「少しでも自動車を高く買い取ってもらいたい」と考えている人はたくさんいます。誰だって自分の愛車を手放すときには、高く評価してもらいたいものです。

もちろん様々な事情があって、すぐにでも車を買い取ってくれることを優先するパターンもありますが、それでも高く買い取ってくれることに越したことはありません。

しかし自動車買取業者の中には、このように高く買い取ってもらいたい人の足下を見ていたり、詐欺まがいの方法で売却を迫ってきたりする業者もいるのです。

一見すると信用できそうな担当者でも、話を進めてみると「これはおかしい」と思えるところが出てくる場合もあります。

どのような手口があるのか、そしてだまされないためにはどうすれば良いのか対処法を勉強していきましょう。

中小企業の買取店は悪徳買取業者が多い

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自動車買取業者を利用する際には、まずそこがどんな業者なのかをチェックする必要があります。覚えておきたいのは、中小企業の買取業者には悪徳買取業者が多い点です。

ここで勘違いしてはいけないのが、あくまでも「多い」ということで、すべての業者がそうであるとは限らない点です。

真面目に仕事をしている中小企業の自動車買取業者もたくさんあります。しかし実際に被害に遭ったケースを見てみると、これまで聞いたことがない中小企業が相手の場合が多いのです。

大手業者の場合、知名度が高くて安心感もあります。何か不祥事があれば、一気に情報が広がってしまうため、その知名度の高さがうかつな行動に出ることを防いでいるところもあります。

しかし中小企業の場合は、大手に比べると何かあったときも大きく知られることが少ないのです。

また中小だからこそ大手とのシェア争いが大変なので、必死に営業をしています。しかしその必死なところが、あくどい方法になってしまっているところもあるのです。

そのため「大手よりも中小企業の買い取り店の方が悪徳買取業者は多い」ということに繋がっています。

それでは実際にどのような手段があるのかをチェックしてみましょう。

悪徳買取業者がよくやる常套手段

営業マンが話す

悪徳買取業者が使う手段には、いろいろなものがあります。

しかしそれらの中にも常套手段と言われているものがあり、それらに気をつけるだけでもトラブルの多くを回避できるようになります。

もちろんそれだけでは安心できないので、ほかにも気をつけなければならない点はたくさんあります。

このようなトラブルを回避するためにも、まずはどのような手口でどのようなトラブルが起きるのかを知っておきましょう。

少しでも記憶に残っているなら、自分が同じような目に遭いそうなときにも「もしかしたらこれは」と思い出すこともあります。

自分がだまされるはずがないと思い込んでいる人こそ、万が一のトラブルに遭遇したときに何もできないということは多いので気をつけましょう。

1.自動車引渡し後に査定額を払えない減額請求してくる

実際に自動車を引き渡してから、問題が見つかったので減額をする、もしくは査定額を払えないと言われてしまうケースがあります。

しかし根拠のある減額ならともかく、査定額を払えないとまで言われてしまうのはやりすぎです。

たとえば売却側が傷や事故歴などを偽っていた場合、買取業者として減額などをする権利はあります。

しかし悪徳業者の場合は、その証拠があるのかもわからない状況でこの話を持ち出してきます。

以前、中古車で購入したクルマを買取りに出し、クルマや登録関係の書類を全て引き渡した。代金はまだ受け取っていない。ところが買取業者から後日、買取車をオークションに出品したところ、過去の整備記録から「走行メーター改ざん歴車」であることが分ったとのことで、「値下がり分15万とオークションのペナルティ料5万円、合わせて20万円の損害金を差し引いて振り込む」と言われてしまった。

