車の売却時には思わぬ費用を請求されることがある。特にディーラーに下取りに出す場合、予期していない経費が見積もりに含まれているケースがある。
下取諸費用や下取査定料という名目で、売る側が気付かないうちに費用が買取額から差し引かれてしまうことも多々あるのだ。
先に本文のポイントをおさえておこう。
リサイクル料金
- 車購入時にリサイクル料を義務として支払っている
- 車下取り時(廃車にしない限り)リサイクル料は全額返金
- 一般的にリサイクル料は査定額のなかに含まれる
諸費用
- 【下取り諸費用】5,000円~15,000円
- 【下取り査定料】5,000円~10,000円
下取りの際、本来支払う必要のない諸費用がこれら2つであり、これらは交渉次第では値引きしてくれることもある。
これからこの2点について詳しく解説するが、その前にぜひ知っておいてほしいことがある。それはわざわざこのような費用を気にせず愛車を高く売る方法があるということだ。
【余計な諸費用】下取りと買取を比較 |
方法 |
ポイント |
下取り |
・下取り諸費用や下取り査定料が必要
・費用の値引き交渉を気にかける面倒がある |
車一括査定 |
・下取り諸雑費や査定料がいらない
・査定額が下取りよりも高くなる可能性大 |
▼下取り諸費用や査定料のいらない車一括査定とは▼
車下取り時のリサイクル料金について
平成17年1月1日から、車を購入する際にはリサイクル料を支払うことが義務付けられるようになった。これは簡単に言うと、自分の愛車を廃車にする時にかかる費用のことである。
普段はリサイクル料について特に気に留めることはないかもしれないが、車売却時にはいろいろと疑問がわいてくるかもしれない。
ではこれから、リサイクル料とは何なのか、下取り時にリサイクル料は返金されるのか、いくらくらい戻ってくるものなのかといった点について順を追って説明しよう。
下取りの際にもらった見積もりには明細が明記されておらず、車購入の明細と一緒にされてしまっている場合もあり、後からこれは一体何のための費用なのか確認できないこともある。
それでリサイクル料に関する知識をしっかりと身に付けて、売却前にはディーラーに自分から確認できるようにしておくと良いだろう。
リサイクル料金とは?(リサイクル預託金)
リサイクル料というのは、自動車リサイクル促進センター「中古車として手放すとき」によると「自動車リサイクル法」によって定められているもので、使用済みの自動車のリサイクル、適正な処理を行なうための費用のことである。
この法律は平成17年1月1日より施行されており、すべての車所有者に払う義務が課せられている。
車の購入時に購入者がリサイクル料を支払い、廃車になるまでは自動車リサイクル促進センターが預かり、実際に廃車にする時、解体業者などに支払われることになっている。
リサイクル料はフロン類、エアバッグ類、シュレッダーダストの引き取り時に支払われ、車種によってその料金は異なる。
ちなみにシュレッダーダストとは、廃車を解体して使える部品を選別回収した後に残るプラスチック、ガラス、ゴムなどの廃棄物のことである。
自動車リサイクル促進センター「自動車を購入するとき」によるとリサイクル料を車の購入時に支払うと、リサイクル券という証明書がもらえる。このリサイクル券は大抵の場合、車検証と一緒に保管されている。
では自動車リサイクル法が施行される前に購入された車のリサイクル料はどうなっているのだろうか。この場合は施行されてから直近の車検時に支払われているはずである。
支払いの覚えがない場合は?
