車査定、一括査定サービスを利用する前に注意してほしいことがある。それは以下4つのことを事前に調べておくことだ。
そのほか、査定でよく起こるトラブルについても知っておこう。
車の売却の最大の目的は愛車を高く売ることだ。一括査定サービスはその目的に最適だと言えるからだ。
買取価格をアップさせる方法 | |||
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方法 | おすすめ度 | ||
一社の買取業者と交渉 | 交渉が難しくなる | ||
複数の買取業者を回って交渉 | 時間・労力がかかる | ||
車一括査定を利用 | 短時間で交渉の必要もない |
1.愛車の相場を大体把握しておく
査定を受ける前に最初に知っておきたいのが「自分の車の買取相場」。
相場がわかれば、自分の車がいくらで売却できるのかといったことの目星をある程度つけることができるので、その後の行動がとりやすくなる。
特に買取業者から提示された査定額が高いのか低いのかを判断できるようになるのは大きなポイントだ。
【精度低】車下取り相場の調べ方
車下取り相場の調べ方だが、トヨタの公式サイトにある「下取り参考価格情報」が参考になる。
このページでは自分の車の情報を入力することで、下取り参考価格がわかるシミュレーションを行うことができる。
「メーカー・車名・年式」、「ボディタイプ・モデル」、「グレード・仕様」の3つの項目があり、これらをすべて選択すればシミュレーション結果が出る。
それから日産の公式サイトでも車下取り相場を調べられる「下取り参考価格シミュレーション」というページがある。
この2つのサイトのシミュレーションはどちらも個人情報を入力する必要がなく、無料で利用できるメリットがある。
しかも、下取り相場の結果が出るまでに数分もかからないので、調べたい時に手軽に調べることができる。
【精度低】店頭相場&オークション相場の調べ方
店頭相場はカーセンサーの公式サイトで調べることができる。
「中古車相場表」というページがサイト内にあるので、そこを閲覧してみてほしい。
レクサスやトヨタ、日産などのメーカーと車名を選択することで、相場表を出すことができる。
相場表ではさらにボディタイプや地域を選択することで、細かく条件を指定することができる。
また相場表には「価格と年式」、「価格と走行距離」、「年式と走行距離」と3つの種類がある。
それぞれ相場を出すために参考にされる項目が違うので、閲覧する時は気をつけるようにしよう。
オークション相場についてはオークション代行業者が公開している相場情報を参考にするのが基本だ。
オークション代行業者というのはオートオークションでの取引を仲介するサービスを行っている業者のことだ。
オートオークションは業者専用のオークションなので、個人の代わりに出品してくれる。
オークション代行業者が公開している相場情報はその業者の公式サイトで閲覧することができる。
ただし、店頭相場もオークション相場もトヨタ・日産のシミュレーションと同様、あくまでも参考価格の相場なので、高い精度とはいえない。
【精度高】おすすめ!一括査定で正確な相場を調べる
おすすめなのは車の一括査定サイトで相場を調べることだ。一括査定サイトで相場を調べれば、精度の高い正確な情報を得られる。
一括査定サイトで相場を調べるには2つの方法がある。
1つは一括査定サイトで公開されている相場情報を見ることだ。一括査定サイトは複数の買取業者と連携しているので、大量の過去データから車の相場を導き出すことができる。
もう1つは実際に一括査定サイトのサービスを利用することだ。
車の情報と個人情報を入力することで、サイトと連携している複数の買取業者に査定依頼を出せるのが一括査定サイトの強みだ。
※一括査定の様子
査定によって出された複数の買取価格を比較すれば、自分の車の相場はおのずと明らかになる。
実際の相場を把握した上で、満足できる査定額を出した買取業者があれば、そこに買取依頼を出すといいだろう。
2.必要書類が揃っているか確認する
車査定を受ける時に揃えなければならない書類にはさまざまなものがある。