すでに手元にないので自分から確認もできず、仕方なく応じてしまう人もいるのです。

減額に応じるか、それとも白紙撤回するかが選択肢になりますが、白紙にするとしても陸送費用負担などでマイナスになることもあります。

このような事態に陥らないためにも、査定後に金額が変わらないのかどうかはしっかり確認する必要があります。

2.クーリングオフができると虚偽の説明をする

「あとからクーリングオフができるから安心してほしい」と言われると、そのまま信じてしまう人もいます。

しかし自動車売買においてクーリングオフは適用されるものではないため、この説明をしてきた業者は間違いなく悪徳業者と考えて良いものです。

そもそもクーリングオフは、思っていた商品とは異なるなどの理由で購入代金を返金してもらえる制度です。

自動車買取業者を利用する以上、自分がお金を受け取る側になります。そうなると、そもそもこの制度の対象外になる取引であることが分かるでしょう。

ちなみに、国民生活センターの情報を抜粋すると、クーリングオフの適用外になるもの(訪問購入の場合)は以下の6つが対象となるそうです。

・自動車(二輪のものを除く)
・家庭用電気機械器具(携行が容易なものを除く)
・家具
・書籍
・有価証券
・レコードプレーヤー用レコード及び磁気的方法又は光学的方法により音、映像又はプログラムを記録した物

クーリングオフが適用されないということから、手続き後にキャンセルをしたらキャンセル料が発生するケースがあります。

しかし、これもすべてのケースで発生するわけではないので、事前にしっかりと確認をして、信頼できる業者にお願いできるようにしましょう。

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3.契約書にサインしていないのに車を持っていかれた

修理が必要な箇所があるのでどれくらいかかるのか調べるという名目で、契約書にサインをする前に車を持って行かれることがあります。

それだけならまだしも、あとからその車が売れたので、契約書にサインをしてほしいと迫られることもあります。これは完全に詐欺行為です。

担当者が家に来て車を見て、最初は「0 円」と言っていたが、あちこちに電話し、「修理にいくらかかるか、修理工場で調べる」と言って車を持って行ってしまった。車を持って行くときに「売るか売らないかは価格がわかってから決める」と言ってあったのに「10 万円で売れた」と電話があり、担当者が家に来たときには契約書も用意してあった。
(中略)
「既に客と話がついているのでサインしてくれないと困る」と契約を迫られ、疲れて応じてしまった。

すでに売却先が決まっているからと、一方的に決められた値段での買取に応じるように迫ってきますが、この段階で契約書にサインをしてしまってはいけません。

そもそもサインをする前に車を持って帰っている状況が異常なのです。

信頼できる業者へ査定を依頼すれば、その場で修理代も含めてしっかりと査定をしてくれます。

そのため持ち帰ろうとした時点で、その業者の利用はやめるようにしてください。

4.足元を見られて相場よりかなり低い値段を提示される

買取業者との交渉中には、足下を見てくる業者もいます。色々な理由を付けて査定額を低くしつつ、ほかではもっと安いと言ってくるところなどが分かりやすい例です。

後になって冷静に考えてみればその場で一歩引いておけば良かったのに、そのときには気づかず契約を結んでしまう人もいるので気をつけてください。

実際の査定額を知った際に相場を知っていなければ、その金額が適正なものかどうかはわかりません。「ここに傷がある」という指摘や、事故歴がある車の場合は特に注意してください。

実際にはもっと高く買い取ってくれる業者があるにもかかわらず、足下を見て契約を迫ってくることもあります。

いつの間にか追い詰められているような気持ちになっていた場合、その業者のことは警戒した方が良いです。

【騙されない方法】悪徳業者に対抗するための必須知識

ポイント

一見すると人当たりの良さそうな人でも、実際には悪徳業者だったという例はたくさんあります。そのためにも、まず知識を身につけることが重要だと知っておいてください。

本当に信頼できる人なら問題はありませんが、その人の印象だけですべてを任せてしまうとトラブルに繋がってしまうこともあります。

騙されないためにはどうすれば良いのか。どんな対処法があるのか。それは正しい知識を身につけることです。実際のところ、悪徳業者の言動には分かりやすいところがあります。

しかしそれが良くないことであると知らなければ、そのまま騙されてしまうのです。

また、どういうことをすればトラブルが起きないのかについても知っておきましょう。そうすることで、トラブルが起きる可能性を低くしていけます。

1.査定時にマイナス面を説明しておく!