全く支払った覚えがないという方でも、車検時にディーラーなどがリサイクル料の手続きを行なってくれていることがあるので、リサイクル券が手元にあるか一度確認してみると良いだろう。
いずれにしても車を購入した際に、もしくは車検時にリサイクル料を支払っているので、必ずリサイクル券を保有しているはずだ。
リサイクル料は前払いされているものということは、理論的には廃車にせず下取りに出す場合には戻ってくるということになる。ではその点について次に見てみよう。
車下取り時のリサイクル料金は戻ってくるのが原則
基本的に車下取り時にリサイクル料は戻ってくると考えて良いだろう。
なぜならリサイクル料というのは、車所有者の意思に関わらずすべての所有者が支払っているものであり、廃車の時の処理費用として前もって支払われているものだからである。
それで下取りに出すだけで廃車にするわけではないのであれば、リサイクル料は必要ではないということになる。
それで、原則としてリサイクル料は返還され、次にあなたの愛車を購入する人が支払うことになる。
ということは、車を買い替える際には新車であろうと中古車であろうと、毎回リサイクル料を支払う義務が生じるということもご理解いただけるだろう。
では一体いくらぐらい返還されるものなのだろうか。
軽自動車と普通車ではリサイクル料が違う
通常、リサイクル料として普通車は10,000円~20,000円、軽自動車は7,000円~15,000円ほどを支払っている。これは自動車のメーカーや車種、エアバッグなどの装備によっても変わってくるものである。
正確なリサイクル料の金額が知りたければ、「
自動車リサイクルシステム」のホームページ上で車台番号、登録番号を入力すると照会できるようになっている。
基本的には車を下取りに出した時に、事前に支払ったリサイクル料が全額返金されることになる。もしもリサイクル料を支払ったという証明書となるリサイクル券を紛失してしまった場合、再発行してもらうことはできない。
しかし前述の「自動車リサイクルシステム」のホームページから「リサイクル料金の預託状況」を印刷すれば、そのままリサイクル券として使用することができる。
【対処法】下取り査定額に含まれている可能性も
基本的には戻ってくるはずのリサイクル料なのだが、実は下取り時にディーラーが見積もった査定額の中に含まれていることも多いのが現状である。
それで一部の買取店などではこのリサイクル料を別途支払ってくれるところもあるが、個人的に返還してくれるケースは少ないと言わざるを得ない。
最近ではめっきり少なくなったものの、以前は査定額にリサイクル料を含めず、まるまる業者の利益としていた悪徳業者も存在していたようである。
それで念には念を入れて、愛車の査定額の中にリサイクル料が含まれているかを確認すると良いだろう。
車下取りにかかる諸費用の種類
車を乗り替えたいと思った場合、ディーラーに下取りに出すという人は多いことだろう。面倒な手続き不要で、スムーズに新車に乗り換えられるとあって、このサービスを利用する人は確かに多い。
しかしできるだけお得に愛車を手放したいと思うのであれば、少し立ち止まって考えてみることをおすすめする。下取りにかかる経費として高ければ数万円も請求されることがあるからだ。
では車をディーラーに下取りに出した場合、一体どんな費用がかかるのだろうか。それは下取諸費用と下取査定料と呼ばれるものである。これからこの2種類の費用について説明を加えていこう。
1.下取諸費用
下取諸費用とは、別名「下取車手続代行費用」とか「下取車諸手続代行費用」などと言われることもある。要は、下取りした車を廃車にしたり、車の名義をディーラーに変更したりするための手数料のことである。
ディーラーによって多少差はあるものの、この費用は大体5,000円~15,000円が相場とされている。例えば、以前にローンを組んで新車を購入したとしよう。
そしてローンを払い終える前に車を売却しようとする場合、所有権はローン会社になっていることがある。それでローンを完済して所有権を解除し、その後名義を変更する必要が生じる。
廃車にする場合にも、「解体証明書」を業者からもらって、陸運支局で手続きをすることが必要だ。
このような手続きは自分でも行えるものであるが、少々手間がかかるため、ディーラーにお願いすると代行費用として多額の手数料を請求されてしまう。
2.査定料
査定料というのは、下取りする金額を出すために車の査定を行なうための手数料のことである。中古車自動車査定士としての資格の有する人が査定を行なうため、そのための人件費として請求される。
相場は5,000円~10,000円程度とされている。この経費は、新車を購入する際の値引き額から引かれている場合もあるので注意が必要だ。
しかしこの査定料、実は払ったことがないという人は意外に多い。数年に1度のペースで車を乗り替えている人でもである。
交渉次第でカットしてもらえる可能性が非常に高い費用なので、「他店では一切かからなかった」などといって、上手に交渉してみると良いだろう。
諸費用・査定料・リサイクル料も値引きの交渉をする