以下3つが必要書類になる。
また必要書類は査定時だけでなく、車の売却時にも揃えるものがあるので、それぞれの段階でしっかりと用意することを心掛けるべきだ。
万が一、書類を紛失した場合は紛失した時の対処法も含めて確認しておくとスムーズに解決することができる。
整備手帳
査定時の必要書類だが、たとえば整備手帳がある。
整備手帳はメンテナンスを記録する書類であり、新車を買った時に必ず配られるものだ。
普段からダッシュボードに入れておくべき書類だが、中古車を買った場合、以前の所有者が紛失していたことによって付いていないことがある。
中古車を買う時はその車がどのような状態にあるのか知りたいと思うのは当然だ。
そのため、査定を受ける時に整備手帳を用意するのは業者側の不安を解消することに繋がる。
それだけになおさら管理を徹底する必要がある。手帳自体は車関連の専門機関で購入したり、配布しているサイトからダウンロードすることで入手できる。
保証書
保証書は新車を買った時にメーカーから発行されるものだ。保証書は保証を受けていることを証明するものなので、大切に保管しておく必要がある。
紛失した場合は車を買ったショップで再発行の手続きが可能だ。
新車保証がついている車を売る場合は、その保証を買取先に継承することになる。買った人はそのまま保証を受けられるので、安心して中古車を利用できるのだ。
また新車保証には車の重要な部品などを対象とする保証とその他の部品を対象とする保証の2種類がある。
前者は「5年以内あるいは走行距離10万km以内」、後者は「3年以内あるいは走行距離6万km以内」の保証期間という違いがあるので、区別しておく必要がある。
取扱説明書
取扱説明書とは、その名のとおり買った車の取り扱い方法について記された書類を指す。
ダッシュボードにしまったままであれば見つけることもできるが、別の場所に放置しておくと紛失する可能性が高くなるので、読まないにしても管理は徹底しよう。
特に近年はスマートキーなど手軽に車を扱える技術が多く誕生している。それらを使えるうちはいいが、電池切れなどで突然使えなくなった場合、手動で対応しなければいけない。
普段は読まない取扱説明書でもそういった時に役立つので、取扱説明書も含めて必要書類を用意する重要性は高い。
3.買取業者相手に”有利に進める交渉術”
一括査定を行う場合、複数の買取業者と交渉することになる。その際の交渉術だが、調べた概算買取額を買取業者に伝えないことがポイントだ。
ではどうすればいいかというと、1社目の買取業者については相手の方から査定額を言ってくるのを待つようにしよう。
1社目の買取業者から「どれくらいの額なら売ってくれるか」ということを聞いてくる可能性がある。
しかし、この質問についても答えない方が無難だ。
車の価値を自分で正確に把握できている人であればいいが、そうではない場合、実際の価値よりも低く見積もられることがある。
2社目以降の買取業者については1社目の買取業者が出した査定額を正直に伝えればOK。
買取価格を高めたい場合は、1社目の査定額よりも少し高くした額を2社目以降に伝えるというテクニックもある。
愛車のアピールポイントを把握
一括査定で高価買取を目指す時は愛車のアピールポイントを把握しておくことが大切だ。
自分で自分の愛車のアピールポイントがわかっていなければ査定を行う買取業者に対してもその魅力を伝えることはできないはずだ。
そのため、査定に出す前に愛車の魅力となる部分をひとつひとつリストアップしてみよう。
愛車の何がアピールポイントになるのかわからない人もいるかもしれないが、些細なことでも問題ない。
たとえばオプションを搭載していることやタイヤが新品であることなど、装備品に着目してみることが挙げられる。
車は車検が義務付けられているが、定期的に点検を行い、整備手帳をそのたびにつけているというだけでもプラス要素になる。整備がしっかりしていれば買う側にとっても安心なのだ。
自分が愛車をいかに気に入っていたかを伝えるだけでもアピールポイントになることがある。
愛車に愛着を持っているということは、言い換えればそれだけその車に魅力があるということなので、買取業者の買取意欲が高まる。