できるだけ高く買い取ってもらいたいと思っているなら、少しでも良く見せたいという気持ちが動きます。

しかしそこでやってはいけないこととして「虚偽の申告」をするというものがあります。

良く見せようとすること自体は、悪いことではありません。しかしそのために悪い部分を隠すなど、嘘をついてしまうとトラブルの原因になってしまいます。

時にはそのことを盾にして、業者側からの一方的な要求を押しつけられてしまうこともあるのです。

実際にマイナス面を隠していたことで、売却代金の振り込み時になってから瑕疵が見つかったからと減額を主張してくるケースがあります。

嘘をつかずマイナス面もしっかりと説明し、その上で査定をしてもらうようにしましょう。

2.愛車の買取相場をある程度把握しておく

普段から車の買取相場について意識している人は少ないのですが、これから自分の車を買い取ってもらおうと考えているなら、まずはこの情報を把握することから始めてください。

ベースになる相場を知っているのかどうかで、交渉段階でもどう動けば良いのかがわかるようになります。

悪徳業者の場合、あれこれ理由を付けて相場よりも安い買い取り価格を付けてきます。

もしも相場を知らなければそのまま受け入れてしまうことになりますが、それがおかしいとわかっていれば問題が起きることを未然に防げます。

逆に相場よりも高い値段を付けてくる業者がいればうれしいことですが、後から下げられるのではないかと警戒することもできるようになるのです。

3.契約に関する基礎的な知識を把握しておく

初めて自動車を買い取ってもらおうとする人の場合、そこでどのような契約をするのかについての知識がわからず困惑してしまう人も少なくありません。

これが優良業者であれば丁寧に教えてくれるのですが、逆に悪徳業者の場合は間違った知識を植え付けようとしてくることもあります。

一方的に条件を押しつけられても、それが本当に間違っていることなのかがわからなければ、強く拒否するタイミングを失ってしまいます。

重要なのは「何かがおかしい」と気づける知識なのです。

詳細な部分まで勉強する必要はありませんが、全体的な流れやどういうことが問題視されるのかといった契約に関する基本的な知識は、しっかりと把握しておくようにしましょう。

4.売却契約書の中身を確認する

売却契約書は、その契約に関する様々な内容が細かく記されています。

その内容を把握するのが面倒なので、よく読まずにサインをしてしまう人もいますが、これはかなり危険なことです。

その業者のことを信じているからと言えば聞こえが良いかもしれませんが、お金のやりとりをする以上はしっかりと確認しましょう。

細かく書かれている中で、自分が不利になることが書かれていた場合、後から抗議しても契約書にサインしたことを盾に言い逃れされてしまうこともあるのです。

買取後の減額請求がないかどうか?

悪徳な自動車買取業者との間に多いトラブルの1つが、お金を払ってもらう段階になって減額をされてしまうパターンです。

もう引き下がれない状況になってから問題が見つかったからと減額することを告げられてしまったら、もうそのまま従うしかないと考えてしまう人も少なくありません。

このような問題を防ぐためにも、提示された金額に変化はなく、買取後に減額請求されることがないのかはしっかりと確認してください。

これは早い段階のうちにやっておかないと、話を切り出すタイミングを失ってしまうこともあります。

買い取ってもらう立場なのだからと受け身の姿勢になるのではなく、対等の立場であると考えて、気になることがあればすぐにでも確認できるようにしてください。

キャンセルできるのか?した場合の料金は?

最初は売却を考えていたけど、色々な理由があって考え直すことにした。そんなときにしっかりとキャンセルできるのかは気になるところです。

これはその業者によって異なるところがあるので注意してください。

問題なくキャンセルに応じてくれる業者もいれば、あらかじめ定めているキャンセル期間内なら応じてくれる業者。そしてキャンセルはできないと拒否してくる業者に分かれます。

車買取の契約をキャンセルしたいと思ったときには、まず売買契約書を確認しよう社団法人自動車公正取引協議会「相談事例1-キャンセルの可否-」によると、車の売買契約をキャンセルできるかどうかは、契約が成立しているかどうかによると、記載されています。

いざキャンセルを検討した段階で、すでに契約が成立している状態であり、キャンセル不可の事実に気づく人も少なくありません。

そこからトラブルが起きることもあるので、まず事前キャンセルはどの段階で可能なのかを業者側へ確認するようにしましょう。

査定の際に嘘を言ったけど許される?許されない?