これまで見てきたように、下取諸費用や査定料というのは本来払う必要のない費用であるため、交渉次第ではそれらの費用を値引きしてくれることもある。
またリサイクル料に関しても、廃車にするのでない限り基本的には返還されるものであるので、リサイクル料が査定額に反映されているかをきちんと確認してみることも大切なポイントとなる。
車を下取りに出す側が無知であれば、知らないうちにそれら払う必要のない費用を手数料として差し引かれていることも多々ある。
買取専門店は査定料が無料
下取査定料というのは本来払う必要のない手数料である。もしディーラー側が値引き交渉に応じてくれないのであれば、買取業者に売却してしまうというのも一つの手である。
買取店は査定を無料で行うのが常識なのだ。インターネット上での無料一括査定サイトを利用すれば、複数の買取業者が無料で自宅まで出張査定してくれる。
下取り諸雑費・査定料がかからない無料一括査定サイト
中古車専門の買取店では下取諸費用と下取り査定料がかからない上、査定額がディーラーよりも高くなる可能性が十分にある。
それで愛車を少しでもお得に手放すためにはディーラーでの下取りにこだわらず、中古車買取専門店に依頼するという選択肢も考慮してみると良いだろう。
下取りは高く売れる手段ではないため、諸費用の値引き交渉など、いかにして安く買われないようにするかに気を取られてしまう。それではもったいない。
買取という方法を選ぶにしても、最も高く売れる買取店を見つける必要がある。それを実現させることができるのが無料一括査定なのだ。
車一括査定サービスは、たった一度きりの申し込みで、複数の買取店に査定依頼ができるネットサービスだ。
最大のメリットはこちらが何もせずとも査定額が吊り上げてくれるという点だ。
例えば、4社が競合した場合、各買取店は他の業者以上の買取額を提示しないと買取成立にはならない。よって業者間が自然に競合状態になるため、特に何もしなくても最低額がどんどん高くなるのだ。
- 確実に高価買取を実現させたい方
- 愛車のリアルな査定相場を知りたい方
- 時間と労力を費やしたくない方
- 交渉が面倒な方&苦手な方
このような方に欠かせないおすすめのサービスだ。
編集部おすすめ車一括査定『カーセンサー』
当サイト編集部が車一括査定サービスで最もおすすめしているのがリクルート社運営の「カーセンサー」。
なぜなら、ビッグモーターやアップル、カーセブンなどの大手買取店と提携し、買取業者数が1000社を超えているのはカーセンサーだけ。
同時査定依頼も30社と業界最多なので、最も査定額が高い業者を選ぶ幅が圧倒的に広がるのだ。
編集部所有の車を実際に査定したが、ディーラー下取りよりもなんと96万円も高い査定額が付いている。
他社の車一括査定もあるが、高価買取を目指すならカーセンサー以上のサービスは存在しない。編集部が太鼓判を押す一括査定サービスだ。
【2024年最新】車一括査定おすすめランキング《人気5社比較》
|
カーセンサー |
ユーカーパック |
ナビクル |
楽天Car車買取 |
ズバット |
運営会社 |
リクルート |
UcarPAC |
エイチーム |
楽天 |
ウェブクルー |
提携業者数 |
1,000社 |
5,000社 |
55社 |
2,000社 |
220社 |
同時査定依頼数 |
30社 |
? |
10社 |
? |
10社 |
業者選択 |
〇 |
× |
× |
× |
〇 |
入力の時間 |
約1分 |
約1分 |
約1分 |
約3分 |
約1分 |
利用料 |
無料 |
無料 |
無料 |
成約時
22,000円 |
無料 |
電話の多さ |
多い(メール可) |
1社のみ |
少ない(JADRI加盟) |
1社のみ |
多い |
上記の特徴と比較表を見ればある程度わかるが、これだけだとどのサービスを利用すべきか迷うはずだ。
そこで実際に当サイト編集部が車一括査定サービスを利用してみた。その結果も判断材料に加えたうえで、5つの一括査定サイトをランキング形式で紹介する。
1位:カーセンサー(※編集部一押し)
- 特徴1.同時査定依頼数30社は業界No.1
- 特徴2.競合会社が多いため高額査定率も圧倒的に高い
- 特徴3.電話営業は多いがメール&電話時間指定可能
前述したが、高価買取を狙うなら間違いなくカーセンサーがおすすめだ。提携業者は1,000社を超え、大手中古車買取業者はほぼ網羅している。また、同時に査定依頼できるのが30社で業界最多。
当然ながら競合する会社が多い分、高額査定が出やすい。人気や知名度だけでなく、当サイト編集部が実際に使用して成果も出ている。
現段階で車一括査定の中で最高のサービスだと自信をもっておすすめできる。迷ったらカーセンサーで間違いないだろう。
2位:ユーカーパック
- 特徴1.掲載買取業者は2,000社は圧倒的
- 特徴2.高額買取にも期待
- 特徴3.電話営業一切なし
- 特徴4.申し込みと同時に買取相場がわかる
オークション形式の車一括査定サイト「ユーカーパック」。掲載買取業者は1位のカーセンサーと比較すると約2倍の2,000社、当然ながら高額査定に期待できる。
