自動車の走行距離とは、その車のプロフィールを表す重要なファクターである。

それは、車査定において金額を決める検討材料であるのと共に、中古車を購入する際にもチェックすべき重要な項目の1つである。

なぜならば、走行距離を見れば、その車が前オーナーにどのように使われていて現在どのような状態にあるのかだいたい推測することができるからなのだ。

車の走行距離は様々であるように見えて、経年で割った年間の走行距離によって、ある程度の傾向が見えてくることがある。それによって、走った目的をプロファイリングしてくのである。

では、まずはどのような使われ方をすると、どのくらいの走行距離になるのか、その目安を紐解いていこう。

近所への買い物がメイン

あまり遠出をしない、しかし近所への買い物には車が必須である。そんなニーズが存在する。

これは、交通機関が整備されていない地方の高齢者世帯などに多く、軽やコンパクトカーが使われているケースが多く見受けられる。

この場合走行距離も、年間3,000km 5,000km程度に収まるケースが多い。3年間使われた車ならば、メーターは9,000km 15,000kmぐらいに留まっているはずだ。

このような車を中古車で購入する場合、一見すると走行距離も少なく、車査定でも高値がついて、優良な個体に思える。

ところが、短い時間でエンジンの入切を繰り返すことは意外にエンジンへの負担が大きい。購入するならば、エンジンの状態をしっかり見極めてからをおすすめする。

週末レジャーがメイン

主に、週末に中長距離の行楽地などへ行くために使われたという車。前オーナーは、ウィークデーは車に乗らず電車などで通勤し、週末だけ運転するという、都市部の会社員などだったと推測される。

ファミリーで利用するケースが多く、セダンやミニバンなどファミリーカータイプの車が多いようだ。

このケースの場合は、走行距離は年間5,000km 07,000kmほどである。3年使用されたならば、15,000km 021,000kmというところが目安になる。

車査定においても非常に高い価格がつくゾーンである。適度に使用され、また洗車などメンテナンスもしっかり行われていることも多いからだ。

しかし、いわゆる週末ドライバーがオーナーとなるため、事故率も決して低くはない。キズや事故歴もしっかりチェックしてから購入を検討するべきだ。

通勤への利用(片道10km以下)

毎日の通勤で利用された車のケース。いわゆる普段使いの足である。

都市部でも、主要な鉄道路線などから離れた住宅地などに住んでいた場合、10km以下の距離で通勤に使われることが想定される。

車種は軽からセダン、ミニバンやSUVなど、様々あり、過酷に扱われた可能性もあるからしっかりメンテナンスがされているか、購入する場合はチェックしたい。

このような場合、年平均で5,000km 10,000kmとかなりばらつきがある。これは、通勤日数や距離など影響されるファクターが非常に大きくなるからだ。

このあたりの年間10,000kmを超える走行距離から、車査定の結果に影響を及ぼし始める。

この様な使用をしている車を将来売却したいと考えているならば、その走行距離や車の状態に注意を払っておいたほうが良いだろう。

通勤への利用(片道10km以上)

片道10km以上の通勤に使われていた車の場合。公共交通機関が無い地域の通勤の足として使われていたと考えられ、年間の走行距離は10,000kmを超えてくるケースが多い。

車査定において、走行距離が最も影響を及ぼしてくる使われ方の1つと言えるであろう。自家用車においては、最も過酷な使われ方といって良いのかもしれない。

しかし、毎日長距離を利用する車のため、ラグジュアリー性が重要視されることも多く、セダンやミニバン、SUVなどの車種が見受けられるゾーンだ。

さらに、この様な使い方をするオーナーの中には、比較的クルマ好きが多く、しっかりとメンテンナンスを施し、大事に乗られていた可能性も多い。したがって、価格が安い上のに状態が良いという中古車も多く存在する。

車査定に走行距離はどの程度関係する?