女性が男性を殴る

少しでも高く買い取ってもらいたい。この考えが行き過ぎてしまうと、虚偽の申告をしてしまう人がいます。これは果たして許されることなのでしょうか。

気づかれない範囲での嘘なら大丈夫と考えている人もいますが、査定の際に嘘をつくのは許されないことです。

仮に悪徳業者に嘘をつかれたとき、まずほとんどの人が許せないという気持ちになります。そしてそれはそっくり逆の視点でも適用されるのです。

優良業者だとしても、取引相手に嘘をつかれてしまったら契約をキャンセルしたくなってしまいます。

嘘をつかれるのは嫌なのに、自分が嘘をついても良いというのはあまりにも都合が良すぎる話です。トラブルなく車を買い取ってもらいたいなら、嘘をつくことはやめましょう。

不具合や欠陥があっても言わないのは「隠れた瑕疵」にあたる

その車に何らかの不具合があるけど、実際には気づきにくいものだったとします。

出張査定を受ける際はそのことに触れず、そのまま高い評価を得られたとしても、その嘘はどこかでばれてしまうものです。

運転してみればわかるような問題だと、出張査定を受ける段階では気づかれないこともあるのですが、そのことを意図的に隠してしまってはいけません。

問題点があるのに黙っている場合、それは悪意のある行動と見なされます。

本当に気づいていなかったというケースもあるのですが、知っているけど嘘をついていたと見なされたらそれは「隠れた瑕疵」と見なされてしまいます。

瑕疵担保責任は民法570条に規定されている「売主の責任」のこと。簡単に説明すると、修復歴を故意に隠した場合は損害賠償を請求される可能性があり、1年以内であれば買主は契約の解除ができます。

買取業者の中には、意図的に隠れた瑕疵があったとして査定額を下げてくる、もしくは契約をキャンセルされる場合があります。

このようなトラブルを防ぐためにも、自分の車については日々しっかりとチェックしておきましょう。

隠れた瑕疵とは?

そもそも隠れた瑕疵とはどのようなものなのか。これは簡単にまとめると、普通に注意していても発見できないような瑕疵のことです。

ちなみにここでよく使われている瑕疵とは、傷がついていたり性能が落ちたりする原因のことです。

普通には気づかないものの場合、専門家がチェックをしなければ判明しないこともあります。そのため専門家でようやく気づくようなものだった場合には、隠れた瑕疵にはならないこともあります。

しかし先にも書いたように、それが意図的なものだったとしたら話は別です。メーター改ざんなどはその典型例です。

メーターの巻戻しが発見された場合には、買主は契約解除・代金返還請求などができるのが原則といえます。

隠れた瑕疵は判断が難しいため、トラブルの原因になりやすい要素の1つです。場合によっては損害賠償の話に発展することもあるので、十分に気をつけてください。

修復歴・整備履歴などで嘘をつくと瑕疵担保責任に問われる?