査定前には車内清掃・洗車を!できるならエンジンルームも
査定前に車内・エンジンルーム清掃、洗車をしておくと、高価買取になりやすくなる。
なぜかというと、買取業者によっては「車そのものの価値」だけでなく、「車の所有者の性格」も査定額を決める材料にしていることがあるからだ。
所有者の性格が何に関係しているかというと、その車がどれだけ大切にされてきたかの参考になる。車は粗末に扱えばどんどん壊れたり劣化したりするものなので、大切に使われてきたとわかる方が買取業者は安心できるわけだ。
ちなみに査定前の洗車時に小さな傷などが見つかったりすることがあるが、これは直さないようにしよう。というのも、こういった傷を直してから査定に出しても修理費用や手間を上回るだけの査定額は見込めないからだ。
また、すぐに修理に出さなければならないレベルの大きな傷やへこみも同様に直さずに査定に出そう。
メールや電話の査定額を当てにするな!買取額は査定するまでわからない
買取業者によってはメールや電話で査定額を知らせることもある。メールや電話ならわざわざ査定日時を予約して業者の査定を受ける必要もないので、確かに楽だ。
しかし、メールや電話ということは実際に売りたい車を業者が見ていないことになる。そのため、メールや電話での査定額はあくまでも概算の見積もりであり、実際の買取額とは離れている可能性がある。
もちろんメールや電話で査定額を聞いて参考にすること自体は間違っていない。しかし、それでいちいち一喜一憂して振り回される必要もない。
査定業者は最低でも2社以上にしよう!
一括査定の依頼は一社だけでもできるし、それ以上は利用する一括査定サービスの上限次第となる(普通は最大10社程度の一括査定が可能)。
しかし、一括査定は複数の買取業者に対して一括で査定依頼ができる点がメリットのサービスなので、一社だけの依頼の場合、一括査定を利用する意味がほとんどなくなってしまう。
一社がダメな理由は競合できないから
なぜ査定業者が一社ではだめかというと、単体の業者だけでは買取価格の競合ができないからだ。
車の買取価格ははじめから決まっているわけではなく、査定業者が車の種類や状態を見ることで自由に設定することができる。
そのため、車を売る側からすれば、何とかして査定業者が買取価格を高く設定するようにしたいものだ。
※一括査定の様子
査定業者を2社以上にした場合、それぞれの査定業者からすればライバルが出現したことになる。
他の査定業者に車を売られてしまえば自社には一円の利益も入らない。ということは何としても自社で売ってもらえるように依頼主にアピールしなければならなくなる。
自社で売ってもらえるようにするには買取価格を釣り上げるのが一番だ。そのため、依頼する査定業者の数が多ければ多いほど競合が激しくなり、高価買取を実現しやすくなる。
査定するなら何社がベスト?できれば3社~5社
査定業者は一社でもいけませんが、多すぎても逆効果になる。
依頼する査定業者のベストな数は3社~5社だ。
3社なら競争心理も強く働くし、業者の方から高い買取価格を提示してくることを期待できる。
2社だけだと数が少なすぎて自分の車の価値や相場がいまいちわからないという問題もある。
もしかすると2社とも相場より低い査定額を提示してくることもあるかもしれない。その場合は査定額が上の業者に売ったとしてもあまり得をしたことにならなくなる。
ベストな数の最大が5社くらいなのは、単純に5社を超えると査定業者への対応が大変になるからだ。
人によっては5社でも大変ということもあるだろう。その場合は4社、3社と減らして調整しよう。
4.査定後に注意してほしいこと
査定後となればいよいよ車を売る段階に入るわけだが、この時点でも注意してほしいことがいくつかある。
決して一括査定で依頼した業者の査定が終わっただけで安心しないようにしてほしい。完全に買取取引が終わるまではどうなるかわからないので、最後まで気を引き締めておこう。
この段階まで来ればもう一括査定サイトとの関わりはなく、後は依頼したそれぞれの査定業者と直接やり取りするだけだ。