車のメーター

車査定において、その車の走行距離は買取価格に影響を与えるのかと問われれば「イエス」と答えることが出来る。

前述のように、走行距離とはその車の由来来歴を端的に表す指標であるから、それを見ればその車がどのように使われてきたかを推測することができる。

つまり年式や需要と違って、それぞれの車の個性を表すのが走行距離である。

例えば、2台のフィットがあるとする。同じ年式、同じグレードで、どちらも事故歴も修復歴もないというケースは多い。しかし、2台の走行距離が全く同じということはなかなか無い。これが、この2台の価格の差を決定づけるのだ。

この様に最終的な価格決定に与える影響が大きい走行距離。これから車査定を考えているのならば、走行距離と査定価格の関係性を是非知っておくべきである。

標準的な目安になる中古車の走行距離は1年1万キロ

車のメーター2

車査定は基本的に加減方式である。プラスの要素があれば値段が上乗せされ、マイナスの要素があれば価格が減額される。

走行距離の場合、目安になる走行距離があり、それよりも少なければプラスの要素と考えられ、多ければマイナスの要素とされるのである。

その目安が、1年間で1万キロである。

前述のように、毎日の通勤に利用し、さらに週末のレジャーにも使用するなどしなければ、自家用車で1年間1万キロまではいかない。

しかし、1万キロ以上ではなく減額されないからと言って無視してはいけない。それより走行距離が短ければ、今度はプラス査定、つまりより高い金額で買い取ってもらえる可能性があるからだ。

1年1万キロを超えると査定は安くなり、超えないと高くなる

車のメーター3

車査定において、年平均の走行距離が10,000kmより多ければマイナス、少なければプラスと考えてよい。

自動車は意外と消耗品である。

自動車の部品の中には使われれば消耗するものもある。ゴムやプラスチックだけでなく、エンジンや足回りの金属部品も走れば走っただけ摩耗していく。走行距離が多ければ、それだけそういった箇所が消耗し、交換の必要が出てくる場合もある。したがって、走行距離が多いものはマイナス査定になる。

一方で、走行距離が短ければそういった消耗も少なく、交換すべき部品も少ないと考えられるのでプラス査定なのだ。

将来的に査定をして売却しようと考えるなら、高額査定を目指して、無駄に運転をしないで走行距離を伸ばさないようにする、というのもひとつの考え方である。

年数によって走行距離の平均は変わる

ドライバー視点

1年において1万キロが車査定額の加減の目安である。では、長く乗った車の走行距離の目安はどうであろうか。実は、1万キロに乗った年数をかければいいという単純なものではない。

長く乗れば乗るほど、前述の消耗部品の劣化は大きくなり、走行距離の影響が大きくなる。だから、使用年数によって目安となる年平均の走行距離を変えるというのが車査定の考え方である。

長く乗った車ほど、基準になる年平均の走行距離は短くなる。

4年までは年平均1万キロであるが、5年までは9,000キロ、6年までは8,000キロ、8年までが7,000キロで、9年以上となると年平均6,000キロが目安となる。

10年乗った車は、累算の走行距離が6万キロ以上だとマイナス、それ以下だとプラスの評価、というわけだ。

1年5000kmを超えない低年式走行車や過小走行車の査定は減額

ガレージに止められた車

高く買い取ってもらう為には、なるべく走行距離を伸ばさない方が良い。ならば、運転するのは最小限、近所への買い物くらいに済ませておいた車があったとする。さあ、さぞや高額査定になると思ったらそうではない。

車査定においては、走行距離が年5,000kmに満たない車は過少走行車とされ、さらにその車が低年式、つまり数年しか乗られていないような車だった場合は評価が低くなり、減額される場合もある。