修復歴があったり整備履歴について出張査定時に嘘をついて車を売ったりした場合、後から問題が発覚すると大きなトラブルに発展することがあります。

これは瑕疵担保責任と呼ばれるもので、その責任について追及をされた場合、車の修理や費用を売主が負担しなければなりません。

中古車買取業者へ売ることになる場合、個人が自分で修理をすることが困難なので、費用という形で査定額から値引きされることになるのです。

この手の嘘は、大抵すぐにばれてしまいます。気づきにくい場所だから大丈夫だと思っていても、プロが見たらすぐに分かってしまうものなのです。

そのため、嘘をついて車を売ろうとするとトラブルの原因になるので注意してください。

【補足】中古車購入で欠陥があることを知らなかった場合は責任なし

中古車を購入の際に、不具合や欠陥があることを知らなかった場合は中古車販売店に瑕疵担保責任を追及できるのか。

これは現状渡しで販売される場合に起きるトラブルですが、車として最低限の機能が保証されていない状態なら無償修理を受けることは可能です。

しかし目に見える傷やへこみ、ほかにはオイル漏れなどの問題の場合は、責任を問われない点に注意してください。

購入時にその問題を見抜けなかった場合は責任を追及できますが、本来ならできるはずなのにあえてしていなかったということなら、売主にその責任はありません。

ケースバイケースなところがあるので判断が難しいかもしれませんが、買う側はしっかりと確認をする必要があると覚えておきましょう。

瑕疵担保責任には問われない?基本は販売店の重大な過失になる

瑕疵担保責任は買取の場合と購入の場合とで少し異なるところもありますが、それは売主側の技能などが関わってきます。

素人が見抜けないものはありますが、お店側で問題を放置しているのはプロとしてやってはいけないことです。

そのため、車を購入する場合は販売店側の重大な過失として扱われることが多いのです。これは出張査定含め、買取の場合も同様です。

欠陥商品を売却すること自体、本来あってはならないことです。

しかもそれを車の専門業者が見落とすのですから、普通の人が自分の車の売却をする際の瑕疵担保責任とは話が変わってきます。

しかし瑕疵担保責任について知らない場合、販売店側の一方的な話を受け入れてしまうケースもあります。

おかしいと思ったら、まずは対処法を国民生活センターへ相談してみてください。

トラブルを避けるためには隠れた瑕疵がないように申告する

自動車買取業者との間でトラブルは避けたい、こう考えているなら隠れた瑕疵がないように申告することが一番です。

素人の目では見つけられないものがあるかもしれませんが、それでも最大限の努力をするようにしましょう。

普段自分で乗っている車のことですから、色々と気づくことはあるはずです。少しでも気になることがあるなら、正直に申告するようにしてください。

「これを言ってしまうと安く査定されてしまうかもしれない」と考えてしまうことがあるかもしれません。

しかしプロが確認してそれで問題ないと判断されれば査定額に響くことはありません。

そしてもしも問題があると判断されれば、それは自分が隠していてもどこかで気づかれてしまうものなのです。

これ以上減額する要素はないか確認する

自分からはなかなか言い出しにくいことかもしれませんが、「これ以上減額する要素はないか?」と最終確認することも、トラブルを回避するための方法です。

こう伝えると査定担当者も念のためにしっかりと確認してくれることが多いです。そして、確認をしなくても問題ないと言ってもらえれば、それはそれで言質になります。

もしも何か減額要素が後から見つかったとしても、自分はしっかりと確認をした。そう主張できるのかどうかは大きな違いです。

これは車の買取以外にも言えることですが、最終確認をしているのかどうかで後々の展開が変わってくることもあります。

できるだけトラブルを起こしたくないと考えているなら、この確認は忘れないようにしましょう。

車買取のトラブルは年々増えてきている

悩む男性

車買取のトラブル自体は、年々増えています。報告自体は減っているという意見もありますが、それでもトラブルでの金額自体は増えているなど、トラブルの質が悪くなっているという話もあります。

国民生活センターのホームページにまとめられる情報を見てみると、2013年をピークにゆるやかな減少をしているように見えますが、2016年からは軽油相談の件数を引いていると書いてあります。(参照:国民生活センター「増加する自動車の売却トラブル」)

