不要になった車を売ろうとしたり、すでに持っている新しい車から買い替えたりしようとすると、買取や下取りといった言葉を目にすることになります。
それなりに目にする言葉ではあるのですが、どういう意味を持っているのかについては曖昧な理解になってしまうものです。
まずは車の買取と下取りの違いについて簡単にまとめておきます。
車の買取と下取りの違い | ||
---|---|---|
車買取 | 車下取り | |
特徴 | 専門的に中古車の買取を行う業者 | ディーラーが買い取って新車購入の値段から引く |
メリット | 査定額が高い | 新車購入まで一連の流れでできる |
デメリット | 手間がかかりやすい | 査定額が安い |
両者の大きな違いは、査定額だと言えます。
少しでも愛車を高く売りたい場合には、下取りを使わないでください。
車売る方法は『5つ』売却前に絶対知るべき注意点
また、車買取のデメリットとして手間がかかることを挙げましたが、その理由は自ら複数の業者に査定を出し、最も高い査定額を出してくれる買取店を探すことになるからです。
ただし、その手間も一括査定というサービスを利用すれば解消されます。
車を高く売るおすすめの方法はコレ | |||
---|---|---|---|
方法 | 手続き | トラブル | 高価買取 |
ディーラー下取り | 〇 | 〇 | × |
個人売買 | × | × | △ |
ネットオークション | × | × | △ |
中古車買取店(持ち込み) | 〇 | 〇 | △ |
車一括査定 | 〇 | 〇 | 〇 |
車買取(査定)とは”所有している車を業者に売ること”
買取がどのようなものであるのか、簡単に言ってしまうと、所有している車を業者に売るということです。業者に車を買ってもらうという言い方も出来るでしょう。
基本的に相手は中古の車買取店となり、みなさんも良く知るガリバーやビッグモーターなどで車を売ることになります。
車の売買を1回行うだけで終わる、手続きの中では極めて簡単なものです。もしも単純に、持っている車を手放したいということであるのなら、買取の形を取ることになります。
そして、車がどれだけの金額で買い取ってもらえるかを決めるのが、査定になります。
原則として、査定は車を売ることを前提として販売額を調べてもらうことです。もし単純な好奇心で自分の車の値段が知りたいだけなら止めておきましょう。
あるいは、何かしらの事情で車を売ることを検討したいのなら、インターネットでおよその値段を調べることも可能です。
ともあれ、車の査定をしてもらうのなら、ポイントがいくつか存在します。車種そのものの需要、年式や走行距離です。また、車の傷、タイヤやエンジンの状態なども関わってきます。
具体的な査定に基準に関しては「JAAI一般財団法人日本自動車査定協会」が定めています。
査定へ向かう前に洗車などを行っておくことで、評価が上がることもあるので、意識しておくと良いでしょう。
車買取のメリット
車買取の主なメリットは専門性の高さです。それは買い取り額の高さとして、顕著に表れます。
車買取は中古の車買取店で行われるものです。彼らは専門的に中古車を扱っているため、中古車売買のノウハウを持ち、高く車を買ってくれます。
相手が専門家なので、向こうのいいように買い叩かれてしまうのではないかと不安になる方がいるかもしれませんが、原則としてはそのような悪徳業者は決して多くありません。もしも不安なら、事前にインターネットなどで店の評判を調べておくことも出来ます。
また、その専門性の高さは中古車業界に対する知識の深さも挙げることが出来るでしょう。
中古の車買取店は中古車の査定について、ディーラーよりも深い知識を持っています。そのため、より精確な買い取り価格を提示してくれることでしょう。
例えば、マフラーやエアロパーツに社外品を使用している場合、ディーラーはその部分を評価しません。しかし、中古の車買取店はそこについても評価をしてくれます。
中には装飾品として社外品を付けている人もいるでしょう。こうした点でも値段が変わって来るのが、車買取のメリットと言えます。
車買取のデメリット
車買取のデメリットを一言にまとめるのなら、手間と言うことになります。まず、車を売る場合には複数の店舗で査定を行い、より良い条件の相手を選ぶのが常です。
しかし、中古買取店の場合、買取店同士には横の繋がりが無いため、多くの時間を取ることになります。そのせいで余計なトラブルに発展する可能性もあるでしょう。
そして、1つの店舗で売ろうとすると、より良い条件で売れる可能性が無くなるため、買取のメリットである買い取り額の高さを生かすことが出来ません。
手間をかけて高く売るか、手間を惜しんで安く売るか、どちらが良いかは一概に言えないところがあります。