あまり乗られていない車は、不具合があってもそれが表面化する機会がなく、隠れた瑕疵があると考えられているからだ。

さらに、前述のように短い時間でのエンジンの入切を繰り返した場合はエンジンにかかる負担が大きい。

車にとっては乗られないのもマイナスなのだ。

1年15000kmを超える過走行車(多走行車)の査定は減額

スピードが速い車

前述のように、年1万キロというのは相当な走行距離である。毎日10km以上の通勤に使用し、さらに休日にもレジャーで使うなど、たっぷり使われた車だと言うことができる。

それが、年15,000kmともなると相当な過酷な使われ方である。

国土交通省の「継続検査の際の整備前自動車不具合状況調査」によると、自家用乗用車の年間走行距離の平均は10,575kmであるから、自家用車の平均を遥かに超えて使われた車ということができる。

こういった使われ方をした車は過走行車(多走行車)とされ、これも車査定の際に減額の対象とされる。

多く走りすぎた場合はかなりの消耗が考えられ、交換すべき部品も多くあるであろうと考えられるからだ。

車は機械製品だから定期的に動かして性能を維持する

車のエンジン

車の可動部分は多くが鉄などの金属でできている。鉄はご存知のように放っておくと錆びる。また、金属はぶつかりあうとお互いを削り合い、摩耗していく。

このサビと、金属の摩耗を防止するために、エンジン内部や駆動部分に封入されているのがオイルやグリスなどの油脂類である。このオイルなどは、車輪やエンジンが駆動することで各所に循環され、有効に作用する。

ところが、長い間駆動しないでおくとこのオイルが落ちて金属表面が乾いてしまう。するとサビが発生し、表面が乾いた金属部品が擦れあって摩耗が激しくなる。

だから、車は定期的に動かさなくては性能を維持できないのである。

車査定においては、走行距離だけでなく、定期的に動かしているかも重視されるのだ。

走行距離が査定に重要視される理由

ボンネットの中を覗き込む男性

国土交通省では、自動車ユーザーが車の故障などの不具合情報を通報できる「自動車不具合情報ホットライン」というシステムを設けている。

平成22年度にこの「自動車不具合情報ホットライン」に寄せられた不具合情報を、その不具合の内容により分類・分析した資料が存在する。

その資料の中で、「走行距離別不具合情報割合」という分析結果があり、これを見ると走行距離と故障率の関係が分かってくるのだ。

その分析によると、全部で3,862件あった不具合(故障など)の情報のうち、走行距離が1万キロ以下の車による不具合が415件、1万キロ超5万キロ以下が1,107件、5万キロ超10万キロ以下が1,087件、10万キロ超が569件となっている。(残り684件は不明)

これを見ると、1万キロ超5万キロ以下の車による不具合が全体の28.7%、5万キロ超10万キロ以下が全体の28.1%となっており、このゾーンで過半数を超えている。

さらに、同じ資料に「走行距離・装置別不具合件数」という分析結果もある。これによると、原動機(エンジン)の不具合は、走行距離が1万キロ以下の車では116件、1万キロ超5万キロ以下が285件、5万キロ超10万キロ以下が393件と、走行距離に比例して不具合が多くなっている。

これは、動力伝達装置(ギア、クラッチ)も同様で、走行距離が1万キロ以下の車では59件、1万キロ超5万キロ以下が174件、5万キロ超10万キロ以下が195件。やはり、走行距離が多くなると故障も増えている。

(10万キロ超になると原動機、動力伝達装置ともに不具合件数が減るが、それは10万キロを超えたら車を手放すユーザーが多いためである)

国土交通省のこの資料でもって、走行距離が伸びれば、それだけ不具合の発生件数が増えてくるということが立証されている。

多く走った車は、それだけ故障する確率も高い。これが、走行距離が伸びると車査定においてマイナス評価となる理由なのである。

年式に比べて走行距離が少ない中古車は大丈夫?