それでいて数自体は大きく減少していないのですから、全体的には増えていると考えて良いでしょう。

実際の報告例を見てみると、様々なパターンのトラブルがあると分かります。そこでポイントになるのは、どういうところでトラブルが発生するのかをチェックすることです。

「こういうところに注意しよう」というコラムなどを読んでも、ピンとこない人はいます。しかし実際にトラブルがあったという事例で読めば、印象に残りやすくなるものです。

悪徳買取業者との間でトラブルを起こさないようにするためには、まず信頼できる業者を選ぶことが重要です。

しかしそれ以外にも、どの場面でどんなことに気をつければ良いのかを把握することも大切なのです。それではどんなパターンがあるのかを、一度チェックしてみましょう。

修復歴(事故車)が後で見つかって減額された

自動車の出張査定を受けて買取契約を終えた後に業者側から連絡があり、修復歴が後から見つかったので減額すると伝えられるトラブルがあります。

すでに契約を交わした後なのに、後出しで減額をすることなんてあり得ないと思ってしまうかもしれませんが、このようなことは実際に起こりえます。

これは瑕疵担保責任によるもので、修復歴がある場合や事故車であることが後から判明する以上、売主がそのことを隠していたことであるため責任を追及されてしまうのです。

本当に気づかないうちに起きていた問題ならともかく、持ち主であれば気づいているはずのことを隠していると判明した場合は、このようなトラブルが起きてしまいます。

何事も正直に伝えることが一番です。

走行メーター改ざん歴がある車だった

自動車の走行距離は、その車の価値を決める重要な基準の1つです。そしてその改ざんが行われていた場合は、あとから査定額を減額することやペナルティ料を請求されるケースがあります。

実際に自分でやっていたならともかく、中古車を購入する時点ですでにメーターが改ざんされていることもあるので、これはとても面倒な問題です。

しかしこの問題の場合、プロであれば査定の段階で十分に気づけるものなので、瑕疵担保責任を追及することはできません。

しかし悪徳業者の場合、出品してもいないのにオークションへ出品していたとして、そのペナルティ料を負担させようと請求してくることもあるので気をつけましょう。

メーター改ざん歴に関しては、「後からの」減額に応じる必要はありません。

余談ですが、愛車の走行メーターを確認する方法もあります。日本オートオークション協議会が開発した走行メーター管理システムを使用して、走行メータが改ざんされていないかチェックできます。(参照:自動車公正取引協議会「走行メーター管理システム」)

売却代金を受け取る前に車買取業者が倒産した

自動車買取業者にも様々なところはありますが、中にはかなり危ない経営状態のところもあります。買取契約を結び、実際に売却代金を受け取る前に倒産してしまうこともあるのです。

もしも業者が倒産してしまった場合、売却代金を全額回収するのはかなり難しくなります。中にはそのまま失踪してしまい、連絡がつかなくなってしまうケースもあります。

酷い場合は計画的な倒産をして、車を持ち逃げしてしまうようなこともあるのです。

こういうケースの場合、不自然に高い査定額を提示しているケースが多いため、査定を受けるときには他社との比較をすることで異常に気づけることもあります。

金額が高ければ嬉しいことですが、明らかに高すぎる金額の場合は警戒するようにしましょう。

2社の買取業者の間で二重契約をしてしまった

複数の自動車買取業者へ査定をお願いしてやりとりをしていると、どの業者とどこまで話を進めていたのかで混乱してしまい、二重契約を結んでしまうケースがあります。

そこで問題なくキャンセルをできるなら良いのですが、通常のキャンセルには応じてもらえず高額なキャンセル料を請求されてしまうこともあるのです。

どの段階でキャンセルが可能なのかをしっかり確認する必要もありますが、自分自身が誤って二重契約していることもこの問題の原因になっています。

複数の業者と同時進行でやりとりをしているときには、しっかりとメモに残すなどして混乱が生じないように気をつけてください。

これは悪徳業者など関係なく起きてしまう問題ですが、自分の心がけ次第で回避が可能です。

車の買い手がすぐに見つかりキャンセルできない

自動車買取業者との間で契約に向けて話を進めている中で、何らかの理由があってキャンセルをすることを伝えた際、すでに買い手が見つかっているのでキャンセルできないと言われるケースがあります。

この場合、すでに車を引き渡しているのかどうかで展開が大きく変わってきます。

引き渡しが済んでいる以上はキャンセル料を払う必要はありますが、引き渡し前なら基本的にキャンセル料を支払わなくても良いのです。

事務手続きなどがすでに進んでいる場合はキャンセル料が発生することもありますが、このようなことを言われた際には自分の手元に車があるのかどうかで展開が変わってくることを覚えておきましょう。

