国産ディーラーに輸入車やスポーツカーを下取りに出しても総じて下取り価格は低くなるものだ。国産車より高額な輸入車だからといって、下取り価格も高額になるわけではない。

なぜ輸入車やスポーツカーのリセールバリューが低いかというと、ひとえに需要と供給のバランスに原因がある。

それを欲する人が多い物ほど高く売れ、どんな高級品でも買い手がいなければそもそも値段が付かないのは車に限らずすべての商品に当てはまることだ。

また、消費者は新しい物が好きだ。輸入車もそれが新車であれば欲しがる人はたくさんいるが、中古車になった途端に買い手の数は極端に少なくなる実際、中古車は決して購入しないという人も常に一定数存在するほどだ。

さらに、国産車ではなく、あえて輸入車やスポーツカーを買いたいと思う人は、車を自身のステータスシンボルと考えていることが多い。そのため、中古車ではそもそもその用を成さないのである。

買い手が少なければ国産ディーラーにとっても、輸入車やスポーツカーは良い商品にはならない。

そのため下取り価格が低くなる傾向にあるのだが、安く買い取らざるを得ない理由をさらに詳しく見ていこう。

国産ディーラーが輸入車(外車)やスポーツカーを嫌う理由

ディーラー

国産ディーラーが輸入車(外車)やスポーツカーを嫌うのはいくつかの理由がある。その理由は以下だ。

  1. 販売経路の確保が難しい
  2. 相場変動が激しい
  3. 高額査定をする理由がない
  4. そもそも需要が少ない

それぞれの理由について詳しく解説していこう。

1.販売経路の確保が難しい

チャート

国産ディーラーは、「国産」というぐらいだから国産車のみを扱っている。

したがって、輸入車やスポーツカーは守備範囲外なのだ。ディーラーのスタッフが個人的に高く評価したとしても、そもそもの販売経路を持っていない。

また、国産車に比べて輸入車やスポーツカーの流通量は圧倒的に少ない。つまり、下取りしたところで買い手を見つけることが困難であることから、なるべく引き取りたくないと思う車なのである。

国産ディーラーが得意なのは自分のところのメーカー車だ。中古車販売店にも系列店が多数あるので高く下取りしてもそこそこの利益が出せる。

しかし、輸入車やスポーツカーだとそれも不可能だ。そういうわけで下取り価格が相場以上に低くなってしまうのである。

2.相場変動が激しい

グラフとデータ

輸入車やスポーツカーは国産車より新車の販売価格が高い傾向にある。

しかし、発売からしばらく経つと一気に市場価値が落ちることがある。その理由は、輸入車は国産車と比べて故障しやすいと考えられるからだ。

それに対して新車の国産車なら、価格もお手ごろで故障の心配もほとんどない。となると、どちらに人気が出るかは明白だ。

発売からしばらく経った輸入車を購入するぐらいなら、お手ごろ価格の国産車を新車で購入する方が得だと考える人の方が多いのも仕方ない。

輸入車をその時の相場に従って下取りしても、次の瞬間には価格が急落するかもしれないというリスクを抱えることになるため、国産ディーラーは輸入車を下取りたくないのである。

3.高額査定をする理由がない

電卓

中古車買取専門店とは、買い取った車を再販することによって成り立っている業者である。ライバル店に車を取られるぐらいなら、多少値を上げてもよいという思いがある。

それに対し、国産ディーラーは自身のメーカーの新車を販売することが本業だ。中古車の下取りはそもそも国産ディーラーの仕事ではないのである。

自社で新車を買ってくれる客が何より大切であるから、よそのメーカーの中古車を売りに来る人のことなど重要視していない。

「おまえのとこで新車を買うから今乗っている車を下取りしてくれ」というのであればディーラーもできるだけのことをしてくれるだろう。そうでなければ、売るのが苦手な中古車をわざわざ高額買取する意味がないのである。

4.そもそも需要が少ない

ディーラー

動かしがたい事実なのでどうにも仕方のないことだが、日本で需要があるのは圧倒的に国産車である。輸入車の需要などそれに比べれば微々たるものでしかない。

いつでも需要がある国産車なら、多少高く下取りしたところで買い手を見つけることができるが、そもそも需要が少ない輸入車の場合、いくらで下取りしたとしても買い手を見つけることができないというリスクがある。

スポーツカーも同様だ。一般に需要があるのはリーズナブルなファミリーカーである。

1台当たりの儲けはスポーツカーの方が大きくなるとしても、そもそもの買い手がいなければ無理して高額で下取りする理由がない。

【例外】市場に流通している人気の車は下取りに期待できる

ビジネスマン グラフ

結局、どんなに新車価格が高い車であっても、それを買いたいという人が存在しなければ、国産ディーラーに限らず高額で下取りする必要がない。売れる見込みがなければ買い取る意味がないのだ。

そもそも国産ディーラーの客層は国産車の購入を検討している人たちであるから、ディーラー系列の中古車販売店の客層も同じように安価で故障の少ない国産車を欲している人ということになる。