売る気がなければ断ればいいし、売る気があれば売却手続きを進めていくことになる。
査定業者の1社目に売らないこと!押し切られない
一括査定で依頼した買取業者は査定後に「ぜひウチでこの車を売ってください」と売り手に言ってくるのが普通だ。というのも、買取業者はどこであっても1台でも多く車を買い取りたいと考えているものだからだ。
時には半ば強引に買取手続きを進めてこようとすることもあるかもしれない。しかし、そういった買取業者の対応に押し切られてはいけない。特に1社目の場合、査定額は最低値にあることが多い。
前述のとおり、複数の買取業者に査定を任せることで買取価格を釣り上げることができるので、1社目で売ってしまうのは複数の業者が競合して最終的に提示される査定額を考えるともったいない。
売却の際に必要な必要書類をそろえる
普通&軽自動車 売却時の必要書類一覧 |
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書類 | 普通 | 軽自 | 備考 |
実印 | 〇 | – | |
認印 | – | 〇 | |
印鑑証明書 | 〇 | – | 発行後1ヶ月以内のもの×2通 |
自動車検査証 (車検証) |
〇 | 〇 | 現住所、氏名の確認が必要 軽自動車の方はこちら |
自賠責保険証明書 | 〇 | 〇 | 軽自動車の方はこちら |
自動車納税証明書 | 〇 | – | 有効期限の確認 |
軽自動車納税証明書 | – | 〇 | 有効期限の確認 |
振込口座情報 | 〇 | 〇 | |
リサイクル券 | 〇 | 〇 | |
住民票 | △ | △ | ※住所変更が一度の場合 |
戸籍の附票 または住民票の除票 |
△ | △ | ※住所変更が複数回あった場合 |
戸籍謄本 | △ | △ | ※結婚などで姓が変わっている場合 |
各買取店で作成する書類 (※準備必要なし) |
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書類 | 普通 | 軽自 | 備考 |
譲渡証明書 | 〇 | – | |
委任状 | 〇 | – | |
自動車検査証記入申請書 | – | 〇 |
売却の際に必要な書類にはたとえば車検証がある。車検証は車の情報が細かく書かれたもので、ダッシュボードに入れておくことが多い。なくした場合は運輸支局で再発行することができる。
それから自動車納税証明書、自賠責保険証明書が必要だ。自動車納税証明書は自動車税を納めたことを証明するもので、毎年発行される。なくした場合は車検証と同じく運輸支局で再発行することが可能だ。
自賠責保険証明書は自賠責保険の保険料を支払ったことを証明するもので、車検証とセットで保管しておくことが多い。なくした場合は保険会社で再発行することができる。
他にも譲渡証明書や実印・印鑑証明書といった書類が必要で、状況次第では委任状やリサイクル券、住民票、戸籍謄本といった書類も必要になる。
売買契約書にサインする前に確認すべきこと
売買契約書とは、車の売買取引時にその取引での約束を書面にまとめたものを指す。
売買契約書にお互いがサインすることで契約は締結し、後は契約書に書かれた約束を履行することになる。約束を履行できない時は契約書の記載に従って補償をしなければならない場合がある。
こういった不要なトラブルを避けるためには売買契約書にサインする前に確認すべきことをきっちり守ることが大切だ。
たとえば、買取金額の振込に関することや装備品がしっかりと査定されているかどうか、手数料の有無など、確認すべきことは多くある。
買取金額の振込事項
買取金額の振込事項は車を売る人にとって最も重要なことだ。特に金額の内訳はしっかりと見ておくといいだろう。
ここに記載された金額が買取金額として支払われることになるので、納得する金額になっているかどうか、事前に伝えられた査定金額と違っていないかといったことをチェックしよう。何か問題がある場合は厳しく問いただす必要がある。
また後に記載された買取金額が振り込まれるかどうかを見るために振込日の確認も必要だ。
装備品が査定に含まれているのか?