無知につけ込んでくる悪徳業者も少なくないので、この問題には気をつける必要があります。

車の代金より解約料の方が高い

「ほとんど価値がない車だけど数万円で良いなら買い取る」ということで話を進めている中で、キャンセルを申し出た際に高額のキャンセル料を請求されることがあります。

例えば今回のケースの場合は、十万円のキャンセル料が発生したとします。しかしこのケースの場合は、そのキャンセル料が無効になるのです。

キャンセル料は、実際にかぶった被害額以上の請求ができません。これは消費者契約法によって定められていることなので、法律も関わってくる話です。

しかし悪徳業者の場合、あれやこれやと理由を付けて高額のキャンセル料を請求してくることもあるので気をつけてください。

ただし、その査定額以内のキャンセル料であり、合理的な理由があるならその請求は通ることもあります。

そのためキャンセルした場合にどうなるのかは、事前にしっかり確認しておきましょう。

震災(地震などの天災)によるトラブル

震災を始めとした天災によるトラブルは、人間がどうにかできるものではありません。

しかし悪徳買取業者の中には、この天災をだしにして不当な要求をしてくることもあります。

実際に応じる必要がある要求もありますが、中にはどう考えてもおかしいと思える話もあるので気をつけてください。

まずは実際にどんなトラブルが起きるのか、そしてその場合はどこまで応じる必要があるのか、事例を踏まえて知っておきましょう。

放射線を理由に売買契約を取り消し…隠れた瑕疵に当たるとされた

東日本大震災の後、福島第一原発事故が起きたことで放射線に対して過敏になる人が増えました。

そしてその中には、放射線の値が高いことが隠れた瑕疵に当たるということで、中古車の売買契約を取り消したいと申し出られるケースが確認されています。

これは実際に国民生活センターへ問い合わせがあった問題なのですが、判断が難しい問題です。

実際に瑕疵に当たるのかという問題もありますが、放射線のチェックを本当に行ったのかという疑問も残ります。

取り消しなら実際に車が戻ってきた後で放射線のチェックもできますが、買取はするが減額というケースになると売主はその確認もできません。

このような場合は、まず国民生活センターへ相談しましょう。

「水没車を高価で買い取る」というチラシが入った

災害などで水没車になってしまった場合、その車の価値は損なわれてしまいます。

買取業者の査定を受けても廃車にするしかないと評価されることも多いのですが、逆に水没車を高価で買い取るというチラシを出している業者があります。

果たしてこれは信用できる業者になるのでしょうか。

水没車を持っている人にとっては魅力的に見えるかもしれませんが、業者としてはかなり怪しいところがあります。

表面上だけ手を加えてそのまま売却している可能性もあり、そのようなことをしている業者だとしたらトラブルが起きる原因になるかもしれません。

接触を避ける方が無難ですが、実際にやりとりをするとしても、本当に信頼できるのか慎重にチェックする必要があります。

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「被災地に回したいから売ってくれ」と脅された

被災地に車を回したいという考え方自体は悪くないどころか良いことですが、それを理由に契約を迫る業者もいます。

さらには良いことをするのだからと安く買い取ろうとする業者もあるのです。これも震災以降で増えた手口になります。

自分は良いことをしているのだからと強気に出てくるケースですが、それを理由に車の買取で脅しても良い訳ではありません。

このようなことをしてくる業者の場合、本当に被災地に車を回しているのかも怪しいです。

そもそも交渉の段階で、関係ない理由から脅しをしてくる業者の時点でやり取りはやめた方が良いです。

それでも食い下がってくるようなことがあれば、警察や国民生活センターなどしかるべき場所へ相談するようにしましょう。

トラブルに巻き込まれた場合の対処法!警察や国民生活センターに相談

電話に出る人

自動車買取の悪徳業者との間でトラブルが起きてしまった場合、自分一人で何とかしようとするよりも、警察や国民生活センターへ相談してください。

本当に困った状況だとうまく頭が働かず、自分だけで何とかしようと考えがちです。しかしこのような問題に対してしっかりと相談できる場所があるのですから、まず相談をしましょう。