草原に車

高年式なのに、走行距離が少ないという中古車には、大きく分けて二つのパターンがある。

1つ目は、長い間動かしていない車だというパターン。前オーナーが病気や怪我などの理由で運転ができなくなり、ガレージなどに長い間動かされずに放っておかれた自家用車が、親族などの手により売りにだされる、といった事例が考えられる。

2つ目は、車の使用目的が近くへの買い物など、短距離に限られていたというパターン。地方の高齢者世帯などに多く見られるケースだ。

これらの車は、車査定にでもマイナス評価が与えられる。

長い時間放っておかれた車は、隠れた部分にサビ等が発生していたり、クラッチなどが固着して動かなくなっている可能性がある。

短い距離での使用を繰り返されていた車は、一見不具合はなさそうだが、エンジンに大きなダメージを負っているかもしれない。

エンジンは、ある程度の時間稼働しておかないとオイルなどが駆動部に行き渡らなくなり、短い駆動を繰り返すと中の金属部品などの摩耗が大きくなってしまうのである。

このように、走行距離が少ない中古車の場合は、隠れた所に不具合がある可能性があるので、良くチェックし、見極めてからの購入をおすすめする。

中古車の査定が下がる目安の走行距離

車のメーター4

車査定において走行距離は重大な影響を与える。そうは言っても、それは年1万キロを目安に、それ以上走っているか、走っていないかによって多少の加減がある程度である。

しかし、積算の走行距離に考えを移してみると、車査定において査定額を大きく下げる要因となる目安の走行距離というのがあるのである。

その走行距離を超えた車は市場で途端に人気が無くなり、需要が減る。中古車販売店の店頭に並んでも、売れなくなってしまうのだ。従って、その様な車は査定額も大幅に減額される。

その目安となる積算の走行距離とは5万キロと10万キロだと言われている。

一体なぜ、5万キロと10万キロを超えた時点で需要が減るのであろうか。

国産車は「5万キロ、10万キロ」

かつて「車の寿命は10万キロ」という説があった。

前述のように過走行かそうでないかの目安となる走行距離は、1年1万キロである。ざっと計算すると、10万キロとは10年間乗り続けた車ということになる。

この10万キロ寿命説は、車の部品が消耗品であることに由来している。どんなに上部な部品であっても、長く乗ればやがては交換が必要になってくる。

そして、エンジンにおいて最重要とも言えるタイミングベルトやオルタネーターが、10万キロが交換の目安と言われているのだ。

これらの部品は交換するのにも多額の費用が必要である。それならばと、このタイミングで車を手放す人が多くなる。それ故に、車の寿命は10年といわれているのだ。

では、5万キロはなぜか?やはり1年1万キロの走行距離の目安に照らし合わせてみると、5万キロとは、およそ5年乗り続けた車と推測できる。

新車から乗っていたのなら、5年とは2回めの車検の時で、やはり心理的に車を買い換えるタイミングでもあると言えるのだ。

この様に、車査定の減額となる目安の走行距離は、人が車を手放したがるタイミングに起因することが多い。中古車として供給が多いと共に、敬遠する心理も働くからだ。

輸入車(外車)は「3万キロ」

「車の寿命は10万キロ」という説を書いたが、もちろん10万キロを走った車はすぐに乗れなくなるわけではない。

特に近年の日本車においては非常に信頼性が高く、誰もがそう簡単に壊れないということは承知している。それでも、10万キロというのは心理的な壁として、手放すタイミングとなっているのだ。

では、輸入車の場合はどうだろう。輸入車は、日本車に比べて壊れやすいという認識を持たれている。無論、最近の輸入車は日本車に劣らない耐久性を持つようになっているが、人々の心理の影響から、日本車よりも短い走行距離で手放すタイミングがやってくる。

それが、3万キロである。車査定においても、3万キロを超えた輸入車は減額される傾向にある。

かつて、輸入車ディーラーは輸入車の保証の上限を3年としていたところが多かった。近年では、5年無料保証を謳うディーラーも現れるようになったが、数年前までは「1年無料保証、有償でプラス2年保証」などのディーラーがほとんどだったのだ。