もう一点大きな手間と言えるのが、次の車を購入することです。今後車を使う見込みがないので手放すための買取であるなら、問題とは言えません。
しかし、車を使う方は基本的に継続して車を使うことが多いはずです。車の買取はあくまでも車を売るだけなので、次の車を探すにはまた時間を取る必要があります。
また、買い取り店に車を売却すると、次の車が入るのとタイミングがずれることは少なくありません。代車による対応もしてもらえるでしょうが、ここでも不便や余計な時間が発生してしまうでしょう。
車の下取りとは”ディーラーに売却すること”
車買取に関する説明を行いましたが、それと車の下取りにはどのような違いがあるのでしょうか。手間を惜しまないのであれば、買取の方が良いのではないかと思う方もいるでしょう。
それはある意味間違っていません。ですが、車の買取と下取りは、まったく意味合いが異なるのです。
消費者は二つの点で中古車と関りをもっています。一つは現に車を所有しているユーザーが、その車を下取りに出し、新たに新車を買い換える場合です。もう一つはユーザーが中古車を買う場合です。
これを理解していないと、車の売買を行う上で、大きな損をしてしまうことになってしまいます。
車下取りの際に車を買い取るのは、中古の車買取店ではなく、新車のディーラーです。そして、売った側は新車を買うことになります。
つまり車下取りとは、新車ディーラーに車を買い取ってもらうことで、その売却金額を次の車の購入金額に充てることなのです。そうすることで、不要になった車を売ってから、次の車を買うまでの流れを一括化できます。
車を使う人というのは、基本的に生活のリズムの中に車の使用が織り込まれているもので、一時的にでも車が使えなくなってしまうと、大きな不便を被ることになってしまいます。
下取りであれば、そうした余計な時間を作らずに一から十までスムーズな流れで行うことが出来るのです。
そして、査定が重要になるのは下取りにおいても変わりません。下取りにおいては、査定において算出された額の分、新規に購入する新車の値段から引かれることになります。
査定で高い値が出れば出る程、新車を安く購入することが出来るわけです。そのため、査定の際により良い状態の車を持ち込む方が良いのは、下取りと同じになります。
加えて気を付けるべきなのは、新車ディーラーの査定では社外品パーツは評価されず、むしろマイナスになる可能性が高いということです。
純正品を使っていない車を使用する場合には気を付けましょう。また、車検に通る車であることは、下取りをしてもらう上での最低条件になります。
ディーラーで車下取りするメリット
車下取りを行うメリットは、何と言っても手間の少なさです。相手は新車ディーラーなので、基本的に1対1の取引を行うことになります。そのため、複数のディーラーを相手にして、余計なトラブルを抱え込むことはありません。
また、新車ディーラーの目的は新車を売ることです。新車を買ってもらえるように、サービスを意識した取引を行ってくれるでしょう。
不要な車を売る側も、最終的には新車を手に入れることが目的です。お互いの目的が一致していることもあって、取引はスムーズに進みます。
車を使う人にとって一番ありがたいのが、新車が納車されるまで、元の車を持っておける点です。
下取りの場合、納車によって取引が終わるので、スケジュールは客に主導権があります。代車のことを考えず、すぐに新車に取り換えることが出来るのは、下取りの強みです。
車に積んでいる様々な荷物をいちいち入れ替えずに済むという点も、大きな魅力でしょう。また、手続きにおいても車を買い取ってもらうことと新車の購入が一括して行われるので、ここでも余計な手間は一切発生しません。
こうした作業を逐一行うのは、思っている以上に面倒なものですから、手間を省略できるのが下取りの強みと言えます。
ディーラーで車下取りするデメリット
もちろん、下取りも良い点ばかりではありません。それは新車ディーラーが中古車を専門的に扱っていないために起きることです。
当たり前と言えば当たり前なのですが、これを意識せず、車の販売を行う人は全て等しく専門知識を持っている、と考える人は少なくありません。
新車ディーラーが中古車の専門知識を持っていることは少なく、結果として精確な査定を行ってもらえるとは限らないのです。
こうした中古車の専門性が無いことが、査定額の低さに繋がります。もちろん、下取りに関するキャンペーンを行う際、より高く買い取ってもらえるケースもあるでしょう。
しかし、原則として新車ディーラーは中古車を買い取ることに力を入れていないため、どうしても査定額は低くなってしまうのです。
加えて純正品のパーツを使っていない場合、それがマイナスに評価されることもあります。特に車検を通らない車であるのなら、下取りは行ってもらえないことが常です。