国民生活センターは、消費者が抱える様々な問題に対処してくれます。消費生活に影響する問題の調査や研究を行っており、クレーム処理にも対応をしてくれます。

実際に車売却に関する様々な相談も行われており、それぞれの問題に対する対処法を指導してくれている実績があります。

窓口への相談だけではなく、土日祝日にも対応をしてくれる電話相談も可能になっているので、なかなか時間がとれない人でも安心できます。

それぞれの地域によって国民生活センターの問い合わせ先は異なるので、車売却で何かおかしいと感じることがあれば、問題がないのかどうかを確認する意味でも相談してみてください。

ほかにも「これは詐欺ではないか」と思える問題や、脅されるようなことがあれば、警察へ相談するのも1つの方法です。

できるだけ早い段階で相談することが解決への近道なので、「これくらいで大げさなのでは」と考えず、利用できるものはしっかりと利用していきましょう。

車買取に関わるトラブルを専門に対応した行政機関もあります。それが「JPUC(日本自動車購入協会)」です。いきなり警察や国民生活センターに電話するのは気が引けると感じる方は、まずJPUC(日本自動車購入協会)に相談してください。的確なアドバイスがもらえるでしょう。

トラブルがない買取店は大手の車買取業者がおすすめ

実際のところ、悪徳買取業者の多くは中小企業が多いです。

こう書いてしまうと、真面目に営業をしている買取業者に対して失礼になるかもしれませんが、種類が多くなるとそれだけ様々なタイプの業者が出てくるものなのです。

大手の買取業者の場合、悪評が広まれば大きなダメージを受けてしまいます。

大手買取業者の場合は、フランチャイズ制で独立採算になっていますが、大手だからこそのしっかりとしたガイドラインが用意されています。

そのため買取交渉の際には、このガイドラインに則った方法が採られています。

このような状況で強引な交渉を行ったり事後処理で問題を起こしたりしてしまえば、そのブランドイメージを損なうことになります。

そうすると本部からペナルティが課せられてしまうため、大手の系列店であればそれだけで安心できる材料になります。

また大手の車買取業者の場合は、本社直結の相談窓口を用意していることが多く、担当者とのやり取りでは話にならないときは相談先があるのもメリットの1つです。

これもまた各担当者が強引な交渉をすることを抑止する役割を持っているので、安心して買取業者を利用できるようになっています。

中小業者の方が柔軟に対応をしてくれるケースもありますが、安心感という意味ではやはり大手買取業者に軍配が上がります。

JADRI加盟店なら安心・安全のサービス対応

JADRI(日本自動車流通研究所)(出典:自動車流通研究所「JADRI」)

大手買取業者という基準だけではなく、JADRI(日本自動車流通研究所)加盟店を利用するのもトラブル回避のために有効な方法です。

JADRIでは加盟店に対して、

  • 再査定による減額を禁止
  • 売却後すぐのキャンセルに対してキャンセル料の請求を禁止

これら2つの自主規制を行っています。

この2つは車買取においてトラブルになりやすい部分なだけに、この2つが規制されているだけでも安心感はかなり違うものです。

もちろんこれはあくまでも自主規制であって、法的な規制ではありません。しかし加盟店になるためにも条件を設けており、厳しく取り締まっていることが分かります。

設立5年以上で、過去5年以内に関係機関による指導や摘発を受けていないこと、反社会的勢力との関係がないことなどが条件ですが、それだけにJADRI加盟店であるというだけで安心感に繋がっています。

JADRI加盟店なのかどうかは、JADRIのホームページ上からすぐに確認可能です。

それぞれの店舗ホームページを見てもJADRIについて記載されているとは限らないので、事前にしっかりと確認するようにしてください。

安心・安全に車買取業者を利用しようと考えているなら、しっかりと裏付けをとりましょう。そうすればトラブルに悩まされることなく、安心して車を売却できるようになります。