従って、輸入車の場合、3年、つまり走行距離で言うと3万キロが手放すタイミングとなりやすくなったのだ。

それ故に、車査定においても輸入車は3万キロが減額の目安となっている。

【注意】メーター改ざん・巻き戻し問題

国民生活センターにこんな相談が寄せられている。

「中古自動車を購入した所、実際には12万キロの走行距離だったのに、メーター表示は8万1,500キロと表示されていた」(参照:国民生活センター「中古車のメーター改ざんと重要事項の不実告知」)

「走行距離3万キロの車を購入して、売却のために車査定を受けたら走行メーターが巻き戻されていると指摘を受けた」

この様な、悪質な「メーター改ざん・巻き戻し事案」は毎年多数報告されている。

中古車販売店にとっては、走行距離が多い車は売れなくなるし、走行距離を低く表示した方が高く売れる。そこで、悪質な業者の中には、メーターを改ざん・巻き戻しして、走行距離を偽り、高く売ろうとする者がいるのだ。

メーターの改ざん・巻き戻しは実に簡単である。アナログ式のメーターは取り出してメーターを巻き戻せばよいし、デジタル式のものも交換したりデータを書き換えたりすることで改ざんが可能である。あとは、整備記録簿などを書き換えれば良い。

しかし、当然ながらこれらの行為は違法である。

日本中古自動車販売協会連合会によると、こうしたメーター改ざんなどの買い主が容易に気づくことができない欠陥のことを「隠れた瑕疵」と言い、「隠れた瑕疵」によって契約の目的が達成できない場合には、契約を解除し、代金の返還を要求できるとある。

また、民法95条によると、自動車売買において、メーター改ざんなどの要素の錯誤があったときには、契約の無効を主張できるとある。

日本オートオークション協議会はオークションに出品された中古車の走行距離データを蓄積し集中して管理することで、走行メーターの改ざんを防止する「走行メーター管理システム」を導入。(参照:自動車厚生取引協議会「走行メーター管理システム」)

自動車公正取引協議会でも、走行メーターが交換された車には「走行距離計交換歴シール」、また走行メーターの改ざんが判明した車には「走行距離計改ざん歴車シール」を貼り、走行距離の適正な表示を促している。

しかし、こういった悪徳業者の事例は後を絶たない。

中古車を購入する際は、不自然な走行距離でないかを見極め、不安ならば第三者の業者にチェックしてもらうことをおすすめする。

悪者

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走行距離はどの程度査定に影響しているのか?

整備士

走行距離はどの程度査定に影響するのか、買取カービューの「走行距離別・中古車買取」を参考に、人気車種ごとに比較してみようと思う。(車種は全て2017年発売のもので統一しています。)

メーカー 車種名 走行距離
30,000km 70,000km 100,000km
トヨタ プリウス 155.0万 141.4万 135.7万
ノア 199.0万 180.4万 172.6万
日産 セレナ 139.0万 123.6万 117.1万
ノート 119.9万 112.5万 109.4万
ホンダ フィット 80.2万 73.4万 70.6万
Nボックス 80.4万 67.0万 不明
スズキ ワゴンR 60.0万 54.0万 51.5万
ダイハツ ムーヴ(カスタム) 62.2万 56.0万 53.5万

上記の表を見てもらうとわかると思いますが、70,000km⇒100,000kmでは価格がそこまで落ちていない。しかし、30,000km⇒70,000kmになると大きく査定額が落ちていることがわかる。

この比較の結果から、50,000kmあたりが一つの目安となってくることがわかる。しかし、注意してほしいのが査定額というのは走行距離だけで決まるわけではないことだ。実はほかにも大きく影響する部分がある。

査定額は走行距離以外の部分が大きく影響している

相談をする男性

車査定において、走行距離が大きな影響を与えているということは事実である。しかし一方で、車一台の査定額を決定するというプロセスにおける全体の流れを見てみると、やはり走行距離は一要素に過ぎないという言い方もできる。