また、下取りによる値引きのせいで、他に発生する値引き額が曖昧になってしまうこともあります。
もちろん、そういった悪辣なことを行う業者ばかりでもありませんが、万が一はあり得るでしょう。下取りの際には、きちんと値引き額について意識をしておく必要があります。
“車買取と”車下取り”の違い
このように話したところで、車買取と下取りの違いは見えてきたものと思います。
そもそも、車買取と下取りでは行っている場所が違うのです。車買取は中古の車買取店で、下取りは新車ディーラーで、それぞれ行われています。
そして、それぞれに店舗の性質が違うため、同じ車を売るにしろ、得られる結果が変わってしまうのです。
単純な話をするのなら、車買取の方が高額で車を売れる可能性があり、下取りだとかかる手間を最小限に抑えることが出来るといった所でしょう。
車を売るに当たっては、それぞれがどのような特性を持っているのか、何よりも自分が車をどのような形で売りたいのかを、しっかり認識しておく必要があります。
車買取と下取りのサービス内容の違い
かつて不要になった車を売る際には、廃車にしてお金を払うか、下取りに出して新しい車を買うかしか選択肢は無かったものです。しかし、車買取を行う業者は年々増えており、車を売る側に自由な選択の幅が与えられるようになりました。
下取りを行う場合、交渉相手は新車ディーラーに限られます。新車を購入するところまで取引が続くので、その分のサービスはあるでしょう。
また、新車ディーラーにとっては、下取りで新車を売れた相手は今後も客になってくれる可能性のある相手です。店の立場だと、サービスを行うのは当然と言えます。
その意味だと、車買取の場合、不要な車の取引を行うだけの関係です。その分、サービスはあまり大きくありませんが、車買取は1つの業者だけにこだわる必要もないのです。
手間を惜しまないのであれば、複数の業者を比べて、自分にとって条件の良い場所を探すことも出来ます。
そうした事情を意識しているためか、中古の車買取店の側でも、インターネットなどで極力取引が容易に行えるよう、間口を広くしているケースが見られるでしょう。
手間の多さという問題を抱えていますが、それを簡略化できる店も少なくは無いのです。
買取専門店と下取りの価格を比較
車買取と下取りでは、行っている店舗の分類そのものが違います。車を売る側にとってみれば同じように車を売る相手に見えますが、店の立場では、どのような形で車を買い取りたいのかが違うのです。
車買取では買った車を売ることが目的であり、下取りでは新しい車を売ることが目的になります。結果、それぞれ店の方では査定の基準が全く異なったものとなり、査定額に違いが出てくるのです。
中古の車買取店では査定において、車そのものがどの程度の価値を持つのかが問題になります。そのため社外品パーツなども評価され、純粋に車の状態が評価の対象となるのです。
対して、新車ディーラーにおいては、自社の車を営業する一環として査定を行います。そのため、買取の方が査定価格は高くなる傾向があるのです。
そこでは、買取における査定額の平均が873,977円、下取りにおける査定額の平均が724,222円という結果が出ました。
どちらが高価買取が可能か?
間違いなく『買取専門店』
上記の通り、高く買い取ってもらえることを目指すのであれば、買い取り専門店を頼る方が高額で買い取ってもらえる可能性は高くなります。
もちろん、一部のキャンペーンなどの兼ね合いで下取りの査定額が高くなる可能性もあります。また、新車を買う予定があり、代車の手間を惜しむのであれば、下取りにも十分な価値はあるでしょう。
しかし、安定して高いのは買い取り専門店です。
車買取と下取り、どちらが良いかは最終的には個人の生活スタイルによって変わって来るでしょう。より高く車を売りたいのなら車買取の方が良いですし、手間を少なく車を買い替えたいのなら下取りの方が優れています。
そこには新しい車を必要としているかという価値判断も入って来るでしょう。
ですが、先述した通り、それぞれの平均査定額にはおよそ100,000円以上の差があります。これはフルタイムのアルバイト1か月分と同じ程度であり、決して少ない額とは言えません。
自分の普段の収入と比べて、費やすことになる時間とそれだけ働いて得られる収入と比べてみれば、自分にとってこの手間がどれほどの価値を持つのか、客観的に算出することが出来るでしょう。
簡単に高い買取専門店が見つかる「車一括査定」
車買取で高く車を買い取ってもらおうとする際、有効な手段が車一括査定です。
車一括査定とは、一度に複数ある買い取り業者に査定依頼できるサービスです。いちいち買い取り店へ向かって査定を行う必要もないので、手間も節約できます。