大手買取店との提携はカーセンサーに劣るが、地域密着型の買取店との提携によって高額買取実績を増やしている。
本来、一括査定サービスは複数業者と売主本人が交渉するのが基本だ。しかし、ユーカーパックは売主の代わりにユーカーパックの担当者が交渉を全て代行してくれる。
編集部でも試したが、他のサービスとは比べものにならないぐらい手軽だった。交渉が苦手&面倒な方に最も適したサービスだ。
3位:ナビクル
- 特徴1.年間利用者数No.1
- 特徴2.わずか45秒で買取相場がわかる
- 特徴3.JADRIの審査を通過した優良業者のみ提携
中古車業界の流通を健全化を目的とした団代”JADRI”の審査に合格した業者しか提携しない「ナビクル(旧:かんたん車査定ガイド)」。
中古車業者を選定している分、業者数がそこまで多くないため、電話営業が少ないという特徴もある。年間利用者数が最も多く、その分高額買取実績も多数出ている信頼度No.1の一括査定サービスだ。
4位:楽天Car車買取(旧:楽天Carオークション)
- 特徴1.電話対応も査定も楽天1社のみ
- 特徴2.成約で楽天ポイントを獲得
楽天Car車買取(旧:楽天Carオークション)はオークション形式で、成約で楽天1,000ポイントがもらえる車査定サービス。
楽天Car車買取なら査定までの全ての工程を楽天の担当者が行うため、しつこい勧誘電話も一切なし。査定回数も1回のみ。
一括査定特有の営業電話が嫌な方、交渉が苦手な方でも勝手に査定額が吊り上がるのでおすすめだ。
5位:車査定比較(ズバット車買取)
- 特徴1.10年の実績と東証一部上場企業の安心感
- 特徴2.申込みと同時に買取相場がわかる
- 特徴3.査定業者を選定できる
車査定比較(ズバット車買取)は車買取業者として実績が長く、東証一部上場企業の運営という安心感があるサービスだ。
比べられる業者も多く、大手中古車買取業者との提携は7社と十分なスペックをもっている。また、運営実績が長いため、実績のある買取店との提携から高価買取にも期待できる。
申込みのフォームが利用者が迷わない簡易な仕組みになっていたり、申込みと同時に買取相場がわかるのも人気の理由だ。
【初心者向け】一括査定のデメリットをカバーした”ユーカーパック”
以上、編集部がおすすめする車一括査定を5つ紹介した。だが、肝心な一括査定のデメリットを解説していない。
一括査定サービスは中古車買取店同士が競合させるのが目的なので、必然的に買取店からの電話営業が多くなる。我先にと各社営業するために電話をかけてくるのは商売上仕方のないことである。
だが、利用者からしてもこの大量電話を懸念して利用を迷っている方も多い。しかし、高価買取を実現するなら一括査定サイト以上の方法は存在しない。
大量の電話を覚悟で、一括査定を利用しなくてはいけないが、一括査定サイトでもデメリットをほぼ解消したものが存在する。
それが「ユーカーパック」だ。
前述したが、ユーカーパックは担当者1名とのやりとりで査定から買取まで全てのやりとりが済むサービスだ。大量の営業電話は一切ない。
- 公式サイトから査定申込(概算の買取相場も表示)
- 担当者があなたの愛車を実地査定(出張査定可)
- 愛車を非公開オークションに出品し、2000社が競合
- 最高額を付けた業者を選んで車を売却する
あなたは何もしなくても、各買取業者の査定額をスマホから確認でき、競合する中古車買取店の相見積りをすべて同時に見ることが可能だ。
当サイト編集部でも実際に利用してみて、今までの一括査定サービスとは比較にならないほど手軽なサービスだと感じた。
ユーカーパックは、従来の一括査定サービスのデメリットである「交渉の手間」「一括査定後の大量の営業電話」を克服した上で高価買取が可能。よって初心者でも安心して利用できる非常に優れたサービスなのだ。
まとめ
ディーラーの車下取りには思わぬ費用がかかって、下取り価格から差し引かれてしまうことも少なくない。結局何の費用かも分からないままということ多々ある。
では下取りにかかる諸費用としてどんなものがあるのだろうか。まず下取諸費用という名目で5,000円~15,000円ほど、査定料という名目で5,000円~10,000円ほどである。
実はこれらの費用、本来は支払う必要のない手数料である。下取り費用として名義変更や廃車手続きの代行手数料がかかる場合、他のディーラーでは請求されなかったと言って交渉してみると良いだろう。
値引きをしてくれない場合
もしどうしても値引きしてくれないのであれば、自分で行なうことも可能である。査定料に関しても、買取業者であれば無料で行っているところがほとんどである。
それで交渉次第では値引きしてもらえる可能性もあるので、是非チャレンジしていただきたい。さらにリサイクル料に関しても、廃車にするのでなければ原則戻ってくるものである。
中には下取り査定額に含まれているケースもあるので、別途返金という形にはならないかもしれないが、リサイクル料が査定額に含まれているかはよく確認した方が無難だろう。
愛車を少しでもお得に手放したいのであれば、下取り時にかかる費用の内訳にも注意を払うことをおすすめする。