つまり、最終的な査定額を決定する際には、他にもチェックしなければいけない項目が様々にあり、それぞれ一項目では価格を決める決定打にはならないのだ。全ての項目が影響しあって最終的な査定額が決まるのである。

走行距離以外で車査定に大きく影響を与える重要な項目とは、年式、車両の状態、事故歴・修復歴、そして需要の4項目である。ここでは、参考までにそれぞれどのように査定額に影響を与えるかを見てみよう。

年式

車査定の際に、愛車の年式を極端に気にする人がいる。

年式は、その車が何年に製造されたかを示すものであるから、走行距離同様に車の古さを指し示すものとも言える。しかし、年式は走行距離ほどには車査定に影響を与えない。

なぜなら、ある年式で作られた車は、その年ごとのグレードやタイプにある程度特定されてしまうためである。人気のあるグレードやタイプの差はあり、そちらの方が重視されてしまうため、年式を気にして車を選ぶ人はあまりいない、ということになる。

従って、年式を気にしても車査定において影響はあまりない。

ただし、人気のあるグレードやタイプによって人気の年式というものも存在するので、単に古いから安いという考え方ではなく、人気の年式かそうでないかで判断すべき項目である。

車両の状態(内装・外装)

走行距離同様に、車査定に大きな影響を与えるのが内装や外装などの車の状態である。

内装や外装の状態を見れば、オーナーがどれくらいその車を大事にしていたかがある程度推測できる。

内装がゴミだらけであったり、破れやほつれがあったり、外装に汚れやキズなどが多数あるような車は、大切に扱われていたとは言い難いものである。その様な扱いを受けた車には誰も乗りたがらないものであるし、メンテナンスもろくにされてないと判断され、駆動部分の状態も疑って見られる場合が多い。

その様な車が査定において高額で買取られるとは考えにくい。相当の減額があると容易に推測できるであろう。

車査定を受ける前には、洗車や内装の掃除は必須であると心がけておいて欲しい。

事故歴・修復歴

事故を起こした車は車査定において減額されると考えている人は多い。しかし、事故歴そのものは査定で走行距離ほどの大きな影響は与えない。

警察庁によると、平成28年度の交通事故件数は約50万件であるから、事故を起こした車というのはかなりの数存在する。だから、車査定において事故歴はあまり重要視されない。

それよりも、どのような事故を起こしてどのような修復をしたかという修復歴の方が重視される。

凹んだ傷ついた程度の事故ならば問題視されないが、フレームが損傷してしまうような大きな事故で、その箇所を修復した車の場合、「修復歴あり」として査定額が減額されてしまう場合がある。

このような減額を恐れて事故歴を隠して査定を受ける人がいるが、事故歴を隠すと後々損害賠償の対象になるなど良いことはない。

事故歴は、正直に申告しよう。

需要(各買取店による)

これまで挙げてきた項目も、そして走行距離も、車査定の最終的な金額を左右する大きな項目である。

しかし、その車のベースになる金額を決定するものは別に存在する。それが「需要」である。

そのメーカーの、その車種の、そのグレードの車は、中古車市場でどのくらいに人気があるのか、幾らぐらいならば買い手が付くのか。それぞれの中古車販売店が独自に判断して金額をつけているのだ。

そこから、キズの有無や内装外装の状態、そして走行距離などをチェックし、査定額を加減していくのである。

だから、多少のキズでも需要が大きい車種ならば減額も少ない、などの判断がされることもある。

しかし、良く売れる車、得意な車などは販売店によって違うので、それぞれの需要も違う。従って、車査定の金額も違ってくるわけなので、複数の業者に査定してもらうことをお勧めする。