装備品がついている車を売る時は装備品が査定に含まれているのかどうかを確認する。査定に含まれていない場合、その分、金額の計上が少なくなっているので、売り手が損をしてしまう。
特に高級な装備品がある場合、査定されるのと査定されないのとでは合計買取金額に大きな差が出てくる。
手数料の有無
車の買取には手数料がかかる。たとえば車の名義を変更するための手続き料だったり、車を買取ショップまで運ぶ運送料だったりがあげられる。
これらの手数料は別途支払わなければならないわけではなく、買取金額から差し引くのが普通だ。そのため、売り手は特に手数料を意識しなくても、車の売却を行うことができる。
しかし、手数料が異常に高ければ買取金額から差し引かれる分も多くなってしまうので、売り手はできるだけ契約書内の手数料の項目を確認するべきだ。この際、「手数料」とは書かれていなくても他の名目で請求されていることがあるので、注意が必要だ。
引渡し日の確認
売却した車を買取業者に直接渡す日が引き渡し日となる。
この日は当然スケジュールを空けておく必要がある。そのため、契約書に書かれた引き渡し日に仕事やプライベートの用事がないかを確認しておかなければいけない。
契約キャンセルに対応してくれるのか?解約料や違約金など
車の売買契約を締結させた後、何らかの事情によってキャンセルしたいということもあるだろう。
基本的には契約してから1週間以内であればキャンセルできるようになっていることが多いが、契約内容次第なので、そのあたりの項目もチェックする必要がある。
基本は一度契約するとキャンセルはできなくなる。
一度契約が成立すれば、その後の一方的なキャンセルはできなくなるため、注意が必要です。
キャンセルが可能な期間が過ぎた後は契約上ではキャンセル不可となるが、車の引き渡し前であれば対応してくれる買取業者も多い。というのも、車を引き渡していない時点では輸送料もかからないし、売却先も決まっていないからだ。
しかし、車を引き渡した後は損害が発生するので、解約料や違約金などがかかる場合がある。その解約料や違約金の額についても確認しておこう。
車査定でよく起こるトラブルを把握しておく
査定の際によく起こるトラブルを事前に把握しよう。主に2つのトラブルに注意してほしい。
順番に解説していこう。
車一括査定は営業電話がかかってくる
車一括査定はインターネットで申し込んだ後、各買取業者から営業電話がかかってくることになる。
この営業電話で査定日時を予約し、当日に自宅あるいは指定場所で査定が行われ、はじめて査定額が出る。
営業電話をスムーズにやり取りするにはあらかじめ査定をしてもらいたい日時を決めておくといい。査定日時の指定は査定を受ける側が行うので、営業電話の時点で決めていなければ話が進まない。
人によっては何社もの買取業者から営業電話がかかってくるのを負担に思うこともあるかもしれない。
その場合は、あらかじめ査定を依頼する業者を少なくしておくと負担が減る。
また、電話が嫌な場合は、一旦電話に出てメールでのやり取りに切り替えてほしいということを伝えるといいだろう。
査定の際に嘘を言ってしまった…許される?許されない?
車査定では売り手からすれば当然査定金額が高くなればなるほど嬉しいものであるだけに、査定金額を高めるために査定士に嘘を言ってしまうということもあるかもしれない。
もちろん嘘は基本的によくないことだし、バレれば損をする可能性が高いので、あまり言うべきではない。
嘘が許されるかどうかは言った嘘の内容による。
たとえば希望査定額を聞かれることがあるが、これは嘘でも大丈夫だ。どのような希望査定額を言ったとしても最終的に査定額を決めるのは買取業者の方なので、高めに申告しても問題ない。
問題がないどころか、希望査定額を高めに申告して相手がそれを汲んでくれれば、実際よりも高く車を売れる可能性がある。
反対に査定の際に許されない嘘についてだが、たとえば修復歴をごまかすことが挙げられる。
修復歴とは何かというと、車を動かす上で特に重要な部分を修復したことがあるかどうかを示す言葉だ。
修復歴がある場合、過去に大きなダメージを受けた車ということになるので、査定額が下がる要因になる。
それだけに売り手からすれば隠したいものだが、修復歴はバレやすい上にバレずに後でその事実が発覚した場合、瑕疵担保責任を守らなかったということで損害賠償を請求される可能性がある。
瑕疵担保責任とは?
