万円 | 最大100万円 |
普通車(買取額100万未満) | 1万円 | |
普通車(買取額100万以上) | 2万円 | |
輸入車 | 3万円 |
クレームガード保証は必要ナシ!査定後にわかる欠陥は店側の責任
そもそもの話だが、なぜ査定後にわかる不具合や欠陥について売主側に責任が発生するのだろうか。
店側にも責任があるのなら、クレームガード保証は必要ないと考えても当然だ。この疑問について店側としては瑕疵担保責任を持ち出してくる。
瑕疵担保責任とは民法に定められているもので、売買の目的物に隠れた不具合や欠陥があった時には、損害賠償の請求ができるとするものだ。
ただ先にも述べたが、自分が知らないことに対してもリスクを負う必要があるのなら、売主側ばかりが負担が多くなってしまう。
そこで行政機関では瑕疵担保責任に対して、車買取業者はプロであるのだから、不具合や欠陥が発見できないのは業務上の過失であるとしているのだ。
また消費者契約法というものがあり、この法律では消費者の利益が守られない契約は無効としている。
つまりクレームガード保証の意味がそもそもないとも言えるのだ。
売主は注意!査定時に故障を隠すと瑕疵担保責任に問われる
クレームガード保証で注意したいことが1つある。
それは査定時にあえて故障を隠していることだ。この場合は虚偽の申告をしたとなって、瑕疵担保責任を問われても仕方がない。
確かに査定額を考えると虚偽申告をするという考えになるのもわかる。
だが査定の時には隠すことができても、整備点検の時にかなり高い確率で欠陥や不具合はバレてしまう。
ただ虚偽の申告や欠陥を故意に隠したかどうかの立証は難しいが、この場合の責任は売主にあると考えておくべきだ。
ただ1つ覚えておきたいのは、中古車市場では修復歴があるというのは、フレームを損傷した車を指すことである。
事故歴(修復歴)が把握できない場合はクレームガード保証に入ろう
最後にクレームガード保証に加入した方がいいケースを考える。
- 中古車を購入した場合
- 家族や友人、知人から譲ってもらった場合
つまり新車で購入した車以外を売る時は、クレームガード保証に入っておいた方が無難だと言えるのだ。なぜ新車以外の車だとクレームガード保証に加入すべきなのかは以下の通りである。
- 事故をした事実が知らされていない可能性がある
- 業者や前オーナーがメーター改ざんしている可能性がある
- 前オーナーが虚をついている可能性がある
これらが主な理由になる。つまり自分としては査定時に正直に申告をしたとしても、前オーナーや販売業者が不正を行っていたら、意味がないのである。
車買取業者からすれば誰が騙したのかは重要ではなく、現在の結果が聞いたことが違うのが事実だからである。そのため上述のケースでは、クレームガード保証に加入すべきなのだ。
まとめ
ガリバーやビッグモーターが行っている、クレームガード保証についての情報をまとめてみた。保証の内容は以下の通りになる。
- 売買契約後に不具合があっても減額請求をしない
- 保証に加入するには、定められた保証料を支払う
実は車買取では売買契約後の減額は、ありがちなトラブルだ。このトラブルを未然に防ぐことができるのが、クレームガード保証になる。
ただ法的な扱いとしては売主側だけに責任があるのではないため、新車で購入した場合などは加入する意味が薄いだろう。