走行距離別の査定金額の加減

車が並んでいる

中古車査定には、それぞれの車がどのクラスに属するかによって加減の具合を変えるという考え方が存在する。

同じような修理が必要な車が2台あったとしても、その部品代や修理費は、軽自動車と高級サルーンでは大きな差がでる。過走行したことによって、同じタイミングベルトなどの交換が必要だったとしても、ワゴンRのタイミングベルトよりもセルシオのタイミングベルトの方が高額である。この差を無視していては公正な車査定ということはできない。

この差を無くして公正な査定を行うために設けられたのが中古車査定のクラス分けである。

従って、同じ走行距離でもクラスによって加減額が変わってくるのである。そこで、クラス別の走行距離での加減額をみてみよう。

データ

【全車種掲載】査定額を左右する「自動車のクラス別係数」一覧まとめ

中古車買取とは、車をお金に換算する作業であり、中古車査定とは金額という価値を決め……続きを読む

特C・Bクラス

特Cクラス、特Bクラスは、国産車の中古車査定のクラス分けにおいて最上位に位置するクラスである。

特Cクラスに属するのはセンチュリーやGT-R、特Bクラスには、セルシオやシーマなど、高級車種や人気車種がラインナップされている。

従ってこの走行距離による加減ポイントも、非常に大きいものとなっている。

例えば、4年乗った車の場合、積算の走行距離が4万キロならば加減ポイントはゼロであるが、2万キロならばプラス170ポイント。1ポイントは1,000円で計算するので、17万円の増額である。

一方で、4年で6万キロの過走行の場合、マイナス225ポイント。つまり、22万5,000円もの減額とされてしまうのである。

このように、このクラスでの走行距離の問題は、査定額に与える影響が非常に大きいと言うことができる。

特Aクラス

中古車査定における特Aクラスに属するのは、トヨタのマジェスタやソアラ、日産のシーマ、ホンダのNSXなどである。

このクラスも人気車種や高級車種がラインナップされていて、走行距離が査定額に与える影響が大きいことが考えられる。

例えば4年乗った車が2万キロしか走っていなかった場合はプラス125ポイント、12万5,000円の増額であるが、同じく4年で走行距離6万キロの場合はマイナス170、つまり17万円の減額である。

さらに、8年落ちの車の場合、7万キロ走っていた場合はマイナス60、つまり6万円の減額、8万キロだとマイナス130、13万円の減額である。

これは、年数が増えていけば、基準となる年間平均の走行距離が少なくなっていくという考え方によるものである。

Iクラス

Ⅰクラスは、中古車査定のクラス分けにおいて、上から4番目に位置するグレードである。

このクラスには、トヨタ・クラウンや、アルファード、日産のグロリアやセドリック、エルグランド、フェアレディZ32系など、クルマ好きに人気のスポーツカーやラグジュアリーカーが主にラインナップされている。

他のクラスと同じく、4年落ちの車で走行距離と査定額の加減割合を比べてみると、2万キロでプラス110ポイントだから11万円の増額。6万キロではマイナス145ポイントだから14万5,000円の減額である。

8年落ちの場合は、3万キロしか走ってなければプラス120ポイントで12万円増、7万キロでマイナス50ポイントで5万円の減額である。

まだまだ、走行距離による査定額の差が大きいクラスと言える。

Ⅱクラス

トヨタのマークXや、エスティマ。日産のスカイライン、フェアレディZ33/34系。ホンダのオデッセイ、マツダのRX-8などが属するのが、中古車査定におけるⅡクラスである。