瑕疵担保責任とは民法570条に規定されている「売主の責任」についてを指す。
売買の目的物に隠れた瑕疵があったときは、第五百六十六条の規定を準用する。ただし、強制競売の場合は、この限りでない。
民法570条だけでは具体的な内容がわからない。「566条を準用する」と記載されているので、566条を確認すると以下のように書かれている。
第五百六十六条 売買の目的物が地上権、永小作権、地役権、留置権又は質権の目的である場合において、買主がこれを知らず、かつ、そのために契約をした目的を達することができないときは、買主は、契約の解除をすることができる。この場合において、契約の解除をすることができないときは、損害賠償の請求のみをすることができる。
簡単に説明すると、「買主(買取業者)が売買の目的物に瑕疵が有る事を知らなかった場合は、1年以内であれば契約の解除が出来る。また、契約の解除が出来ない場合は損害賠償請求ができる」となる。
隠れた瑕疵(素人ではわからない欠陥)があった場合、売り主(あなた)は過失の有無に関わらず買い主に対して責任を負う事になる。
つまり、修復歴を故意に隠した場合は損害賠償を請求される可能性があり、1年以内であれば買主(買取業者)は契約の解除ができる。
しかしながら、買取業者は買取のプロだ。隠れた瑕疵(素人ではわからない欠陥)を見逃すのは買取業者にも責任がある。
もし、この民法570条や566条通りに売り主(あなた)に責任があるなら、これを利用して買取業者が後から隠れた瑕疵を指摘してくる可能性がある。そうなれば売り主(あなた)は安心して買取サービスを利用できない。
そこで国民生活センターにはこのように明記されている。
契約後の車両の瑕疵を理由にした契約の解除や減額は、原則として認めなくてよい
車両に「隠れた瑕疵」があった場合、事業者は消費者に対し、瑕疵担保責任に基づいて損害賠償および契約解除を求めることができる。しかし、事業者は査定のプロであり、通常の注意を払えば修復歴などは発見することができるものであり、事業者側に過失があったということができる。このように過失があった場合には、瑕疵担保責任を求めることはできない。
国もこのように事業者側(買取業者側)に過失があるとしている。これなら安心して買取サービスを利用できる。
必ず査定業者同士を競合させる!それが価格アップ交渉術の基本!
車の買取価格をアップさせるには査定業者同士を競合させるのが基本だが、そのやり方にもさまざまなものがある。
買取業者の査定はマニュアルどおりに行われる。しかし、実際には査定士によって金額に差が出ることがあるため、うまく査定士の心理をつく必要がある。
たとえば、他の業者にも査定依頼を出していることを査定業者に伝える、という交渉術は必須だ。この交渉術を使わなければ相手の業者はライバルがいることがわからず、自社にしか査定依頼を出していないと思って安く買い叩こうとしてくるかもしれない。
※一括査定の様子
近年は一括査定が広く利用されている背景があることから、何も言わずとも査定業者の方から「他の業者にも査定依頼を出していますか?」と聞いてくることも。
いちいち伝えるのが面倒であれば複数の買取業者の査定を同時に受けるという方法もある。
この方法であれば別々に査定を受ける手間を省くことができるし、業者同士が顔を合わせることで競合心理の働きを促すことも可能だ。
手早く相見積もりをとるなら一括査定がおすすめ!
車を査定に出してできる限り高く売りたいと考えているなら「車一括査定」が必須だ。
まとめ
今回は車査定を利用する前に注意してほしいことを4つにまとめて解説した。
まずは査定を受ける前に「自分の車の買取相場」を知っておくことだ。相場がわかれば、自分の車がいくらで売却できるのかといったことの目星をある程度つけることができるので交渉を進めやすくなる。
次に必要書類の準備について説明した。そして実際に査定を行う時に少しでも高く売るための交渉術を紹介した。
最後に査定後の業者対応についての注意点を述べた。うかつに行動するとトラブルになるおそれもあるので気をつけよう。
査定の方法については複数の業者に査定依頼できる車一括査定を利用することをおすすめする。その仕組み上、他の売却方法よりも高く売れる可能性がかなり高いからだ。