業者のサービスを利用して不要となった車を売却する場合、事前に必要なものを用意しておく必要がある。様々な書類が必要となるがその中でも特に重要なのが委任状であり、正式に契約を締結するためには必要不可欠となる。
車売却時に必要不可欠な委任状には正しい書き方があり、いくつか注意点も存在するため事前に理解しておくことが重要だ。
なるべく早めに用意しておいた方が焦らずに済むため、書き方や注意点についてチェックすると良い。
車の名義変更には『委任状』が必要不可欠
車売却の契約は本来であれば所有する本人が行う必要があるが、何かしらの事情により業者と直接相談できない場合もある。
そのような場合に必要となるのが委任状で、本人が指定した代理人に権限を委任させて契約することができる。
また車売却で中古車買取店やディーラーなどと契約する場合、それらの業者が利用客の代わりに法的な手続きをするために必要な書類となる。売却のためには、以下のような手続きが必要となる。
- 一時抹消
- 名義変更
車の名義変更であれば個人で可能となる場合もあるが、委任状には手続きを代行したもらう旨が書かれている。
車売却時に必要となる『委任状』の書き方~完全ガイド~
書き方① | 受任者の氏名と住所 |
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書き方② | 申請手続きの種類 |
書き方③ | 売却する車体番号、もしくは登録番号 |
書き方④ | 委任者の氏名と住所(あなた) |
書き方⑤ | 実印を押す |
注意点は存在するが、委任状には決まったフォーマットが存在しない。車の売却のために必要となる以下の情報があれば、基本的に有効な書類として認められる。
- 代行を依頼する委任者の氏名と住所
- 手続きを代行する受任者の氏名と住所
- 手続きの種類
- 契約の対象となる車の登録番号または車台番号
パソコンやスマートフォンのアプリで書類を作成できる人は、チェックしやすいフォーマットを考えて自作しても良い。受任者の氏名と住所は業者のスタッフが記入するため、書類を用意するときに自分で記入しておく必要はない。
手続きの種類の選択にも注意が必要で、以下のようなものがある。
- 移転登録
- 変更登録
- 抹消登録
車を売却するのであれば、移転登録と記入する必要がある。
譲渡証明書と委任状は買取店が用意!ネットでダウンロード可
内容に不備がなければ自作しても問題ないが、面倒であればダウンロードしたものを使用しても良い。
利用する前に買取店の公式ホームページをチェックすると、譲渡証明書と委任状をダウンロードできるページが表示されている場合もある。
そもそも譲渡証明書と委任状は買取店に用意してもらえるため、それの方が自作よりも不備などのトラブルがないだろう。個人同士の契約のために用意する場合は、国土交通省公式ホームページからダウンロードすると良い。
白紙の委任状に実印を押すが心配する必要ない
業者から説明を受ける際、白紙の委任状に実印を押すように言われることもある。白紙なのに実印を押すことに不安を感じる人もいるかもしれないが、これは名義変更に必要な書類を行政書士に任せている業者があるためだ。
車買取のサービスを行う業者は査定のプロではあるものの、書類作成のプロというわけではない。
そのため利用者から実印のみをもらい、後は書類作成のプロである行政書士に任せることが一般的であるため心配する必要はない。
自動車を売却するのに委任状の欄外に捨印は”必要”
委任状をチェックして訂正箇所が見つかった場合、自分に確認せず訂正しても良いという意味で捨印が必要となる。本来であれば委任者の実印で訂正印を押さなければならないが、捨印があれば訂正印を押す必要がなくなるのだ。
欄外に押す捨印には、以下のような事情がある。
- 正印が不要となるため代理人でもある程度の訂正ができ手間が省ける
- 自分の許可がなく勝手に訂正されるということで嫌がる人もいる
- 内容に不備がなければ正式書類として成立するため不要とするところもある
- 委任状のみでは効力がない
委任状以外に必要な車売却時の書類【一覧表】
以下に挙げる書類も車売却のために必要となるため、セットにして覚えることをおすすめする。
売却する車が軽自動車の場合、実印と印鑑証明書は不要となる。シャチハタや三文判の使用を許可しない自治体もあるため、必ず実印を用意すべきだ。
入手できるタイミングや場所も、書類ごとに異なる。
- 印鑑証明書は市区町村の役所で入手
- 自動車検査証と自賠責保険証とリサイクル券は購入時に入手
- 自動車納税証明書は毎年5月までに支払いを済ませることで入手
- 譲渡証明書は委任状と同じく買取側が用意する
委任状とセットにして、内容に不備がないこともチェックしておくと良い。
軽自動車の名義変更に必要なのは委任状ではなく『申請依頼書』
車買取の対象が軽自動車であれば委任状の代わりに申請依頼書が必要で、委任状まで提出すると二度手間となるため注意が必要だ。
軽自動車用の委任状を申請依頼書と言い、記載事項など内容に関してはほとんど同じである。申請依頼書に関して何か不安なことがあれば、軽自動車検査協会に相談すると良い。
所有していた者が売却の手続きする場合は新所有者に関する記載と捺印、新所有者が手続きする場合は旧所有者の記載と捺印が必要となる。
第三者による代行の場合は、両方の記載と捺印が必要である。ただし軽自動車の申請依頼書に関しても業者によって用意してもらえる場合もあるため、サービスの利用者は内容に不備がないように注意していれば良いだろう。
まとめ
車の売却に必要となる委任状は自分で用意する場合でも業者のものを使用する場合でも、必ず内容をチェックすることだ。
どこかに不備があると契約が進まず、最初からやり直しを要求されることもあるため提出前の自己チェックが必要だ。
その他にもセットにしておく書類があるため、事前に用意して同じように不備がないかチェックすると良い。フォーマットよりも内容が重要となるが、ダウンロードしたものを使用するなどの工夫も重要となる。