したがって、いくら状態の良い輸入車があったとしても、同じ値段を出すぐらいなら国産車を買おうと敬遠されるのである。

逆に考えると、その車がどこの国の生産であろうと、需要がある車なら国産ディーラーも欲しいと思うわけだ。そういう例外がフォルクスワーゲンのゴルフである。

ゴルフは輸入車とはいえ国内でも非常に人気の高い車で、実際、販売台数もそれ以外の輸入車と比べて圧倒的に多い。人気があるので中古車でも欲しいという人がたくさんいる。

ほかにベンツやBMWなども人気だが、日本の道路事情ではあまり大きな車は好まれない。運転や駐車が容易なグレードであれば、国産ディーラーでも下取りに期待できるものはある。

国産の新車価格=輸入車の中古価格

タブレットを使う男性

輸入車の新車価格は国産車よりも総じて高い。本国ではリーズナブルな車として知られている車でも、日本に輸入して販売する際に数十万円は高くなると思ってよい。

輸入車を日本で売るには日本の車検に通す必要があるので、仕様の変更にコストがかかる。また、日本製のナビを装備するのにもコストが必要だし、輸送費もかなりのものになるだろう。

これだけコストをかけても日本で売れる台数はそれほど多くない。日本人は国産車を好む傾向があるからだ。となると、輸入車メーカーが利益を出すには1台当たりの単価を上げるしかない。

その結果、輸入車の中古価格が国産車の新車価格と同等かそれ以上になってしまうわけである。

故障の多い輸入車より新車の安全性を選ぶのが日本人

ディーラー

輸入車は高いわりに故障が多く、安全性が心もとない。それならリーズナブルで、かつ、安全性を極めた国産車を選びたい。こう考える日本人は実に多い。

別に輸入車が安全性を考慮せずに製造されているわけではないが、実際、「輸入車=故障が多い」というイメージを持つ人は多いだろう。

国産車であれ輸入車であれ、安全性を重視して製造されていることに変わりはない。しかし、日本と外国では環境や車に対する考え方に違いがある。それが故障しやすさとなって表れるのだ。

たとえば、輸入車の故障でよくあるのが、オイルの漏れ、ゴム製部品の劣化、内装のクロスの剥がれなどだが、これは耐久性よりも環境へ配慮して材料が選ばれているからである。

また、日本と外国では環境や道路事情が大きく異なる。欧米では高速で長距離を運転するのが日常であっても、日本の道路では常に渋滞などでのろのろ運転になってしまう。

高速でかっ飛ばしているうちはいいが、高温多湿の気候でののろのろ運転ではエンジンの内部に熱がこもって電装系が簡単にやられてしまうのだ。

こういう事情から、日本人は日本の環境に適した安全性の高い国産新車を選ぶ傾向にあるのだ。

輸入車(外車)は買取専門店を利用すると高額査定になることも

交渉中

輸入車は需要が少ないため、国産ディーラーでは望むような高額査定は期待できない。

では、一般の中古車買取専門店はどうかというと、国産ディーラーよりは可能性はあるが、やはり需要の少なさがネックとなり、容易に高額査定を得ることは難しいだろう。

そういう場合に利用してもらいたいのが、輸入車買取専門店だ。輸入車に特化した専門店であれば、最初から輸入車をターゲットに買取を行っているため、一般的な買取店より高額査定となる可能性が大幅にアップする。

輸入車買取専門店では、あらかじめ顧客に希望の車を募ってから、それに該当する車を探すという方法を採ることが多い。

需要が少ないということは、買い手にとっても希望する車が見つけにくいということだ。だから、相手の需要にハマれば、予想以上の高額での買取が実現することもある。

ただし、日本自動車組合の「2017年度上半期輸入車新規登録台数(速報)」によると日本に流通する車のうち輸入車はわずか数%である。需要の少なさは動かしがたい事実である。

輸入車買取専門店なら高額査定も期待できるが、可能性が高いというだけで、高額買取が保証されるなどと誤解してはいけない。複数の店に査定を依頼する努力は必要だろう。
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まとめ

契約書にサイン

国産ディーラーでは輸入車やスポーツカーの下取りは歓迎されないことがほとんどだ。これにはいくつかの理由があるが、いちばん大きな要因は、ディーラーは新車を販売することが本業という点だろう。

国産メーカーのディーラーなら、何より重視することはそのメーカーの新車の販売台数を伸ばすことである。

そのため、そもそも下取りには積極的でないのだ。

そこで新車を購入するので下取りしてほしいという場合なら、ある程度の査定は期待できるが、それも輸入車となると相場より下取り価格が低くなる傾向がある。

国産車に比べて輸入車やスポーツカーは圧倒的に需要が少ないため、せっかく下取りしても買い手を見つけることができないというリスクがディーラー側にはあるからだ。

また、中古車でも輸入車は高額になる傾向がある。そのうえ国産車に比べて故障しやすいというイメージがあるため、一般的には敬遠される傾向がある。

相場に照らして下取りしても、次の日には急落することもあるのが輸入車の中古車市場だ。

こうしたリスクを冒してまで、国産ディーラーが輸入車を高額で下取りする理由はない(ゴルフなど一般にも人気のある車は例外)。

したがって、輸入車を売りたいなら、国産ディーラーでの下取りは避けるべきだ。少しでも高額査定を狙うなら、輸入車に特化した買取専門店に査定を依頼するべきだろう。