やはりクルマ好きに人気で、しかも若干平均レベルに近づいてきている車種が多いと言うことができる。

この辺りから徐々に走行距離が査定額に与える影響が少なくなっていくようである。

4年落ちの場合、2万キロでプラス80、8万円増。6万キロでマイナス105ポイント、10万5,000円減、といった具合である。

当然ながら、その影響は年数が重なるに連れて小さくなっていく。

6年落ちの場合、走行距離6万キロはマイナス30ポイントで、7万キロだとマイナス70。その差は40ポイント、4万円もある。

しかし、9年落ちの場合、9万キロでマイナス65、10万キロだとマイナス90ポイント。その差は25ポイント2万5,000である。

Ⅲクラス

中古車査定において基準となり、もっとも平均的なゾーンであるとされているのがこのⅢクラスである。従って、査定におけるクラス係数もゼロである。

トヨタのプリウス、ノア、ボクシー。日産のシルビア、ブルーバード、リーフ、セレナ。三菱のギャラン、ランサーエボリューション。

ホンダのシビック、アコード、インサイト、ステップワゴン。マツダのロードスター。スバルのレガシィ、フォレスターなど、各社の主力となるような車種がラインナップされ、一般的な自家用車が揃うボリュームゾーンである。

4年落ちの場合、走行距離2万キロでプラス60ポイント、6万円増。6万キロでマイナス80ポイント、8万円減である。

走行距離による加減も平均的な数値を示すクラスである。

Ⅳクラス

近年需要も増えて注目されているのが、Ⅳクラスである。

中古車査定におけるⅣクラスには、コンパクトカーや若年ファミリー向けのコンパクトワゴンなど、比較的安価で利便性の高い人気車種がラインナップされている。

トヨタのカローラ、ヴィッツ、パッソ、bB、シエンタ。日産のサニー、ノート、キューブ、マーチ。ホンダのフリード、シビック、フィット、CR-X。マツダのデミオやファミリアなどがそれである。

走行距離が査定額に与える影響も少なくなってきており、4年で2万キロならばプラス50ポイント、5万円増、6万キロならばマイナス65ポイント、6万5,000円減である。

普段使いされる車が多いことから、走行距離もそれなりに多くなることが推測できるクラスである。

軽自動車

文字通り、軽自動車が属するのが軽自動車クラスである。

主な人気車種としては、トヨタのピクシス、日産デイズ、ホンダのN-BOX、ダイハツ・ミライース、タント、スズキのハスラーなどだ。

近年の不景気の影響で、維持費の安い軽自動車の人気が非常に高まっている。中古車販売業者の中には軽自動車を専門に取り扱う業者もあるほどだ。

車査定においても意外と高額がつくことから、どの業者に売るかはしっかり吟味したいクラスである。

普段使いされることが多く、また長く乗られることも多いので、走行距離は長くなりがちである。

4年2万キロでプラス30、3万円増。6万キロでマイナス70、7万円減。9年でも、9万キロでマイナス60、6万円減と、走行距離による査定額への影響は最も小さい。

まとめ

メモを取る

車において走行距離とは、その車のプロフィールを表しているものである。つまり、年平均の走行距離を見れば、週末レジャーのみに使用されたのか、毎日の通勤に使用されたのか、だいたい推測することができる。

だからこそ、走行距離が車査定に与える影響も決して小さくはない。

目安となるのは4年経過まで1年平均1万キロとされるが、5年までは9,000キロ、6年までは8,000キロとその目安の距離も減ってくる。

これより走行距離が多くなれば車査定ではマイナス評価とされ、年1万5,000キロを超えると過走行車として評価がさらに低くなる。

走行距離が増えれば消耗する部品も多くなり、国土交通省の調査にでは、走行距離が多いほど故障率も高くなることがわかっているからだ。

しかし、一方で年式の割にあまり走っていない過少走行車も評価は高くない。車は定期的に動かすことでその性能を維持するからだ。

さらに、5万キロ、10万キロといった目安の走行距離を超えた車は市場における需要が減る傾向にある。そのため、悪質な業者による走行メーター改ざんが近年大きな問題となっている。

このように、車査定において走行距離は内装外装の状態や修復歴、その車種の需要と共に金額を決定させる重要なファクターであるが、それぞれの車のクラスによって、加減率が変わってくることも忘れてはならない。